べっぴんさん (第53回・12/2) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第9週『チャンス到来!』『第53回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
偵察のために百貨店を訪れたすみれ(芳根京子)は、セールの売れ残り商品が大量に処分される場を目の当たりにする。不安と不信感を抱えたまま、夫たちを交えた百貨店との2回目の打ち合わせが行われるが、担当者から今度は量産のためにいくつか工程を省略してほしいと言われる。我慢ができなくなったすみれは、そんなことをしたらキアリスの商品ではなくなる、これまでの話はすべてなかったことにしてくれと反論する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
意味不明な "ピント送り" と "カット割り" に違和感
主題歌明け、不思議なカットがあって、パソコン用メガネから普通のメガネにかけ直して見てしまった。それは、語りで「その時、すみれは見てしまったのです」と被さるカット。最初、カメラ手前に何かに気付いたようなすみれ(芳根京子)が映っていて、すぐにピントが奥にいる大急百貨店の社長・大島(伊武雅刀)に移動する。
手前のすみれはボケたまま、女性店員がすみれの前を横切るったあとも、大島社長にピントが合っており、すみれはボケたまま何やら首をかしげてる。で、一瞬だけカメラがすみれを跨いで、今度はすみれにピントが来る。そして、「キアリス」の商品タグのアップに続いて、その商品タグを見ている君枝(土村芳)ってカット割り。
無駄な演出は、物語を一層不可解にするだけ
この2シーンでの、すみれのピンボケの演出意図が全くわからない。この2シーンあとに、百貨店で売れ残り商品を処分している店員たちをすみれが覗き見るカットがあるが、では最初にすみれは何に気付いたと言う設定なのか?最初のすみれの立ち位置からバックスペースが見えたような位置関係では無かったような。
どうして、あんな不思議で無意味なピント操作をするんだろう?普通にすみれにピントを合わせて何かに気付いた演技をして、そのすみれに気付いた大島を別カットでインサートして、次はバックスペースに移動して覗き見しているだけで良いのに。雑な演出も困るが、無駄な演出は物語を一層不可解にするだけなのに…
中途半端な "肌着のアップ" は何を意味したのか?
良子(百田夏菜子)の家での夫婦喧嘩のシーンのあとのすみれの家でも意味不明なカットがあった。すみれが見つめる作っておいてある数枚の赤ちゃん用の肌着のアップ。意味不明なのはカメラのサイズ(画角)。すみれは、肌着たちを見て何を考えているのかちっともわからないサイズ。
これが、前回から描いている「商品タグ」を「百貨店の特選マーク」にするかどうかの話の続きなら、もっと肌着に寄って襟部なのか「商品タグ」を縫い付ける部分をクローズアップするべき。なのに、画角が中途半端な上に、すみれが無表情だから本当に何を意味する “ブツ撮り” なのかって感じ。困ったもんだ。
躾がなっていない良子の息子のくだりは、何のため?
人気店で新聞取材も入る「キアリス」が、ずっと閑古鳥が鳴いてるような店内の違和感をやっと払拭してくれる客のエキストラが来たのに、躾が出来てない良子の息子のせいで帰るってくだりも意味不明。なんで、こんなシーンを挟むんだろう?
そもそも「キアリス品質」が視聴者にわからないのに…
そして、「妻の夢の棚ボタ夫トリオ」のシーン。百貨店の担当者が作業工程を減らせと言ったところでの、すみれの反応にも違和感。そもそも、「キアリス」の商品が他社の類似商品よりもどれだけ手間暇と工夫を施されて販売に至っているのか、ほぼ描かれていない状態で、誠に珍しくすみれが怒りの表情を見せたが…
例の「何かな?」で自己表現をごまかして終わっちゃう。「そんなことをしたら」と反論するが、もうこれ台詞だけで表現してるから、ドラマとして全く説得力がない。ここは、作業工程を減らしても「キアリス品質」を保てるかの検証をするシーンが欲しかった。
だって、ご近所さんの片手間のお手伝いで出来るレベルの「キアリス品質」なんでしょ?4つの家族と住み込みの従業員を食べさせて行くなら、すみれは「代表」として、まずはやってみるのが普通じゃないのだろうか?これでは、すみれがただの世間知らずで自己評価だけが高い女性に見えてしまう。それで良いのか?
あとがき
今日の15分は、無駄な時間でした。前回の冒頭での初の百貨店の担当者との交渉のあとに、今回の終盤の数分間を直結編集すれば良かったのでは?もちろん、梅田の闇市の元締めの元子分・玉井(土平ドンペイ)のシーンは、のちのち必要なんだろうが。
無駄なシーンやカットを入れて引き延ばすのもどうかと思いますが、脚本家と演出家の意図が全く見えてこないシーンやカットは入れない方が良いです。だって、今後のおおよその展開は見えていますし、今でも何がメインなのかわからない状態で、余計に混乱させるような映像を挟む余裕なんて無いはずです。
これ、本気で脚本家さんと演出家さんがテコ入れしないと、たいへんなことになるような…。もう、普通に史実通りに描いても良いんじゃないですか?
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ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
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連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
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「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第7週『未来』
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「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
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