べっぴんさん (第56回・12/6) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第10週『商いの聖地へ』『第56回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
期間限定で百貨店へのキアリス出店を決めたすみれ(芳根京子)たちは、友人や知り合いに縫製や接客の手伝いを頼みつつ、百貨店でしか買えない目玉商品を考えていた。そんな中、良子(百田夏菜子)の息子・龍一が、お店の情報を手書きしたカードをめちゃくちゃにしてしまう。息子をしっかり叱らない良子を注意する明美(谷村美月)だったが、良子はその言葉に反発し、店内には気まずい空気が…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、「キアリス代表」のすみれは根回ししないのか?
しっかし、アバンタイトルから、まだその時点かよって感じでイラッとする。なぜ「キアリス代表」のすみれ(芳根京子)が、あちこちに根回しをしないのかってことだ。お嬢様だから?のんびりしてるから?苦労知らずで世間擦れしてないから?
もはや、そんな脚本上のすみれの設定はどうでも良い。前回で「目玉商品を作ろう」と言ったすみれは、明らかに自社製品を売ろうと言う気になっていた。だとしたら、商品製造の場所をいち早く確保しているのが当然。
それをしていなのを、脚本家と演出家はヒロインの滑稽さに描いたつもりだが、今回の表現では、前述したようにイラッとするだけ。最後の琴子(いしのようこ)の演技で救われただけ。どうしてこんなアバンを入れるんだろう?どうせ、紆余曲折なんて描けないのだから、ストレートに「場所の提供を感謝します」で十分なのに…
なぜ、目玉商品づくりでなく、カード作成してるの?
さて、主題歌明け。今回は次々とイラッとさせてくれる。珍しく明美(谷村美月)がお誕生日席で無くてホッとしたのも束の間、4人で作業しているのは、お店の情報を手書きしたカードづくり。本作って子供服メーカーのお話だよね。急いで目玉商品を作らなっきゃいけないんだよね。
それなのに、なぜ筆を持ってカードなの?なぜ夫への愚痴大会なの?そして、目玉商品はどうするの?って言っただけで、その先が描かれずに、場面はすっと「坂東営業部」に変わっちゃう。で、また逆光。また、背景ぼかし。もう、美しい映像の神通力なんて効果は無いのに…
相変わらず、繁盛店、人気店なのに、閑古鳥が鳴いたまま
そして、場面は「キアリス」へ。売り子たちの練習シーンも、本来なら微笑ましいシーンになるはずなのに、「目玉商品」が宙ぶらりんだから全然楽しくない。その上、良子(百田夏菜子)の息子・龍一が、カードにいたずら書きをするのを、すみれお嬢様がやんわりと叱るが、そもそも目の前でやり始めた時点で「代表」が叱る次元の話。
と言うか、納期まで時間がないのに、良子と君枝(土村芳)は2人揃って昼間から何処へ出かけていた設定なんだ。店で閑古鳥が鳴いてるから散歩でも行ったのか?いや、「キアリス」は繁盛店、人気店のはずなのに、客が1人もいないって?本当に脚本家も演出家もおかしすぎる。
どうして、こんなにシーンをブツ切れにするんだろう?
良子の明美への一撃の台詞も言っただけで、その先が描かれずに、場面は突然に夜の良子の家に変わっちゃう。とんと最近は子育てしている姿を見ない良子の子育ての悩みを急に持ちだされてもなあ。
一撃パンチの直後に武(中島広稀)と明美のシーンを直結するだけで、明美の心情が描かたのに。どうしてこんなにシーンをブツ切れにするんだろう?それでなくても、経過が描かれずに困っているのに…
どこをどう見たら “ずっ~と” 考えてると見えるのか?
そして、不可思議な坂東家の夫婦の会話。夫の突然の出張に驚くすみれはお嬢様だから諦めるとして、紀夫(永山絢斗)が乗り気でないのが解せない。そんな紀夫の「目玉は決まったのか?」の問いに、「まだよ。ずっ~と考えてはいるんやけど」とやる気のない返事。これ、どこをどう見たら “ずっ~と” 考えてると見えるのか?
まあ、本作に限らず、ふとしたことがきっかけで大発明や大発見をするなんてのは、ドラマには良くあること。ただ、それが面白いのは、散々試行錯誤して悩んで苦しんでもアイデアが浮かばない登場人物だけに成立する話。本作のすみれには当てはまらない。事実、なぜ弁当箱なのか全く意味不明ではないか。
史実通りの部分と改変した部分の馴染ませ方が下手過ぎる
いや、またここでこの脚本家の史実とフィクションの馴染ませ方が下手な話で恐縮だが。史実では、そもそも目玉商品のくだりは一切無し。昭和24年に弁当箱と箸と袋のセットを幼稚園の入園シーズンに合わせて作り、児童用カバンと一緒に幼稚園に飛び込み営業をかけて大人気になったと言うのが史実。
この史実を、脚本家は子供服店が百貨店で売る目玉商品と改変した。だから、おかしいの。普通、子供服店の目玉商品は限定や特別な子供服でしょ?現状の「キアリス」が現代風なファンシーショップの設定ならいざ知らず、弁当箱って業種が違う商品だから違和感が生じる。まっ、今さら言っても時すでに遅し…
あとがき
今回も、過程が完全にすっ飛ばされましたね。「淡々とした騒動至上主義」と言う『とと姉ちゃん』とは違う新ジャンルの本作。何気に始まって何気に決まってると言うこのスタイル。やはり、面白みを感じにくいです。そして、ヒロインの存在感の薄さ。敢えてそう描いてる節もありますしね。何だかボヤーンとして朝にふさわしいかどうか…
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
7 8
“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
9
「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
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「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!?
第9週『チャンス到来!』
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「べっぴんさん」第50回まで描かれずに残念だったこと。そして、本作の課題と今後に期待すること
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第10週『商いの聖地へ』
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