べっぴんさん (第95回・1/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第17週『明日への旅』『第95回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
大急百貨店に任された展示のテーマを「女の一生」に決め、構想を練るすみれ(芳根京子)。同じ場所で出店の準備を進めていた洋服店「エイス」の社長・栄輔(松下優也)は、家出中のさくら(井頭愛海)についてすみれに話を持ちかける。一方、社長の紀夫(永山絢斗)から期待されていたキアリス新入社員の西城(永瀬匡)は、新規の工場開拓に音をあげ、突然会社をやめてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回は、良い部分と悪い部分が入り混じった仕上がり
栄輔(松下優也)は、どうしていつもポケットに手を突っ込んでるんだろう?なぜ、玉井(土平ドンペイ)が「エイス」に入社し、栄輔の側近を務めているんだろうなんて、どうでも良いことが気になって始まった第95回。今回は、今年に入ってからの放送回では、かなり違った雰囲気や演出を良くも悪くも盛り込んできていた。
従って、15分間の全体の印象を先に言ってしまうと、既に番宣等でも知られている通りに、来週から五十八(生瀬勝久)が久し振りに登場し、物語を大きく進めるため、かなり強引だが、良い部分と悪い部分が入り混じった仕上がりになったのではと言う推測だ。では、早速、シーン毎に私の感想を書いてみる。
いきなり、武が ♪明日は明日の風が吹く を歌い出した
まず、キアリス。相変わらず新入社員の中西(森優作)が座り、専務の武(中島広稀)が立って仕事をすると言う社員の平等精神が素晴らしい会社に、タイミング良く西城(永瀬匡)が社に戻り、男会で飲みに行くことに。犬の遠吠えが笑いを誘えず悲しく響いて、馴染みの店・呑み処「よしちゃん」へ。
そして、“また恒例の酒癖の悪い西城のくだりか” と思いきや、突然誰かの歌声が流れて、状況音はカット。おいおいと思ったら、翌朝のキアリスの店先で武が水撒きをしながら口ずさんでるではないか!更にご丁寧に「♪明日は明日の風が吹く 歌 足立武」のテロップと歌詞が流れて来た。昭和30年代の日活映画の雰囲気だ。
因みに、映画『明日は明日の風が吹く』は昭和33(1958)年に石原裕次郎さん主演の大ヒット作。クラブで主題歌を歌うシーンで、裕次郎さんは手をズボンに突っ込みながら歌うのだが、足が長い裕次郎さんが実にカッコいい1シーンが印象的。どうやら、栄輔がポケットに手を突っ込んでいるのは、演出家のオマージュだろうか。
武はキアリスの中で最も愛想が良く明るい人間なのに…
そんな演出家のオマージュだか拘りだか知らないが、『べっぴんさん』の1シーンとしては完全におかしい。道行く人には挨拶もせず、悦に入った感じ武。きっと演出上は、裕次郎になりきって…と言いたいのだろうが、武はキアリス全社員の中で最も愛想が良く、明るい人間だ。
それならば、昭和30年代の風景の一部として、事前に武が映画好きとか、歌を口ずさむ癖があるとか、スターになりきるとか言うくだりを描いていたら、作品自体の時代観とか奥行きも出たろうに。どうして、あの時描いていれば…と悔やまれる展開ばかりが続くのだろう。
突然の西城からの一方的な "会社辞めます" 宣言
そして、突然の西城からの一方的な会社辞めます宣言。居酒屋で「楽しかな」とと笑う男たち。その中に社員が辞めたばかりの紀夫(永山絢斗)がいるのが、これまたキャラクター変更って感じ。先の武も同様だが、どうも本作の登場人物たちはキャラが不安定。
でもって、安定したキャラクターは、あまり印象が良くなく応援できるキャラでない。どうにかならないものだろうか。
君枝と良子が、すみれ以上にさくらを心配するシーンで…
君枝(土村芳)と良子(百田夏菜子)のシーンでは、早速意味不明なすみれアゲをしてから、君枝と良子が、母親のすみれ以上に家出中のさくら(井頭愛海)を心配。
君枝が「こんなに長いなんて」と言っていたが、ここ最近のすみれの描写が、娘に対してはただうじうじしているだけで、仕事は何とかやってるだけだから物足りなく感じてしまう。ここは少し前に、君枝が仲裁に入るようなくだりがあったら、すみれの苦悩が見えるのに、やはりここも映像不足でもったいないことをしてる…
ヨーソローの場面は、一応 "いいとこ尽くし" ってことで
ただ、今回良かったのがジャズ喫茶「ヨーソロー」のシーン。先の君枝の「こんなに長いなんて」を龍一(森永悠希)にも喋らせて、一晩の時間経過とみんなが心配していることを描いたのは良かった、その1。そして、仏頂面で立ちんぼのさくらに台詞と動きが与えられたのも良かった、その2。
また、すず(江波杏子)がすみれに対して、うじうじからの脱出のきっかけになるようなことを言ったのも良かった、その4。そして何より良かったのが、さくらの登場シーンをここだけに絞り込んだこと。前述のように来週から物語が動くのだ。そろそろそれに向けて整理整頓するのがチラリと見えたのが良かったことのその5だ。
喜代らしさを活かした、すみれへのアドバイスも良かった
そして、もう一つ良かったのは、本来の子育て担当の喜代(宮田圭子)の台詞で、さくらの最近の生活風景が描写され、それを聞いたすみれが僅かだが反応したこと。
また、生前のはな(菅野美穂)と共に写る記念写真のカットに、坂東家代々の親子関係や子育ての “らしさ” を喜代らしい言葉で説得したのは、数週間ぶりのプチドラマチックなシーンだった。
まあ、自分の子育てと展示会のテーマを重ねるすみれも、相当なナルシストに見えるし、物語の展開としても強引過ぎると思うが、子育て半ばで天国へ行ったはなが語りで「子育てにも正解が無いように…」と言うのはやり過ぎだだが…
あとがき
それにしても、“さくらの乱” は、いつ決着が着くのでしょう?もしかして、展示会の最終日にさくらが展示を見て改心するなんて、段取りではないですよね。だとしたら、来週末までって可能性も。ただ、キアリスの部分は少しですが進んだし、進みそうですから、そこに期待してみます。
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
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第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
86
87 88 89 90 91
第17週『明日への旅』
92
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