べっぴんさん (第75回・12/28) 感想

連続テレビ小説「べっぴんさん」

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』公式
第13週『いつものように』『第75回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


すみれ(芳根京子)たちは、紀夫(永山絢斗)に相談せずに子供用の食器を大量に発注していた。紀夫以外は全員売れると信じていたが、紀夫だけはリスクを心配し、キアリスの社長となった靴屋の麻田(市村正親)や義兄の潔(高良健吾)に相談した結果、話を進めることを認めるのだった。完成した食器は販売を開始すると即完売して大成功をおさめる。しかし、無邪気に喜べないすみれは紀夫に想(おも)いを訴える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

女性に怒鳴ることで自己満足する男にろくな奴はいない

男尊女卑とか言う問題でなく、女性に怒鳴ることで自己満足する男にろくな奴はいないと思っているから、年末のこの忙しない時にこう言う男を見ると単純にイラッとする。それにしても、アバンタイトルでの紀夫(永山絢斗)の一方的な言い分にしても、ここまで紀夫をバカな男に描く必要性がのちに出て来るのだろうか?

紀夫はすみれを観察、見ていたいだけのだ

今回のアバンで注目しなければならないのは、紀夫の口から出た「お金」と言う言葉であり、価値観だ。これまで本作は「商売」「売れる」「資金」「経営」「経理」などとは言ってきたが、「お金」と言う言葉はあまり使ってこなかった。それは、すみれ(芳根京子)たちがお嬢様で下衆な言葉は使わないと考えたから。

しかし、紀夫はハッキリと「お金」と言った。ここが前回と今回が持ってる、先週までとの大きな矛盾だ。紀夫はキアリスの経理をしたいわけではない。経理をする “振り” をしてすみれを観察、見ていたいのだ。そう、以前にも書いたように、ほぼ妻をストーキングしていたいのだ。

そう考えないと、紀夫がすみれがキアリスの店先で働くことを許可した理由が見当たらないからだ。今回がこんな展開になるとは思わなかったから、前回でのこの紀夫の台詞に食い付かなかったが、この台詞の意味すら完全にわからなくなった。

紀夫「ええとか悪いとかやなくて、そないな事は、
   動く前に相談してもらわんと困る 言うてんのや」

前述の通りに、紀夫はすみれを観察、見ていたいだけのだ。だとすると、この紀夫の台詞が意味するのは、「すみれは俺の目の届く範囲に居ろ。勝手にどこかへ行くのは許さない」と言うことにしかならない。正に、ストーカーの言い訳そのものだ。

紀夫に「お金」と言わせたのは良かった

それを、強引に払拭させようと挿入したのが、今回の「お金」と言う台詞だ。これによって、紀夫が経理だけでなくキアリス全体の経営にまで食い込んで、物事を考えていることになった。これまでのこの脚本家だったら「お金」と言う台詞は入れずに、いつの間にか紀夫が経営者面していたに違いない。

まず、騒動を描き過程は矛盾だらけに描いて尻切れトンボで、また次の騒動に移る。これが本作の脚本家の最悪の癖。その意味では、「お金」を入れただけマシとは言える。しかし、それでも一経理の立場の人間が、社長を抜きにこの言葉を言うのはおかしいのは確か。本作はアバンだけで、どれだけ矛盾を抱えているんだ?

紀夫が、麻田と潔に相談しに行ったのも良かった

その後は、紀夫が麻田(市村正親)と潔(高良健吾)に相談。麻田に相談するのは当然のことだが、よくぞ潔に相談に行けたなって感じはあるが、あのまま経営責任者気取りで、物語が進むよりはずっとマシ。ほんのちょっぴりだけ紀夫にまともな部分があるように見えたから。

なぜ、陶器を持って喜ぶすみれのアップだけ無いの?

さて、陶器の試作品が店に届いた。4人が待ちに待った陶器だ。しかし、それを喜ぶシーンで、なぜかヒロインのすみれだけ表情のアップが無い。シーンの最後にバストショットがあるだけ。こう言うところできっちりとヒロインの笑顔を入れないから、いつまで経っても笑顔がぎこちないし、こちらも慣れない。

それに、前回の感想で書いたような雑な演技指導も気になった。今回は陶器工場から陶器を運んできた武(中島広稀)が、喜ぶ4人の後ろで如何にも手持ち無沙汰で台詞無し。一言すみれが「武君、ありがとうね」と言うだけで、武がリアクション出来るし、すみれの優しさも表現できたのに…。このタイミングが良かった。

陶器セットの "素晴らしさ" は描かず仕舞いか?

さて、次は松島屋デパートとの交渉が始まった。しかし、何度も書いて恐縮だか、あの陶器セットのどこがどう素晴らしいのか私にはちっとも理解できないのだが、劇中で試作過程や客の評判などで、描かれていただろうか。

本来は、ものづくりを描くドラマならば、すみれたちがどのような試行錯誤をして、食器への思いを形にしたのかを描くべきなのでは?肝心で一番面白くて視聴者が見たいところをバッサリとカットして、「作ろう」から「ええね」に飛んでしまうのがホントもったいないし、描かぬ理由も理解できない。

結局、このドラマそのものが「人間」を描くつもりはなく、「お金」を描いているだけなのだろうか。

すみれが紀夫に自己主張したのは良かった

すみれ「紀夫さんの言うことは正しいし、
    私たちは間違ってることも多いと思う。
    でも、普通の会社と言う形や枠に当て嵌めないで、
    あたしたちならではのやり方を見つけられないかなあ」

夜の坂東家で、すみれがキアリスの今後の方向性について、紀夫に相談するシーンは本作としてはかなり良かったのではないだろうか。ちょっといい気になってる紀夫をなだめる効果もあり、心が病んでる紀夫を怒らせないように配慮するような雰囲気もあって、DV夫対策的にも整合性が見えたし。

紀夫の心情の変化を、もう少し映像化して欲しかった

そんなすみれの提案に即答しない紀夫が、翌朝には別人になった。本来なら、夜のシーンで陶器を触るカットだけでなく、苗字呼びでギクシャクしていた4人の回想シーンを取り入れて、なかなか眠りにつけない紀夫なんかのカットで、紀夫の心情の変化を映像で描けば、今回はかなり良い仕上がりだと言えたのに…

折角のシーンで、まだ「語り」を被せるか?

また、肝心な所で「語り」を大量に被せてきた。ここまでべったりと「語り」が映像に張り付くと、もはや映像は「語り」の背景動画になってしまう。「おめでとう、ゆり」まで言わせるのは完全にやり過ぎ。結局、こんな感じで年内も終わりってことか…

あとがき

突っ込みどころ満載の年内最後の放送でしたが、意外にも良い所がいくつかありました。紀夫に「お金」と言わせたことや、そんな「お金」に拘る夫に自分がつくったキアリスの方向性をすみれが伝えたのは良かったです。脚本家お得意の尻切れをしなかったのですから。

きっと、今週は3話しかないので、「語り」も大量に入れる余裕も無い位に、ギュッと凝縮して描かざるを得なかったのが、功を奏したんだとは思います。この位ならまあ見られるかなって感じです。第14週も4日間しかないから、意外と良いかもしれません。

さて、今年も三か月間、『べっぴんさん』の前半の感想にお付き合い下さり、ありがとうございました。今週、来週と後半に向けて本作が良くなることを大いに期待しつつ、来年も当blogをよろしくお願いします。

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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック


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【これまでの感想】
“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること

第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32  33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43  44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50  51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55  56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61  62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67  68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
 73 74  

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