べっぴんさん (第43回・11/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第8週『止まったままの時計』『第43回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
戦地から帰還した紀夫(永山絢斗)は、すみれ(芳根京子)が友人たちと共に子ども服の店を開いていると聞いて驚く。五十八(生瀬勝久)に坂東営業部の立て直しをしたいと伝えるが、潔(高良健吾)とゆり(蓮佛美沙子)がすでに動いていることを知り動揺する。すみれたちが企画した歓迎会でも、つい友人たちに不遜な態度をとってしまい、気まずい空気が流れる。さらに坂東営業部も潔に託すと言って、違う仕事を探し始める。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週の流れを予測した
先週の予告編が見せ過ぎているため、月曜日からほぼ土曜日までわかってしまってる第8週。
戦地から帰還した紀夫(永山絢斗)が収容所生活で性格が変わってしまい、栄輔(松下優也)とさくらが仲良くしているのを見て、自分の殻に閉じこもる紀夫。そんな紀夫を仲間に加えて、「坂東営業部」の再建話は、何故か婦人服のファッションショーで一旗揚げる方向へ。
そしてこれまでのパターン同様に、紀夫がすみれ(芳根京子)に店を辞めろと言い出す。しかし「キアリス」も婦人服の受注で大忙し。結果的に、みんなの協力でファッションショーは大成功。まっ、これで “夢と人を信じることは大切” と、すみれがステージ上から紀夫に訴えて終了。
とまあ、予告編と過去のパターンから予測しみた。もし、これがそのまま映像化されたとしたら、子供服のお店の件はほぼ停滞は間違いない。まずは、一度すみれと紀夫の夫婦再建に物語はシフトするはず。いつになったら子供服の話になるのやら…
始まって1分もせず絶望感が…
さて、アバンタイトル。先週の紀夫がなぜ頬をつねったのか?論争は、私は勝手に見たことの無い一人娘のさくらを初めて見たから「(我が子の存在に)信じられない」と好意的な脳内補完で乗り切ったが、ホント芸の無いアバンだ。前述の今週の予告編からの予測と合わせると、始まって1分もせず絶望感が…
最も存在感の薄い紀夫に「興味を持て」と描かれても…
いよいよ本編。大恋愛を描いたわけでもなく、お見合いでサラッと結婚して、妊娠させて、子どもの名前を付けただけで出征してしまった、本作中で最も存在感の薄いキャラクターの1人で間違いない紀夫とは言え、ヒロインの旦那だから彼で盛り上げようと言うのは理解する。
しかし、存在感の薄い登場人物に「描くから興味を持て」と言わんばかりのストーリーを押し付けられても、正直厳しい。
なぜ、演出家はなぜ、ヒロインを作り込もうとしない?
それにしても、演出家のすみれ役の芳根京子さんへの演技指導が雑なのが先々週辺りから気になってしょうがない。あの葬列を見る目とか…。
今回は紀夫の「生還祝いの会」をやろうと五十八(生瀬勝久)が言い出し、忠一郎(曾我廼家文童)が「どこでやらはります?」と言った時のすみれの表情。おどおどしたような意味不明のリアクションの直後に、笑顔で新店舗での提案をする。
紀夫に気を遣って言いづらいのか、本当に頭の中であれこれ場所探しをしていたのか、全く伝わってこない。演者に演技力があろうと無かろうと、客観的にそのシーンや場面に最適な芝居を演ずるよう指導しないのは、演出家の手抜きであって、演出家と俳優の信頼とは違う。なぜ、脚本家も演出家もヒロインを作り込もうとしないのか。
「祝う」と「喜ぶ」は、似ていて非なるもの…
続いては、「生還祝いの会」。想像以上に派手な、言ってみれば「我が当主の無事の生還を祝うパーティー」って感じが、私の知る当時の世相とはだいぶかけ離れており、且つ五十八の性格からすると、生還したことは世間に対してはもろ手を上げて喜ぶようなことで無いと思いそうだし。
「祝う」と「喜ぶ」は似ていて非なるもの。さくらとゆりは良いとして、坂東家としては、内々で質素に…と言うのが良かった。
演出家の手抜きで、登場人物が善人にも悪人にもなる…
それと、先述の演出の雑の話の続きも。「生還祝いの会」のシーンで、路上の栄輔(松下優也)が「さくら」の名を呼ぶと、男の子が先に栄輔に向かって走り出す。しかし、栄輔はそれを無視してさくらを抱き抱えるカットがあった。
子役を掌握していない演出家の凡ミスだとは想像出来るが、撮り直さず使ったってことは、栄輔は決して「子ども好き」ではなく、さくらに近寄るための口実に「子ども好き」を装ったまずさくらに近づいたとも見えなくもない。この方が栄輔らしいと思うが、演出家の手抜きで登場人物が善人にも悪人にもなることに注意を払ってほしい。
明美だけ下位に描くのは、本作の致命傷になるかも?
更に「生還祝いの会」のシーンでの違和感を。以前も書いたが、この脚本家は4人のクローバーをいつも明美(谷村美月)だけ別格に、それも下位に描く傾向がある。確かに明美だけ未婚とは言え、路上で子供たちの面倒を見ているのが明美だけで、他の3人はにこやかにご会食。お嬢様だから?夫がいるから?
(最近はお嬢様気質が感染しつつあるとは言え)明美を含めた4人が平等に描かれないから、4人での仕事のくだりそのものが、お嬢様の片手間、暇つぶし、小遣い稼ぎに映ってしまう。これ、意外と大きな致命傷になるような。
また、女だけで商売を始める始めないの地点に逆戻りか?
でもって、結局 メンタル疾患の 心が病んでる紀夫の登場で、女だけで商売を始める始めないの地点に逆戻り。折角、数週間掛けてやっとここまで来たのに。いつになったら、ヒロインが明るく前向きに子供服づくりに励むことが描かれるのか。
あとがき
一連の紀夫の帰還を見て、イマイチ面白くも無く、物足りない原因は、個々の登場人物たちに視聴者が興味を持ちやすいように描いてこなかったことなのは明らか。今からで間に合うかどうか。取り敢えず、次週に期待します。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL →
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
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「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
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第7週『未来』
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第8週『止まったままの時計』
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