新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」 (2017/1/3) 感想 ※追記あり

新春大型ドラマ「君に捧げるエンブレム」 (2017/1/3) 感想

フジテレビ系・新春大型ドラマ『君に捧げるエンブレム』公式
『櫻井翔主演。未来を絶たれたJリーガーが車いすバスケで再び夢に挑む。恋人の想い、友との絆、迫力のプレーシーン!新年の幕開けにふさわしい爽やかな感動の物語。』の感想。


 主人公の鷹匠和也(櫻井翔)は幼少の頃から注目を浴びてきた天才サッカー選手。Jリーグに入団し、23歳で念願のサッカー日本A代表にも選ばれ、自慢の婚約者・仲川未希(長澤まさみ)との新居も構え、まさに順風満帆、栄光の人生をその足でひた走ってきた。
 ところが、結婚式の衣装合わせを控えたある日、和也は事故にあい、脊髄を損傷する大怪我をおってしまう。立てない、歩けない、一生を車椅子で過ごさなければいけない…。「この2本の脚さえあればオレはどこでだって生きていける」そう思ってやまなかった和也につきつけられた過酷な現実。人生そのものを失ったに等しい絶望のどん底にいた彼に、未希が差し出したのは婚姻届だった…。
 以前と変わらぬ態度で接する未希に支えられ、驚異的なスピードでリハビリを克服していく和也。だが、結婚に反対する双方の家族、世間のあわれみの目、何より弱者になってしまったことを受け入れざるを得ない自分自身…、サッカーに代わるものなど見つけられず、先の見えない人生に、なすすべもなくいら立つことしかできずにいた。
 そんなある日、リハビリセンターの体育館で、偶然、車椅子バスケを目撃する和也。激しいボール、床をこするタイヤの焦げた匂い、戦車のような車椅子、ぶつかりあう屈強な男たち。そして、その熱気…。吸い込まれるように見入っていた和也の手に、「やってみますか?」と一つのボールが手渡される。
 「妻に誇れる男でありたい。生まれてくる子に誇れる父でありたい。自分に誇れる人生を歩みたい」。パラリンピック日本代表選手を目指す和也の新たな挑戦が始まった…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---

3つの良かったところ

原案は、元車いすバスケットボール選手の京谷和幸氏。脚本は、『リッチマン、プアウーマン』『Oh,My Dad!!』『失恋ショコラティエ』等の安達奈緒子氏。演出は、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』『リッチマン、プアウーマン』『松本清張スペシャル 一年半待て』等の西浦正記。

感想を端的に言うなら…

【1】スタッフもキャストも、車椅子バスケと言う競技に真摯に向き合った。
【2】嵐の櫻井翔さんが主演を果たした、大きな意味はあった。
【3】丁寧に「否認と孤立」「怒り」「取り引き」「抑うつ」「受容」が描かれた。

全員が、車椅子バスケと言う競技に真摯に向き合った

【1】については、妙なお涙頂戴路線に進まずに、一人の男、夫、父、元Jリーガーが、車椅子バスケを通して変化・成長していく姿だけに絞り込んだストーリーが感動的だった。また、俳優陣も見事なチームワークを見せ、変にドラマチックに演じずに自然体の芝居で魅せてくれたのも良かった。

櫻井翔さんには、主義主張が強い作品に出演して欲しい

また、【2】についても、人気グループ嵐の櫻井さんが主演したことで、車椅子バスケの実情や選手たちの悲喜交々を多くの人に届けることだ出来た意義は大きい。2010年放送の『阪神・淡路大震災から15年 神戸新聞の7日間』(感想)同様に、櫻井さんには本作ようなテーマ性の強い作品にこれからも出演して欲しい。

患者の心は、否認と孤立→怒り→取引→抑うつ→受容へ

本作で最も褒めたいのが【3】だ。当blogでは度々紹介している、“看護のバイブル” と言われるスイスの精神科医・エリザベス・キューブラー・ロスの書『死ぬ瞬間―死とその過程について』に書かれている、多くの患者(すべての患者に当て嵌まるものではない)の心理状態の変化について、とても丁寧に優しく描かれていたことだ。

書によれば、患者は病気や死を、「否認と孤立」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」の5つの段階へ順に変化するとある。

本作の主人公・和也(櫻井翔)も、最初は半身不随を否定し孤独になり、周囲に怒りをぶつけた。その内、車椅子バスケと出会い周囲と駆け引きや取引を繰り返し、時には孤独感に苛まれ、やがてすべてを受け入れる。その5段階がわかりやすく描かれていたし、期待を持たせたハッピーエンドなのも良かった。

3つの残念だったところ

【1】脚本が大雑把だった。
【2】“俳優・櫻井翔” としてフィジカルを鍛えて欲しかった。
【3】「24時間テレビ」みたいで、正月三が日に観るテーマとしては重かった。

残念だった部分を掘り下げるのは、今回は止めておく。なぜなら、本作から伝わったものが素晴らしかったから。ただ、やはり年末の方が放送のタイミングとしては良かったような…

【追記 2017/01/05 19:00】
記事中で「3つの残念だったところ」について、掘り下げるのを止めた理由について、『拍手コメントへ返信 (2017/1/4の分)その2』に記載しましました。気になった方は、お読み下さい。

あとがき

視聴率は、8.4%。「歴代嵐ドラマ最低」&「初1ケタ」だったそうです。きっと前述の「3つの残念だったところ」が原因だったのでしょうね。でも、すごく良いドラマで私は爽やかな感動を貰いました。

そして、この記事で、48年も前に書かれ今でも「看護のバイブル」と言われるスイスの精神科医・エリザベス・キューブラー・ロスの書『死ぬ瞬間―死とその過程について』に興味を持ったら、是非、読んでみて下さい。
【書評】「死ぬ瞬間―死とその過程について」エリザベス キューブラー・ロス (著)

これを基にした「障害の受容」と言う考え方だと、「ショック期」「否認期」「混乱期」「解決への努力期」「受容期」と言う5段階があり、障害者全体の障害受容の経過が、本作にはピッタリと当て嵌まると思いませんか。

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車椅子バスケのJリーガー―4度目のパラリンピック日本代表選手を目指して
死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)
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【2017年のスペシャルドラマの感想】
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