べっぴんさん (第72回・12/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第12週『やさしい贈りもの』『第72回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
クリスマスの日、すみれ(芳根京子)はさくらと共にキアリスのクリスマスパーティーに参加する。賑わう店内だったが、店の外には深刻な表情で話をする紀夫(永山絢斗)と潔(高良健吾)の姿があった。店内に入った紀夫は、すみれとキアリスメンバーの前であることを宣言し、皆を驚かせるのだった。聖夜。雪が降りしきる中、サンタクロースに扮した麻田(市村正親)が歌うクリスマスソングが商店街に響きわたる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
本作の登場人物の演技で "感動" したのは久し振りだ
本作の登場人物に対して、演者のお芝居で感動をしたのはいつのどのシーン以来だろうか?これも、私へのサンタクロースからの贈り物だろうが。そのシーンがアバンタイトルでの保育所で友だちと別れなければいけないさくらを演じる粟野咲莉ちゃんだ。鼻水を垂らしながらの名演技。
その上、号泣するのでなくあくまでも悲しみやこれ以上親に心配させたくない気持ちを表に出さないお芝居。演技学校の芝居の授業を超えた演技。いやあ、子役恐るべし。それに引き換え、いつもお人形さんのような表情の…止めておく
あっと言う間に「キアリスガイド」が完成しちゃった
結局、「語り」と紀夫(永山絢斗)の台詞で冒頭部分が紹介されただけで、すみれの思いがどれだけ反映されているのか、書いてるシーンも僅かで終わった「キアリスガイド」も予定調和で完成。折角、退社後であれすみれに与えられた “役割” も描かれずに終了。だから、すみれが何もしていないように見えるのだ。
さくらと喜代のやりとりに "ほんわか" した
そんな中でも、さくらがまたナイスアシスト。クリスマスを機に喜代(宮田圭子)が退院してキアリス本店に帰って来た。粟野咲莉ちゃんと宮田圭子さんの最強タッグがここに再開した。
さくら「サンタさん、お願い聞いてくれた」 喜代「さくらお嬢様、サンタさんに言われて来ましたよ」
この台詞のやり取りも実に良いではないか。ずっと喜代に育てられたさくらの嬉しさが季節感と相まって。しかし、このあととんでもない台詞が私の耳を疑わせる。
結局、"すみれは何もしていない" ようにしか見えない
すみれ「喜代さん、今日退院?
言うてくれたらお迎えに行ったのに」
前回の感想で、すみれの見舞いの回数について言及したら、ある読者の方から反論を頂いたが、基本的にすみれは喜代の雇い主。その雇い主が女中の退院の日を知らないのは、結局入院中に対して見舞いに行っていないこと。これを喜代が気を遣ってすみれには言わなかったと言うのは、超が付く好意的解釈だ。
もしもその論理で進めるなら、喜代が住み込みの女中で…。いや違う。散々世話になった年上の女中が過労で倒れたなら、雇用関係などそっちのけで、大してやることもないのだから、見舞いをするべき。と言うか、見舞いをしている気配を感じさせる描写を入れるべきだった。だから、すみれは何もしていないように見えるのだ。
やはり、"茶番劇" にしか見えない…
恐らく、つくり手たちの本日の、今週の最大の山場が紀夫のすみれへの突然の告白だろう。しかし、そもそも自分のことは相手に言わず、相手のことを思いやらない夫婦像が描かれてきた上に、肝心な紀夫の心情の変化を描かずに、こんなシーンを放送されても、急展開するための強引な “茶番劇” にしか見えない…
と言うか、いまだに気になるが、紀夫が退社した理由って、潔(高良健吾)らのいじめによってと言う印象しかないのは、朝ドラ、いや本作にとって致命傷なのでは?
『花子とアン』の美輪明宏さんのパクリか…
そんなことより、ついに市村正親さんにミュージカル仕立てのお芝居までお願いしたとは!劇中の年代が良く分からないが、靴屋の麻田が歌っていたビング・クロスビーの『ホワイトクリスマス』が日本で人気を博したのは、50年代。40年代にそらで英語で歌える麻田は、相当のFENラジオ放送のマニアってことだろうか。
まあ、流石の市村正親の歌唱力。ここは素直に聞いてしまった。それにしても、雪まで降らせて『花子とアン』での美輪明宏さんの『愛の賛歌』のパクリか。まあ、こうなったらマネしても楽しければ良いのだが…
「何か、何かなあ」の使い方も変。予告編も期待薄…
終盤で、さくらが両親にお互いの好きなところを聞くシーンで、すみれが「何か、何かなあ」と言っていたが、あそこで使うのは逆効果?普通に「うーん」程度にしておけば、いつも何も考えていないのがバレなかったのに…。そもそも、あれほど列挙できるなら「何かなあ」は要らないだろうが。
そして、まるで最終回のように登場人物全員で視聴者をお見送り。「語り」まで付けて。まあ、クリスマスだからってことで。そして、益々「騒動至上主義」が強くなる予告編にまたがっかり。やはり、人物より騒動を描く方向に切り替わるのか…今作は期待したのに残念。
あとがき
自分の好きな作品が思うように評価されていないからと、その怒りをこちらにぶつけられても私の感想はあくまで感想なので変わらないのに…。と前回『とと姉ちゃん』以来の強力な反論コメントが届き、サンタさんも厳しいなと思う私。
さて、文字通りの急展開。どうして、戦地から帰還して心を病んでいた紀夫がここまでなったのか。結局、居心地の悪い坂東営業部で働くより、キアリスで弱い者の仕切り役に収まった方が楽って解釈になりますよ。あの描写では。私の方こそ「何か、何かなあ」ですよ。
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上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
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連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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第9週『チャンス到来!』
49 50
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第10週『商いの聖地へ』
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第11週『やるべきこと』
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第12週『やさしい贈りもの』
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