べっぴんさん (第82回・1/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第15週『さくら』『第82回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
昭和34年。キアリスは十周年を迎え、全国的に知れ渡る企業に成長。すみれ(芳根京子)は、お客さんの対応に追われ日々忙しく働いていた。すみれの娘・さくら(井頭愛海)と君枝(土村芳)の息子・健太郎(古川雄輝)は15歳になり、高校受験を控えていた。仕事が忙しく、家族でゆっくり過ごす時間が持てないことに寂しさを抱えるさくら。高校受験当日、試験開始の合図が言い渡されるが、さくらは手を動かそうとせず…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、アバンの冒頭の2カットだけ、スローモーション?
最初から引っ掛かって申し訳ない。アバンタイトルの1stカットの水撒きのジョーロのアップと、2ndカットの水撒き男と商店街を行き交う人々の2カットだけが、スローモーションになっていた意味が全くわからない。前回も書いたが、本作のスタッフは、やらねばならぬことをやらないのがお約束。
本作は "ただのホームドラマ" になった
そんなスタッフが、今回は必然性のないことをやったのだから、とんでもないことをやりそうな予感しかしないのは当然。と思った直後、早速キアリスの成長も、人事異動も、事務所の引越しまで、ぜーんぶ「語り」で処理。靴職人で元キアリス社長の麻田なんて、「語り」も無しに遺影だけで処理。
おいおい、創業直後からの10年間の登場人物や舞台である会社の成長や変化の過程を描かない、「一代記」とか「サクセスストーリー」なんて絶対あり得ない。従って第82回を以って、本作は “ただのホームドラマ” になったと言うことだ。もはや、モチーフもモデルも完全に意味が無くなったのだ。
「ファミリア」が皇室御用達になる過程を見たかった
直前で、モチーフもモデルも完全に意味が無くなったと書いておいて恐縮だが、実は私は「ファミリア」がどうして皇室御用達に選ばれるような製品作りが出来たのか?その過程を本作で見たかったのだ。そこが完全に削除されたショックは大きい。
このショックは、先日二十歳になったばかりの芳根京子さんが、全く “34歳の専務” に見えないことすら、全然気にならないほどだ。紀夫(永山絢斗)が社長に就任したのもテロップだけ。本作の第1,2週の端折る展開を思い出したが、ここは省くべきでないし、省いたらダメな所なのだがやっちまったか。
10年間の夢への努力も過程も、たった3つの台詞だけ
トク子(中村玉緒)の “ナレ死” の直後の無意味に強めにリバーヴを掛けた「大往生です~」の亡き母・はなの天の声が怖く感じたのは私だけだろうか。まっ、こんなことは今回の15分間で次々と起こる不可思議な脚本と演出に比べたら、取るに足らぬことだ。例えば、こんなセリフのやり取りにも不信感が…
すみれ「何よりまだ、ゆ、め、の、途中やから、ね~」
喜 代「漸く、ここまで来られたんですものねえ」
すみれ「うん」
まだ、夢も描いてなければどの辺の途中なのかも描かず、“漸く” のその苦労も過程も全部すっ飛ばして、たった3つの台詞で処理したのも酷過ぎる。
すみれと紀夫が子育てをしてきたような印象操作
そして、今回で最大の本作の “大嘘” のシーンが “さらりと回想で” インサートされる。ホント、やり方がいやらしい。それが、さくら(井頭愛海)の受験シーンに挿入されたこのシーンだ。試験開始直後に筆を執らないさくらを、わざわざ描くのもどうかと思うが…
紀 夫「良い子に育って良かったな」
すみれ「そやから私も安心して家を空けられるのよ」
もう、お解りだろう。「喜代さんのおかげで…」が入らないのが “大嘘” だと言うのだ。こう言う部分で敢えて、女中の喜代への感謝を描かずに、逆にすみれ(芳根京子)と紀夫がきちんと子育てをしてきたような印象操作をするから、描写に真実味が無くなりダメなのだ。
あとがき
本当はもっと細かい部分、特に演出や映像部分の変化についても触れたかったが、今回はあまりにも酷い部分が多いから止めておきます。ついに、ただのホームドラマになりましたね。さくらの我がままとか反抗期なんて、どうでも良いです。前述のように、私は皇室御用達になるまでの10年間を見たかったんです。
見たかっただけでなく、そこを描かずして、第1回で描かれた「キアリス20周年」まであと10年しかありません。この脚本家なら明日にでも「20周年」にしちゃう可能性があるってことですよ。そんな爆弾を抱えてたまま、どうやらまた家族内、家族間の確執のエピソードを続けるようです。
第1,2週は、すごく楽しかったし期待をしたのですが、最も大切な創業からの10年間を15分間で、それもほぼ「語り」で処理したら、流石に、もう期待し続けるのは難しいかもしれません。
私の仕事で作るような、創業100年以上の企業の周年祝賀会で放映する「社史ビデオ」だって、事業が軌道に乗るまでの最初の10年くらいを一番丁寧に作りますよ。そこに創業者の熱い思いが最も込められているのですから…
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
80 81
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