べっぴんさん (第50回・11/29) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第9週『チャンス到来!』『第50回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
紀夫(永山絢斗)から、大急百貨店がキアリスの商品に興味を持っていることがすみれ(芳根京子)たちに知らされる。勝二(田中要次)ら夫たちは舞いあがり、店に集まって経営のあれこれに口を出す。しかしマイペースなすみれたちは断る、と言いだし夫たちをあきれさせる。ところが翌日、キアリスを取材した新聞が出る。「お母さんがお母さんのために」と書かれた記事には、独身の明美(谷村美月)の名前だけが載っていなかった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
せめて麻田と麗子を配して「話題のお店」にしないとなぁ
アバンタイトルだけでハテナマークが何個頭に浮かんだか。前回の「あとがき」でも触れたが、今回もどう贔屓目に見ても、繁盛している店には見えない。商品は少ないし、いつ見ても同じ陳列で、値札も見えなければポップも無い。新聞取材の見物客も商店街から6人来ただけ。
語りでは「商店街の話題のお店」と言っていたが、それならもっと商店街の住人だって麻田(市村正親)や常連客の麗子(いちえ)なんかが賑やかし役でいても良かった。どうしてこれから新聞記事で一揉めするバッドエピソード(悪いお話)になる予感を、盛り上げる演出をしないんだろうって不思議だ。
4人をしっかり描かないと、史実を捻じ曲げた意味が無い
さて本編。きっと私と「脚本家と演出家」の相性が悪いのだ。だって、紀夫(永山絢斗)から、大急百貨店がキアリスの商品に興味を持っていることがすみれ(芳根京子)たちのあの中途半端な無表情の4人組の顔のあとに、勝二(田中要次)と昭一(平岡祐太)のビックリ顔の切り返し編集が面白いと思って作っているに違いないのだから。
確かに、紀夫は前夜に深酒になるほど喜んだ。だから、残りの夫2人も驚いて喜んだ姿を描いただけだろう。そこに深い意味は無いだろう。ただ、夫婦単位だと明美(谷村美月)が描かれない。大急百貨店での取り扱いに喜ぶ明美はいなかったのか?あとで何があろうと、ここで4人をしっかり描かないと、史実を捻じ曲げた意味が無いはずだが。
新聞記事よりも、初の経営会議風での明美軽視が気になる
そして、改めて3組の夫婦と明美の会議。これがあるなら、最初から紀夫に「今日皆さんに集まって頂いたのは…」と切り出す、“今後のための初の経営会議風景” だけで良かったのでは?それでなくても4人のクローバーは「何で?」ばかりで喜怒哀楽が少なくて、不快ではないがちょっとイライラするのだから。
で、このシーンでも明美は所謂「お誕生日席」で別格扱い。だから、何となくお茶を入れたのも明美であるように映ってしまう。こんな時こそ、このだらしない経営状態で住み込みで雇ってる従業員兼ベビーシッターにお茶汲みでもさせたら必然性が出るのにやらないから、「従業員を雇えるの?」ってなるのに。
それで結局、このシーンでは明美は幽霊状態。いるのに心霊写真程度にしか存在しない。これ、流石にフラグを立て過ぎだし、明美だけ違い過ぎる。会話にも加わらないなんて。ここで意見を言ってこそ、元有職者と言う設定の意味と価値があるのに残念…。詳細は省くが、史実を捻じ曲げてこれか?と脚本家に詰め寄りたい。
なぜ、すみれは新聞を握りしめて新聞社に走り出さない?
そしてラストの2分間は、私の予想通りに、これから新聞記事で一揉めするバッドエピソード(悪いお話)の始まり始まり…なんて自分を褒めてる場合じゃない。悪いお話とは思ったが、母親と未婚女性の差別を描くとは思わなかった。それも、掲載写真をトリミングすると言う露骨な方法で。
きっと脚本家は、大急百貨店出店のハッピーと明美削除のバッドでメリハリをつけたつもりだろうが、そもそも大急百貨店出店の件は「キアリス」の問題で、明美削除は4人の人格・人間性の問題で、1つの天秤にかける話で無い。すみれと良子(百田夏菜子)と君枝(土村芳)の人間性が問われるエピソードだ。
私が脚本家なら、私がすみれなら、新聞を握りしめて新聞社に走って抗議に行くが、劇中のすみれは「明美ちゃんの背中に小さな寂しさを感じたすみれなのでした」と語りで処理されて終了。良子と君枝の気持ちもわからず仕舞い。いくらお嬢様で、いつもおどおどしてどんくさいとしても、ここは怒りを爆発させてほしかった。
あとがき
夫トリオとか言えば良いのでしょうか、あのすみれたちの旦那3人衆を。あの夫トリオも、百貨店の話が出た途端に3人で飲み屋で意気投合しちゃったりて、私にとっては一緒に酒を飲みたくないタイプ。
実は、未読の方もいらっしゃるでしょうが、先日の投稿『「べっぴんさん」2か月過ぎても、まだ本当の意味で "ドラマ" になってない!? 3か月目からに期待!』で、その登場人物への共感度の証として「その登場人物と一緒にご飯を食べたいか?」「お酒を飲みたいか?」があると書きました。
どうも、姉のゆりパートよりも、妹のさくらパートの方が、一緒にご飯を食べたくない人が多いのです。麻田さんとは職人魂の話、女中の喜代さんと明美さんからは愚痴と本音を聞いてみたいって思いますが、他に見当たりません。もう少し、すみれを筆頭に共感できる設定にして欲しいです。
でないと、流石に人格や人間性にまで踏み込んだ差別蔑視のエピソードを、朝から楽しく見るなんて難し過ぎます。
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
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「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた
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第9週『チャンス到来!』
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