べっぴんさん (第80回・1/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第15週『さくら』『第80回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)は、靴職人の麻田(市村正親)の元を訪れ、娘のさくら(栗野咲莉)の入学式用の靴を作ってもらえないかと頼む。麻田はすみれの注文を引き受けるが、実はある悩みを抱えていたのだった。一方、ベビー服店・キアリスでは、急激に売上が落ちるという事態が起きていた。原因はわからないままだったが、ある日キアリスの商品の偽物が出回っているという情報が入る。すみれたちは偽物を売る店に乗り込むが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
単純に「暗い日」の次に「明るい日」の1セット
今日は、これから結婚披露宴の仕事なので簡単感想で。午後は晴れると良いのに…
後半戦(今年)に入って、単純に「暗い日」の次に「明るい日」の1セットで進むパターンを繰り返す本作。今回も予想通りに暗いアバンタイトルで始まった。いよいよ、作家も盛り上げる気もなくルーティンの仕事に入ったってことか?おっと、今週は崩れる可能性は大だが…
キアリスの経営状態が描かれないのに…
キアリス本店は特に客がいることもなく、金銭のやり取りも描かれず、時々紀夫(永山絢斗)が帳簿付けをやってるカットがあるだけで、売り上げが下がると言われても、全く実感もないし伝わりもしない。こう言うキアリスの経営部分の描写を手抜きするから、3か月も経ったのにキアリスの物語になってる気がしない。
店が経営不振でも靴を頼むすみれ。なんか、なんかなあ
キアリスの経営が厳しくなったと言うのに、なぜか話はそちらに進まず。アバンに登場した体調の良くない麻田(市村正親)を出して、ヒロインが娘の入学式用の靴を作ってもらえないかと頼む方向へ。すみれ(芳根京子)のノー天気さなのかお嬢様気質なのか知らないが、なんか、なんかなあ。
小走りで行ける距離でも、偽物販売に気付かない?
なぜ、小走りで行ける距離で偽物が売られているのに、キアリス関係者が気が付かないのか全く理解できない。そして、最も解せないのは、キアリスの子供服が一般的な子供服とどの程度の価格差があるのか、これまでほぼ描かれていないこと。先と同じで「高い」と言われてもそれだけでは、全く実感もないし伝わりもしない。
「また、さくらの我がままか?」と見えちゃうのが残念
そしてまた麻田のくだり。どうやら正月のぜんざいに続いてさくら(粟野咲莉)の我がままで押し切るようだ。いや、さくらは正月に誰かに躾けられて、本心をすぐに口に出さないようになったはずだが、そこがきちんと描かれていないから、“また、我がままで” と見えてしまうのが残念。本作はこんなのばかりで困る。
肝心な描写を手抜きして、欲張っても…
脚本家が、この15分間で、「本物とは何なのか?」や「ものづくりとは?」を麻田の靴づくりとキアリスの偽物を対比して描きたいと言うのは、どうにか伝わってくる。ついでに、麻田の体調とキアリスの経営状態を通して、劇中の大きな時間経過や時の流れも描きたいのだろう。まあ、本作としては欲張ったものだ。
ただ、「偽物」が登場しても「本物」がどう言う品質でどのような価格であるかが、だいぶ前にちらりと描かれたくらいで、まともに且つきちんと描かれたことが無いから、前述のようにどうもピンと来ない。まだ、玉井(土平ドンペイ)はいたのか程度。肝心な描写を手抜きするからこうなるのだ。
今週半ばから、"10年分を時間経過する" ことの重大性
そして、困ったことに、先週から言っているように今週半ばから、一気に “10年分を時間経過する” ことが視聴者に知られている。従ってあと1日か2日で、こんな大問題をどう視聴者が納得できるような決着で見せてくれるのか、これまでを考えると、いつもの尻切れトンボになりそうのが見えている。
だって、10年だ。きっと水曜あたりだろう。あと2日でこれまで何が描かれただろうか。いや、逆に私が描いて欲しかったことを書こう。まず、直近で言えば、明美(谷村美月)の通訳の一件、アメリカ企業との取引の一件はどうなったのか?週替わりで一切触れずにこのまま時間経過か???
大きな時間の流れの中で言えば、「キアリスを総合店にする」との紀夫の号令の下、4人が役割分担して総合店を目指すとなったはずなのに、そこが明美の通訳が中途で終わったことで止まっているのが、一番の心配であり不安であり困ったところ。どう贔屓目に見ても、麻田の体調と経営不振と合わせて描けるはずがない。
靴もキアリスで扱い、元気な麻田に指導してもらったら?
そもそも、描くべきことを描かぬまま一気に “10年分を時間経過する” なら、すみれとさくらを麻田の入学靴で重ねるのを延長して、すみれたちが、麻田の靴もキアリスで取り扱う設定にして、今回と次回で麻田の指導で本格的な総合店を目指して奮闘するエピソードにしたら良かった。
その方が、第1週からのすみれと麻田の関係性の変化が描けるし、靴職人の麻田を通してすみれだけでなくさくらもものづくりの本質を学ぶと言う本作らしい流れが出来たのに。連続性もほぼ無し、辻褄も所々で合わず、連ドラならではの面白味にもイマイチ欠ける本作。本気で “連ドラ” を作る気なのか疑いたくなる…
あとがき
冒頭で、「仕事なので簡単感想」と書きながら、ついつい長く書いてしまいました。もう、ダメかなあ。特に今週は4人の子どもたちの俳優が世代交代して、そっちに話題も内容も引っ張られて、キアリスがどう描かれるのか不安でしょうがありません。私は、出演者でなく物語を映して欲しいのです。
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
31 32
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第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
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第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77 78 79
第15週『さくら』
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