べっぴんさん (第90回・1/20) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第16週『届かぬ心』『第90回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
さくら(井頭愛海)を心配してナイトクラブを訪れたすみれ(芳根京子)は、偶然そこに居合わせた栄輔(松下優也)と10年ぶりに再会する。驚きと混乱の中で、さくらを強引に家に連れて帰ろうとするすみれ。しかし、さくらはそんなすみれに反発する。言うことを聞かないさくらにいらだったすみれは思わず手をあげてしまうのだった。翌朝、和解しようとすみれがさくらの部屋に入ると、ベッドはもぬけの空で…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
冒頭の "すみれとさくらのこれまでの母子関係" の映像
そして今回のアバンタイトルでは、冒頭にすみれがさくらを産んでから、5歳くらいのさくらのアップ、合計5カット約40秒があった。これ、きっと脚本上には無く、編集上の演出として “すみれとさくらのこれまでの母子関係” を表現するために挿入した苦肉の策と想像する。まあ、無いよりマシのレベルだが…
唐突にすみれが店に乱入するカットより印象は良い。そしてここで本作の残念な部分が見えてしまった。本作には、“すみれのさくらへの愛情の深さ” を表現する映像が、出産と丘の上でおぶってるシーンくらいしかないと言う寂しい事実だ。こうなると編集で補強するにも限界があるってことだ。
英輔に "すみれとさくらの仲裁" をさせるべきだった…
さて、主題歌明け。うーん、どこからどう感想を書けば、この私の心の中のもやもやしたものが読者の皆さんに伝わるだろうか。結論から言っちゃうと、ナイトクラブ「青い月」での親子喧嘩を、10年ぶりに再会した栄輔(松下優也)が仲裁したら良かった。もちろん、「青い月」が二郎(林遣都)の経営でないのが前提だが…
なぜなら、まず英輔は将来的にキアリスとオライオンに関わる重要人物のはずだから、今後も再登場するのは必然だ。だとしたら、その脚本上に於ける必然性を高める上でまず最適ってこと。
そして、本作に欠落している連続性や辻褄合わせや尻切れトンボを無くす意味でも、幼き頃のさくらを知る人物として、今のさくらを知る人物として、夜の街をよく知る人物として、そして夫が帰還せず心細い母子を身近に見ていた人物として、両者の間に分け入って、「とにかく今は家に帰ろう」としたら良かったのだ。
普通、次郎は営業妨害中のすみれを店から出すのでは?
そう言う必然性と自然流れがないから、どうしようもない。だって、次郎が「今日のところは家帰り」と言った相手が、すみれでなくさくらだから。確かに、次郎にもさくらを帰宅させることは出来るだろうが、納得させられるかは疑問だ。
それに、こう言っては何だがすみれの言動は、ほぼ営業妨害。冷静になるべきはさくらでなくすみれの方で、たまに「青い月」でも演奏している次郎の立場としては、大声を出し場を乱しているすみれに「家帰り」と言うのが普通ではないだろうか。序盤の5分で、連ドラらしさを醸し出すのに “また失敗” したってことだ。
「なんか、なんかなあ」は、物語を別の話にする魔法?
そして、これまたいつも通りに「なんか、なんかなあ」がどこでもドアみたいに、物語を全く違うところへ運んでしまう魔法を使った。今度は唐突に “女の一生” とは恐れ入谷の鬼子母神だ。しゃれでも言わないとまともに見ていられない。なぜ、再婚話から “女の一生” が浮かぶのか?強引過ぎる。
それに、わざわざ二度も話に来た悦子(滝裕可里)の話の最中に、企画書を手に取り悦子の話を遮るったすみれが、すごく感じが悪く映った。普通に、悦子が帰った後にふと閃いた瞬間で終わったらスッキリしたのろうに。
どうして、同じ週に "目玉商品ネタ" を二度も?
それ以前に不可解なのは、中西君(森優作)発案のギフトセットのその後が描かれていない内に、同じ週に別の目玉商品の話を入れ込む脚本家のセンス。それなら、一度目の目玉商品を止めて、新入社員へのキアリス本店の新商品発案の宿題にでもしておけば良かっただけの話。どうして、普通が出来ないのか…
どうせ、さくらの家出先はゆりの家に決まってるのに…
そして、そして最後の最後に、「皆さん気になってしょうがないでしょ?」と言わんばかりの家出宣言のメモのくだり。どうせ、ゆり(蓮佛美沙子)の家に転がり込んでるしかないのに…
あとがき
想像ですよ。あくまでの私の想像ですが、悦子の再婚話を聞いて思ったのですが、紀夫が帰還した頃から、あれこれ盛り込み始めて、ついに年明けに物語のメインがさくらになって、それではいけないってことでキアリスの方も盛り込んでk咲いている内に収拾がつかない状態になっているのでは?
それに、今回なんかを見ると明らかにいろいろなアップの切り返しが多くなって、映像的な面白味も薄まってます。すみれの台詞にもありましたが、このまま「女の一生」を描けるのでしょうか。流石に、不安になってきました。でも、あと61回、10週と1日あります。とにかく脚本を立て直して欲しいです…
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連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
43
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第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
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第11週『やるべきこと』
61
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第12週『やさしい贈りもの』
67
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第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81 82 83 84 85
第16週『届かぬ心』
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