「愛を乞うひと」読売テレビ・日本テレビ系スペシャルドラマ【文部科学省選定】 (2017/1/11) 感想

篠原涼子主演 読売テレビ・日本テレビ系スペシャルドラマ「愛を乞うひと」【文部科学省選定】 (2017/1/11) 感想

読売テレビ/日本テレビ系・スペシャルドラマ『愛を乞うひと』公式
『【篠原涼子が初の一人二役】母娘のカタチを問う壮絶な愛の物語。“幼少時代の虐待”という凄惨な記憶を閉じ込めていた女性が、数十年の時を経て、再び過去に向き合っていく』の感想。
なお、原作となる下田治美氏の小説『愛を乞うひと』は既読。1998年の映画『愛を乞うひと』(脚本:鄭義信/監督:平山秀幸)も鑑賞済み。
また、本作は「文部科学省 選定 社会教育(教養)青年・成人向き」作品に選定済み(平成28年12月27日)。


山岡照恵(篠原涼子)は早くに夫を亡くし、娘の深草(広瀬アリス)と暮らすシングルマザー。照恵は、生き別れた弟(ムロツヨシ)との再会をきっかけに、母・豊子(=二役・篠原涼子)から虐げられた凄惨な幼少時代(鈴木梨央(他))を深草に語り始める。さらに、すべての真実を求め、亡き父(上川隆也)の故郷、台湾へ…そして、母・豊子(=二役・篠原涼子)に会うことを決意する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

原作と映画は、"親子の絆" を知る真実の愛の物語

当blogは原則として、原作や過去の映像作品と比較しない立場だが、本作については1997年に公開された女優・原田美枝子の代表作、映画『愛を乞うひと』を語らずにはいられない。とにかく劇場で初めて観た時の “衝撃” は今でも忘れない。

母親から虐待を受けて育った主人公・照恵が、幼い頃に死別した父親の遺骨探しの旅に娘と一緒に台湾へ向かい、そこで再び壮絶な母親の真実と向き合うことになる…。数年間に亘る凄まじい母・豊子の折檻にも、ただただひらすらに母にしがみつく照江が母親になって “親子の絆” を知る真実の愛の物語。

映画版は、"心を激しく揺さぶられる" 90年代邦画の名作

映画版は、故大原麗子さんが偶然手にした原作に自身の生い立ちを重ね、自分が主演でと映画化の企画を持ち込んだのだが、当時人気が落ちて来た大原さんに代わって、原田美枝子さん主演で映画化されたと言う、2人の女優の数奇な運命もつくり出した。

とにかく “心を激しく揺さぶられる” と言うのが映画版の第一印象。凄まじい折檻による我が娘への幼児虐待から、父の遺骨探しの旅を通じて、最後で映画のタイトル『愛を乞うひと』の意味がわかり、“愛して欲しい” と言う素朴な願いがズシーンと心に圧し掛かる…。90年代の邦画の名作だ。

"篠原涼子が初の一人二役" を売りにした番宣に不安が…

さて、今回のテレビ版。脚本は、『銭の戦争』『家族ノカタチ』『嘘の戦争』等の後藤法子氏。演出は、『マザーズ』シリーズや『水族館ガール』等の竹園元氏。音楽は、『マザーズ』シリーズや映画『金メダル男』等の林祐介氏。【篠原涼子が初の一人二役】を目玉に作られたテレビドラマ。

既に、放送前から【篠原涼子が初の一人二役】を売りにした番宣の連続で、制作陣のセンスを疑ったが、実際の内容もほぼ全編が篠原涼子さんのPVと言った雰囲気。

娘への暴力シーンの扱いが変 腑抜けなラストも残念

特に、鈴木梨央さんが熱演した娘への暴力の場面が、全編の背骨を貫くことなく、ただの過去の1ページ風に扱われたのが残念と言うか、間違い。

“愛を乞う” がために必死に母の暴力に耐える娘の辛さ。自らも “愛を乞い” ながらも娘に折檻してしまう母の悲しみ。虐待された記憶に苛まれながらも実母に対して “愛を乞う” 主人公。この3者がオーバーラップしてこそ、一人二役が活きるし、必然性もあるし、力強いテーマが視聴者に伝わるのだ。

そこが、主演の演技力不足、CMによるブツ切れ、CMの度に挿入される煽りの文句で、更に台無しになった。特にエンディングは頂けない。あれでは “愛を乞う” どころか “愛を諦める” になってしまった。これを劇場で公開するのも無理だろうが、この腑抜けのラストでは、テレビで放映した意味も無いような…

あとがき

平成29年放送のテレビと言うメディアを意識しすぎて、完全にテーマを見失った印象です。前述の通りに、鈴木梨央さんの演技は素晴らしかったです。主演は、今なら尾野真千子さんや小西真奈美さんが良かったかもしれません。企画は悪くはありませんが、この原作をドラマ化するなら、もっと本気度を見せて欲しかったです。

映画版『愛を乞うひと』をまだご覧になっていない方は、この機会に是非観て頂きたい名作です。原田美枝子さんの “眼” で時代や人間性を演じ分ける演技力を堪能して下さい。

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