べっぴんさん (第63回・12/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第11週『やるべきこと』『第63回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
キアリス大急支店の開業に向け、今まで以上に打ち合わせや商品づくりに追われるすみれ(芳根京子)。しばらく仕事を休んでいた紀夫(永山絢斗)は、再び苦手な司会業にも挑戦し、懸命に自分を変えようとしていた。そんなある日、長年、家事や育児を手伝っていた喜代(宮田圭子)が腰痛を悪化させ、入院してしまう。紀夫に負担をかけないように、すみれは仕事に加え、家事や育児も全て自分がこなしていくことを決意する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、「キアリス本店」が忙しいことを描かない?
なんか、もはやどこから感想を書いて良いのかわからない。思いついたままに書いてみるが…
まず、脚本家と演出家の「忙しい」の解釈のおかしさ。「語り」でも映像でも、ミシンの話を通して何となく「忙しい」ことは描かれている。しかし、映像的におかしいのは、確かにキアリスの従業員たちが忙しいことは描かれているが、最も肝心な「キアリス本店」が忙しいことが描かれていないことだ。
だって、そもそも「キアリス本店」が人気が出て忙しくなって、それがきっかけになって「大急百貨店の10日間」で更に忙しくなって、その人気で「キアリス大急支店」出店が決まって更に忙しくなったのに、序盤と終盤の「キアリス本店」店内の数カットでは、客は1人もおらずに閑古鳥が鳴いている状態。
細かくは書かないが、笑わせようとしているような妙なカットをインサート(挿入)する手間暇があるなら、エキストラを雇って「キアリス本店」が忙しいことを描けってこと。
無駄なカットが多い割に、肝心な所にカットが足りない
今回は、どうも無駄なカットが多い割に、肝心なところにカットが足りない。この演出家、ちゃんと脚本を読んで撮影と編集をしているのかと思ってしまう。もう1つ解せないのは、すみれ(芳根京子)が紀夫(永山絢斗)の様子を覗きに行くくだり。
大急百貨店に打合せに行った流れで、紀夫の様子を見に行くのだが、映像的には「打合せ」→「洋裁教室の会場」→「会場に入って来るすみれ」になっていた。確かに、月曜日に「語り」で「すみれは、紀夫くんが苦しんでいることに気がつきました」と言ったから、それで様子を見に来たのはわかるが…
ここは、大急の担当者との会話の中に、担当者から「先日の洋裁学校は大変だったみたいですね」的な嫌味のセリフでも入れたら、物語に流れと連続性が生まれて良くなるのに。それをしないからブツ切れの印象がいつまで経っても払拭しないのだ。と言うか、すみれが覗きに来ただけ終わったことの方が、ドラマ的には一大事だが…
弱者の描き方が気になってしょうがない
あとは、どうでも良いのだが。個人的にちょっと気になったのは、紀夫の描き方。と言うか、弱者の描き方。今回、紀夫をもう一度司会担当にして、潔(高良健吾)たちが自信を持たせようとするくだりがあった。紀夫が演台の前に立つと、場内が暗くなり紀夫にスポットライトが当たる。
まあ、確かにそう言うものだろうが、紀夫の気持ちを汲んだら、“潔たち” があのような余計に緊張するような演出を潔たちがするか?ってこと。どうも、弱者はより弱き者、強者はより強き者に描く傾向があるのが気になってしょうがない。あれでは、わざわざパニックを起こさせようとしているようにしか見えないのだが…
あとがき
どうして、本店が客で埋まって大忙しで大繁盛と言う状況を描かないのか意図が全くわかりません。好意的な解釈を外したら、本店が暇になったから、大急支店が決まってちょうど良かったんじゃないの?ただ、ミシンを増やす資金はどこから?実家から?ってことになりますよ。
予告編によれば、すみれは大急百貨店で倒れるのです。多分、過労で倒れるのでしょう。だとしたら、すみれにとって何が「過労」にさせたのかって話。これまで喜代に全部依存していた家事全般を自分がやることになったから?違う。仕事と家事の両方で「過労」にならないと、すみれはたまに交渉しているだけになってしまう。
まっ、今さらああだこうだと言う次元ではありませんが…
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
●“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
●「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
●べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
●「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
●「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
●「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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第9週『チャンス到来!』
49 50
51 52 53 54
第10週『商いの聖地へ』
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第11週『やるべきこと』
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