カインとアベル (第8話・2016/12/5) 感想

フジテレビ系・月9『カインとアベル』(公式)
第8話『忍びよる悪魔の誘い一瞬で奪われる幸せ』の感想。
なお、原案:旧約聖書「創世記」第4章「カインとアベル」は未読。また、関連の映像作品も未見。
取締役に就任し、ますます仕事に入れ込む優(山田涼介)。周囲の態度も激変し、隆一(桐谷健太)は焦る。そんな隆一を支えると決意した梓(倉科カナ)は、寿退社の準備を進める。ある日、披露宴の準備で高田家を訪れた梓は、貴行(高嶋政伸)と優の前で仕事を辞めて家庭を守ると明言し、優に明かした迷いを否定。ショックを受けた優は仕事でもいら立ちを募らせ、先輩にまで声を荒げてしまう。一方、隆一は貴行と優の動向が気になり…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「カインとアベル」に、三角関係は必要か?
シリーズの序盤とここ数回のドラマがあまりに違うため、少し旧約聖書「創世記」第4章の『カインとアベル』を読んでみた。
兄カインと弟アベルは、唯一神ヤハウェにカインは農耕従事者として収穫物を、アベルは牧畜従事者として肥えた羊の初子の中から最上のものを捧げた。ヤハウェはアベルの捧げ物だけを気に入り、カインの物は無視した。嫉妬に駆られた兄は野原で弟を殺してしまう。これが、人類最初の殺人となる。
そして、ヤハウェは兄に行方不明の弟の居場所を聞くと、「私は知りません」と神に嘘をつく。これが、人類最初の嘘だと言う。まあ、簡単に言えば、弟に嫉妬した兄が弟を殺してしまうって話。これを知っちゃうと本作の全話の個性が非常にアンバランスなのがわかる。
だって、最初の数話は父に溺愛されている兄とそんなの関係ねえって感じの弟を描き、第6話くらいまでは、突然兄弟は無関係に弟の仕事の才能が開花した話になって、最近の数話は仕事が出来る弟に嫉妬する兄の話になってる。
これだけでも、序盤の兄を意識していない茶髪で平社員の弟だったくだりが無駄なのに、第6話くらいから強引に三角関係をぶち込んで来た。おかげで、優(山田涼介)の人格設定が微妙に変わって来てる。だって、無理矢理に優と梓(倉科カナ)の間に恋愛感情をつくったから、優が強欲な男になってしまったから。これはダメだ。
兄と弟の "格差" や "違い" を描くだけで良いのに
これ、どう考えても、兄と弟の “格差”や“違い” を描くだけで良いテーマ。一人の女を兄弟が取り合うなんて安っぽい三角関係で描くテーマじゃない。もっと、隆一(桐谷健太)と優の人間性を掘り下げて描くテーマのはずだ。ただ、それで『月9』として成立するか?と言う疑問が残るのは当然。
まあ、多くの『月9』ファン、そして、山田涼介さんのファンは望んでいないだろう。従って、根本的な問題として本作のテーマの選択はミスしたかもしれない。残りが何話あるか知らないが、どんどん壊れて行く兄と、ぐいぐい前に進む弟だけを描けば良いのに、今回のラストもまた二股に悩む梓と何かを企んでる優で終わり。
何か、優が取締役になってから似たような展開ばかりなのが、本当に残念。本来なら崩壊が進む隆一とイケイケの優の関係が一番面白くなる時なのに、梓が入ると三角関係のドラマになっちゃう。やはり全話の構成のまずさが、クライマックスへの上り坂にブレーキをかけちゃってる。もったいないと言うしかない。
あとがき
45分頃の、父から「自分を責めることは無い」と言われる優。自分の兄を裁いた悲しみと正義感に苛まれて、父の背中を見ながら涙する山田涼介さんの演技は良かったです。それにしても、突っ込みどころは多々ありますが、こう言う第8話にするなら、最初の数話が悔やまれます。残り数話の巻き返しに期待します。
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