SMAP×SMAP (最終回 4時間48分特別編成・2016/12/26) 感想
「2016年12月26日の月曜日の夜」は特別な時間に…
2016年12月26日の月曜日の夜は、私にとって忘れられない特別な時間となった。フジテレビの『SMAP×SMAP』の最終回がついに放送されたからだ。
私は、決して熱烈なSMAPファンではない。それでも、バラエティー番組で見せる仲の良さ、歌番組で見せるアイドルグループとしての完成度の高いパフォーマンス、映画やテレビドラマで見せる個々の俳優としての輝く存在感には、いつも驚かされ感動した。
そして、グループとしても、個人としても、常に『SMAP』と言うアイドルグループの大看板を背負った “凛とした佇まい” に元気や勇気をもらってきた。
SMAPを “看取る” と言う神聖な感覚…
解散の真相は、漏れ伝わる噂でしか知る由もない。しかし、四半世紀もの長い時間、テレビを点ければ必ずその中にいて、日本中の誰もが顔と名前を知るトップアイドルが個人的な如何なる理由があろうとも、多くの日本人の、多くのファンの存在を蔑ろにして出した結果で無いはずだ。
それだけに、私には「解散」と言う結果の重大さと痛感さ、それを受け入れるしかない、何とも言えない寂しさややるせない辛さがあるのだ。この感覚…、そうこの感覚が何かに似ていると思ったら “看取る” と言う感覚だ。感謝して静かに看取ると言う感覚。看取る(みとる)とは - コトバンクによると…
大辞林 第三版の解説
みとる【看取る】
病人のそばにいて世話をする。また,死期まで見守る。看病する。 「最期を-・る」
https://kotobank.jp/word/%E7%9C%8B%E5%8F%96%E3%82%8B-391755
ここで、誤解して頂きたくないのは、今のSMAPが病人と言うわけでも、解散後を死者に例えているつもりでないこと。あくまで、傷ついた人(たち)のそばに(精神的に)寄り添って、解散まで見守ると言う意味で、SMAPを看取ると言う神聖な感覚として…。
2017年1月1日から、SMAP無しで生きていく…
私は、これまで多くの国内外のロックバンドの解散を見て来たし、ラストコンサートに立ち会った。でも大概は「なんで?」とか「残念」と言った気持ちだった。そして、「また再結成して欲しい」とか「メンバーチェンジ?」なんて、心のどこかで「再出発」を期待していたし、事実、再結成したバンドやグループもあった。
しかし、「SMAPの解散」には、このような感情が湧いてこない。「時間が止まる」と言う喪失感や「完全に終わってしまう」と言う消失感だけ。私(たち)は、2017年1月1日からSMAP無しで生きていかねばならない。このまま喪失感を味わい、不安を抱えて、生きていくわけにはいかない。
だから、自分の出来る限りのことで、2016年12月31日まで、SMAPとの関わり方に後悔が無いようにすること。それこそが、恐らくこれまで誰もがやったことの無い “アイドルを看取る” と言うことではないだろうか。そして、奇しくもこれも、SMAPが作った “新たな歴史” の1つになるだろう。
5人の個性がSMAPの新たな価値を創出するのが美しい
そして、2016年12月26日の18:30から288分(4時間48分)間の『SMAP×SMAP 最終回』が始まった。内容については深く触れる必要もないだろう。皆さんが見たままの感激を噛み締めればよい。
私は、『はじめての5人旅!!笑いと涙の1泊2日』で、メンバーだけのカラオケ大会で、♪BEST FRIENDS を歌いながら最初に中居正広さんが泣き出し、草なぎ剛さんももらい泣きするシーンがすごく印象的だった。嗚咽しながら4人が歌う♪BEST FRIENDS を聴く中居さんが「俺 今世紀 初めて泣いたよ」が泣けてくる。
また、放送当時も感動したのが、『27曲45分03秒 ノンストップ!』での、25曲目の♪CRAZY FIVE から26曲目の♪BEST FRIENDS に繋がる流れ。5人でしか成立しない演出と感動。際立つ個性とその個性の融合がSMAPと言う新たな価値を生み出すその様は美しささえ持ち合わせていた。
"SMAPの人生を走馬灯のように" 描いた演出
番組の終盤には、「スマスマ20年、そしてグループ活動28年、みなさまの気持ちに、深く感謝いたします。ありがとうございました。SMAP」というメッセージが映され、画面右上に小さく「SMAP 28年間の奇跡」と題して、5人のデビュー当時からの写真や映像が約10分間公開された。正に “SMAPの人生を走馬灯のように” 描いた演出だ。
あれは、5本指に託された中居さんのメッセージなのか?
最後は、5色の花をテーマにしたセットで、5人が最大のヒット曲『世界に一つだけの花』を披露。足元の円形に飾られた5色の花のステージで歌うのだが、時々足がその円形からはみ出す度に、なぜか「円の中におさまって」と願ってしまった。
歌の終盤で、中居さんの指のアップがインサートされた。広げた5本指を丁寧に1本ずつ折り畳んで、再びパッと開いて、バイバイのイメージのようにいつもの振付に戻っていく。いろいろ言いたかったであろう、やりたかったであろうリーダー中居さんが、きっと唯一表現し託したメッセージをスタッフは見逃さなかった。
リーダーとしての、申し訳なさや 埋めようのない空白を、たった1つのインサートカットでファンに伝えた、長年の『SMAP×SMAP』のスタッフのセンスとかテクニックと言う以上の、信念とか矜持とか意地みたいなものさえ感じた素晴らしい演出だった。
まずは、5人が揃って歌うSMAPの最後の姿を看取った
歌唱後、55秒間以上全員で頭を下げ、緞帳が降りカップに咲いた5色の花のアップと共に、収録スタジオからスタッフらの拍手の音。緞帳が上がり、再び5人の姿が映し出され、最後まで頭を下げていた中居さんが1人後ろを向いて、涙を拭う姿が印象的だった。
スタッフたちとの記念撮影が終わって。最初に「もう完全燃焼」って感じで “吹っ切ったように見せた” 中居さんが最初に退場。それに続くようにスタッフやカメラの方を見ずに香取慎吾さん、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さんも意外とあっさりと退場。木村拓哉さんだけは、唇を噛み締めてその場を立ち去りたくないかのように見えた。
何はともあれ、私はまずは、5人が揃って歌うSMAPの最後の姿を看取ったのだ。何とも言えないこの気持ちを備忘録として書き残しておく…。SMAPありがとう。そして、12月31日までSMAPは生き続ける…
あとがき
やはり、中居さんは最後の最後までSMAPを守りたかった。そして、守れなかった。そんなリーダーとしての中居さんの強い責任感と深い自責の念を感じた最終回でした。私に出来ることは、それぞれの道で活躍することを祈ることと、ドラマに出演された際には、その姿をしっかり見ること、それしか無いように思います…
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