べっぴんさん (第78回・1/6) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第14週『新春、想(おも)いあらたに』『第78回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
新年早々からキアリスを子供用品の総合店にするための準備を進めていくすみれ(芳根京子)たち。ベビーベッドなどを仕入れるため、アメリカのメーカーと英語で取り引きができる担当者が必要になり、すみれは大学で英語を熱心に学んでいた姉のゆり(蓮佛美沙子)に相談する。しかし、子供が生まれたばかりのゆりは「子育てに専念したい」と話を断り、困ったすみれたちは、外国人相手に英語で話をしていた明美(谷村美月)を頼るが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
興味がわかない地味な正月風景のアバンから始まった
どうしても、明美(谷村美月)と武(中島広稀)の関係は客寄せに使いたいらしい。これ見よがしな明美の英語ネタ。なんか、アバンタイトルからして興味がわかない地味な正月風景。どうにかならないものだろうか。
従業員でおせちのパーティー、あれは何なの?
主題歌明け。麻田(市村正親)の「着物姿が眩しいですね」の台詞があるのに、すみれ(芳根京子)たちには日差しが当たらぬ日影が立ち位置。もう、ざっくりな脚本に、演出照明もやる気をなくしているように見えてしまった。そして、仕事始めのシーンで始まるかと思いきや、従業員でおせちのパーティー。何なの?
なぜ、突然に家具だけ「アメリカ製」と言い出したのか?
台詞では「仕事始め」と言いつつ、おせちの後片付けをしているのと、挨拶回りの途中で立ち寄った風の勝二(田中要次)らで、全く時間設定がわからないのだが、台詞と言えば気になることがある。おせちパーティーで幾人かが「アメリカ製」と言っていたことだ。
確か、だいぶ前の話になるが、キアリスは欧米の出産や育児を日本にも取り入れようと言う大義名分みたいなのがあって、ベビーナースとして神戸に駐留する外国人宅に出向し育児指導をしていた明美の経験と知恵で、欧米式おむつを作ったと言う記憶がある。
だって、欧米式おむつ以外は、全部オリジナルだろうに
しかし、その後のテーブルクロスも子供服もベビー服も食器セットもクリスマスプレゼントも全部すみれたちの手作りのオリジナル。欧米風を取り入れたなんてエピソードはとんと記憶にない。なのに、ここへ来て家具や乳母車を突然に「アメリカ製」が良いと言い出した。
外国製を見て憧れるのは当時の世相として普通だ。そこに反論はない。しかし、今回の話はキアリスの今後を考える場。だとしたら、まずは明美が「アメリカ製はアメリカ人のサイズに合わせてあるから、日本人には合わへん」とか言わないと。
欧米式をキアリス風の "べっぴんさん" にする話では?
その上で、すみれが「私たちで日本人のための家具を作れないかな」と進むのが普通でないか?なのに、物語は貿易のための英語の達人探しに話が進んでしまう。ここは、いち早く潔(高良健吾)とゆり(蓮佛美沙子)に相談して、まず輸入してもらって、すみれたちが日本人用にカスタマイズするのが本作らしいのでは?
事実がどうだか知らないが、今まで日本には無かった、日本人が知らなかった子供服やベビー服を世に出すのがキアリスだったのでは?それに、すみれたちが明美の英語力を忘れたかのように、何とか活かす方向を完全に模索することすらしなかったことに違和感と馬鹿馬鹿しさを感じてしまった。
武が言い出すまでの11分間は、一体何だったのか?
結局、武が言い出すまでの11分間は、完全なる時間繋ぎ。ゆりの子どもに飯を食わせるシーンを入れて視聴者の注意を逸らしたつもりだろうが、あのシーンを微笑ましいと思う視聴者ばかりでないのは脚本家も知ってるはず。それなのに、入れてくるのがしゃくでしょうがない。
本作には映っているべきものが、とことん映らない
それにしても、どうして本作には映っているべきものが、とことん映らないのだろう。冒頭のおせちパーティーだって、開店前の時間ならみんな我が子を連れて来ても良さそうだし、明美たちが帰って来た時の店内には客が一人もいなかった。
子育てしながら働く妻とそれを支える夫たちが経営する子供服とベビー服の店の物語なのに、子どもも客も登場しない。確か。4人のクローバーたちの子どもは何らかの問題を抱えているはず。なのに、登場しない。描かれない。店も大きくする話になっているのに、客が全く登場しない。描かれない。もう矛盾だらけで、どうとらえるべきなのか?
あとがき
「べっぴんさん」を作る話は、一体どこへ行ってしまったんでしょう。今やただのおままごとから巨大企業への成長物語に、ちょこっと夫婦や家族の話がくっついてるだけ。先に書いたように子どもも客も描かれず、キアリスが大きくなる過程を描いてるだけ。これを、「べっぴんさん」を作るものづくりのお話と言えるでしょうか。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL →
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/9340/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/445625687.html でも受付けております。
【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
73 74 75
第14週『新春、想(おも)いあらたに』
76 77
- 関連記事