べっぴんさん (第73回・12/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第13週『いつものように』『第73回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)たちは、大急の社長・大島(伊武雅刀)からの提案を受け、将来を見据えてキアリスを株式会社にすることを決める。融資の話をするため銀行員が店を訪れるが、すみれたちは女学生のような振る舞いが抜けず、夫たちは心配を募らせる。そこで、経理として正式にキアリスに入った紀夫(永山絢斗)は、毎日朝礼を実施することやお互いを名字で呼び合うことを独断で決め、キアリスの雰囲気を変えようと意気込む。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
紀夫の心の回復と、ギスギスした夫婦の修復を見たかった
紀夫「僕は、すみれの仕事と家庭が上手く行くように、
間に立ちたいんや。
一番自分らしく居られる所で輝くすみれを
僕とさくらに見せてくれ
この店は、いつまでも育てて守って残していこう」
これ、アバンタイトルでの紀夫(永山絢斗)の大演説だ。もはや戦争での心の病も何の治療もせず、すみれ(芳根京子)が仕事を辞めただけでほぼ完治。治ったものだから、その勢いで妻にも相談せず坂東営業部も即時退社。でもって、キアリスに経理担当と言う立場で雇ってもらう立場なのに…
むしろ、キアリスの経理を司る立場として最上位に立ったこの物言い。まあ、余程妻が家の外で働くのが嫌だったんだと推測できる台詞だ。いつもの騒動を描いて結末はなし崩しのまま放置して次へ行く本作 “お得意” のパターンだ。本当は、心の病の回復とギクシャクした夫婦間の修復を見たかったのに…
そもそも、紀夫は "職場復帰OK" までは明確に言ってない
そこで、ちょっと意地悪にこの台詞を読み解いてみる。するとどうだろう?これ、紀夫はすみれに現場(職場)復帰しても良いと言っているだろうか?そう思わせる台詞が、“一番自分らしく居られる所” だ。「キアリス本店」と言う地理的な場所なのか、「キアリス」と言う業務全体を指すのか、どちらにも解釈できてしまう。
そして、主題歌明けは、すみれと一緒に紀夫は交渉担当にまで首を突っ込んでるのが描かれる。もちろん、すみれ自身もなし崩し的に、まず「キアリス」と言う業務に復帰したことが描かれた。こう言うなし崩しと不連続性と整合性の無さ、そして突然の人物設定の変更が、毎日見ている私には最も腹が立つ。
まあ、少し前を穿り返せば、そもそもすみれがキアリスを突然辞めた理由もハッキリしていない。皆から人生が遅れてるからみたいな妙な理由で家庭に戻った。そしたら、紀夫のヒステリーが治って、夫婦揃ってキアリスへ。これ、どう言うこと?
紀夫の "一言" ですみれが復帰するのは筋が通らない
すみれは、家庭と子育てに専念して3人に追いつきたい的な理由で、キアリスを辞めたはず。紀夫が辞めろと言ったからではない。だとしたら、冒頭の紀夫の台詞がきっかけで職場復帰するのは筋が通らない。これではすみれが、したたかに “健気な妻” を演じて女中喜代(宮田圭子)の現場復帰でシメシメって見えてしまうが。
それにしても、ここまで紀夫のキャラを変えて、突然キアリスのCEO(最高経営責任者)みたいに仕切り出すのは、本当に面を食らう。これまでの話をほぼ頓挫させての “キアリスのリスタート” で何を描くつもりなんだろう。もはや、創業20周年記念パーティーにまっしぐらなだけなのか?
お仕事ドラマとしては、完全に頂けない
そして、やっと法人化の話。私もアルバイト的な労働環境だったのを、取引先の上司に屋号を付けて仕事をして欲しいと言われて、フリーランスの看板を掲げた経緯があるから、ここの法人化への流れにさほどの違和感は覚えない。
ただ、社長を選ぶくだりは解せなかった。すみれが断るのは新聞取材の時の「代表」のくだりで想像できたが、ネクタイを締めた大の男3人がいるのに、雑用係の武(中島広稀)だと騒いだり、偶然出くわした迷惑をかけっ放しの麻田(市村正親)に押し付けたり。
こう言うのもお仕事ドラマとしては完全に頂けない。だから、いつまでたっても “おままごと” に見えるのだ。
銀行員が来たくだりも、ちっとも笑えない
銀行員が来たくだりも、ちっとも笑えない。いつも通りの閑古鳥が鳴いてる店内での笑いどころが外れっ放し身内コントももう飽き飽き。屋台での「男会」で「タノシカ」に至る過程で見せた紀夫の “超内弁慶” な態度も違和感漂いまくりだし。そもそも、ホントくだらない男衆だ。
紀夫が "仕切り好きなKY店長" に見えてるが…
ところで、すみれたちよりも紀夫が早く出社して、店の表玄関から丸見えの部屋でカーテンを閉めずに、これ見よがしに経理作業をするって、どう言う意味?これまで、キアリスって一応どんなことでも4人で相談して決めて来たんじゃないの?それがしたいからリーダーも決めずに何でも4人で…じゃないの?
これじゃあ、今まで4人で仲良く上手くやって来た(だって、大急百貨店のテナント契約までこぎ着けたんだから)のに、突然やって来た “仕切り好きなKY店長” にこれまでのやり方を一方的に否定されて戸惑ってるバイトの女子たちに見えちゃう
私には、『痛快TV スカッとジャパン』の新シリーズ「仕切り屋夫シリーズ」でも始まったって感じで違和感ありまりまくり。とにかく、この新しい展開になる度にこれまでを継続せずに唐突に始めるのはおかし過ぎる。だから、何度も書くが複数の脚本家の持ち寄り原稿を継ぎ接ぎしてるのかって疑うのだ。
あとがき
編集してて、社内試写をして、先週と今週で話が繋がらないことに、誰も声をあげなかったのでしょうか?まるで、今日の紀夫に仕切られて棒立ちのすみれたちみたいにだんまりだったのでしょうか。流石に月曜日からおかし過ぎません?
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL →
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8 9 10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
44 45 46 47 48
第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
55
56 57 58 59 60
第11週『やるべきこと』
61
62 63 64 65 66
第12週『やさしい贈りもの』
67
68 69 70 71 72
第13週『いつものように』
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