べっぴんさん (第44回・11/22) 感想

連続テレビ小説「べっぴんさん」

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』公式
第8週『止まったままの時計』『第44回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


いよいよあさや靴店から新店舗への引っ越しが始まった。しかしすみれ(芳根京子)の気持ちは晴れない。戦地での過酷な経験から人を信じられなくなってしまった紀夫(永山絢斗)のことが心配なのだ。紀夫は栄輔(松下優也)や商店街の友人たちのことを強く警戒し、一切信用するなとすみれに忠告する。さくらも懐こうとしない。収容所での経験をとうとうと話す紀夫の姿は、まるで別人のようで、すみれを不安にさせる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

紀夫の内面に迫った、それなりに見応えのある内容だった

途中に兵庫のゆり(蓮佛美沙子)のくだりを割り込ませたブツ切れ感と、紀夫(永山絢斗)が屋台で飲んでるところへ偶然に勝二(田中要次)と昭一(平岡祐太)がやって来た不自然さを覗いては、前回のあざとい脚本から一転して、紀夫の内面に迫った、それなりに見応えのある内容だった第44回。

良子や君枝とは異なる"夫婦のかたち"を描いてくれそうな

アバンタイトルでの麻田(市村正親)の涙々のお別れから一変するコミカルなくだりは、如何にも朝ドラらしくて良かった。表情一つでドラマを盛り上げる市村正親さんの演技力に、久し振りに見入ってしまった。開店準備のショーウインドーを子どもに手伝わせたのも良い。

楽しく前向きな開店準備のシーンに、前回で描かれた紀夫の心の闇のくだりを挟んで、夫婦の生き方、人生の考え方、世の中との距離感などの違いを描いたのも悪くない。良子(百田夏菜子)や君枝(土村芳)とは異なる “夫婦のかたち” を描いてこそ、ヒロインとしての存在価値が出てくるから。

紀夫を演じる、永山絢斗さんの演技力が素晴らしい

主題歌明け、未だにさくらに直接触れようとしない紀夫。当然、紀夫になつかないさくら。ここでまた、じゃあ誰がさくらに「お父さん」と言う単語を教えたのかの疑問が沸々と湧いてくるが、ここでは止めておく。

やたらと前回のシーンが繰り返されるのが気になるが、夫として妻を、父親として娘を、当主として会社を守れなかった自己嫌悪や、兵士として生き残った罪悪感や、日本人としての敗戦の屈辱に苛まれている紀夫を印象付けるのには成功している。もちろん、紀夫を演じる永山絢斗さんの演技力が素晴らしい。

むしろ、前回で誰一人紀夫に寄り添わずにいるような印象付けをしたのが悔やまれる。紀夫の疎外感を表現するなら、やはり内々での祝う会程度にしておいた方が良かった。事実、賑やかな場面は繰り返されていないし…

"セクハラ=泥水"の理屈で商売を教えるのは現代風では?

そして、物語を分断したゆりのくだりだが、トク子(中村玉緒)に厳しく商売のいろはを教わり、少しずつ強くなろうとしているゆりの姿を挿入することで、未だに孤独感に苛まされる紀夫との対比として見れば、ギリギリ許せなくもない。

ただ、(当時はそう言う感覚ではないだろうが)お得意先の男からのセクハラへのゆりの態度に対して、「セクハラ=泥水」の理屈でトク子が言い聞かせるのはちょっと酷だし現代風な話。接客も商売の内であるだろうが、もっとゆりが修行をしている中で、商売上の悔しい場面で使った方が良かったかも?

紀夫が20周年記念パーティーに出席する物語は面白そう

夜のさくらと紀夫の「他人を信じるな」のくだりは、どう見たら良いのだろう。『「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた』で書いたように、紀夫の視点を好意的に解釈すれば、過酷な抑留生活で人格が一変してしまった紀夫と、夫の変化に戸惑うすみれの構図は、これまでなかった夫婦の描写。

こう言う場面が既定路線であったのなら、もっと出征以前の紀夫を描くべきだったし、収容されてから帰還するまでの経緯などの情報も欲しくなる。ただ、この男が20年後の周年記念パーティーに出席するまでの物語には興味が湧いてきた。日によっての差が大き過ぎる…

あとがき

「変わらずにいることは、酷なことなのでしょうか?」
こう言う類の語りが最近増えていますが、要りませんね。酷かどうかは映像を見た視聴者各自が思うこと。そもそも、この語りで言うことを映像で描くべきなんです。それが出来ていないから、余計な語りを使いたくなる。脚本家の自業自得のようなものです。

ここは、もっと俳優と演出家を頼って、自己表現力の乏しいヒロインの補足だけを、語りで確実にやる方が良いです。でなければ、すみれの台詞を増やす。やはり、視聴者の好意的な解釈に頼る脚本は面白みに欠けます。ヒロイン自ら発してこそ、ドラマらしく見えると思います。

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時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7 8
“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
9
「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
10 11 12
第3週『とにかく前に』
13 14 15 16 17 18
第4週『四つ葉のクローバー』
19 20 21 22 23 24
第5週『お父さまの背中』
25 26 27 28 29 30
第6週『笑顔をもう一度』
31 32
べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
33 34 35 36
第7週『未来』
37 38 39 40 41 42
第8週『止まったままの時計』
43
「べっぴんさん(第43回・11/21)」を"紀夫の立場"で改めて考えてみた

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