べっぴんさん (第40回・11/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第7週『未来』『第40回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)の家に泊まることになった栄輔(松下優也)。夜、自分の家族のこと、紀夫(永山絢斗)のことを話していると、起きてきたさくらが栄輔を「お父さん」と呼んでしまう。栄輔は潔(高良健吾)に、すみれを好きになってはならないとくぎを刺される。翌日、すみれが出勤すると、商店街で戦死者を弔う葬送行列が。その場を飛び出し五十八に紀夫の消息を聞くすみれ。しかし有力な情報もなく、途方に暮れる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「戦後のドサクサ」の"混乱"にも程がある
前回は、なかなか良い部分がたくさんあったのに…
いくら、「戦後のドサクサ」なんて言葉もあるように、戦後の日本が混乱していたとは言え、名家・坂東家の女中が、未だ死亡通知も来ていない当主の帰還前に素性の知れない男に泊まっていくように促し風呂に入れ、当主の浴衣まで貸すのはどうだろうか。少なくともヒロインの周囲は混乱などしている風ではないのだが…
その上、主題歌明けには、女中はその男に当主の娘を預けて何してた?それに、突然、すみれ(芳根京子)が上から目線で年上の栄輔(松下優也)に「ご両親がやっぱりきちんとなさった人やったのね」って。なぜここで急に栄輔の妹と同い年のすみれが、栄輔の両親の躾を褒めるエピソードを入れてきたんだろう?
きっと、すみれ自身が栄輔のことを知りたいと言うくだりの中で、視聴者に栄輔のプロフィールを紹介しちゃうと言う脚本家の一石二鳥を狙った意図なんだろうが、言い回しが間違ってる。これでは、すみれの印象が悪くなるだけ。
それに、なんで栄輔に「紀夫さんってどんな人なんや」と聞かれたのに、会話がブツッと切れて画面は「写真入れ」になり、栄輔の「そうか」で終了。恋バナとかお涙頂戴とか盛り込みたいのだろうが、流石にここまで違和感が多いと素直に楽しめないと言うか見られない。もう少し虚構の中の真実味を描く工夫は出来ないのか?
さくらの「お父さん」の台詞については、何か書く気も起きない…
五十八ら『坂東営業部』再建が1シーン1カットだけ?
場面変わって、一瞬だけ五十八(生瀬勝久)たち。実は、いつも思うのだが、実際に五十八と潔(高良健吾)は今何をしているのかってこと。何となく好意的な解釈で服飾商社『坂東営業部』の再建に奮闘していると見ているのだが、実のところは全然描かれていない。
私としては、すみれの夫が帰還するのは承知済みなのだから、恋バナよりも五十八と潔が今何をしている方が気になる。もしも大して描かくつもりがないなら、脚本家も演出家も1シーン1カットのおざなりな処理などしない方がマシではないだろうか。正直、見せられなけらば気にしないから。
新店舗移転も、「キアリス」創業にも無関係の話ばかり
商店街の葬式も、あまりに唐突。もちろん、夫の身を案じるすみれの不安と嫌な予感を漂わせたいためのシーンだろうが、この件については前日に4人で話して、最後に明美(谷村美月)が「淡々と」で一応の決着した話。芳根京子さんの芝居も「淡々と」になってたし。
だったら、僧侶を先頭に葬列まで作って描く必要なんてあるんだろうか。何度も書くが、夫は無事に帰還するんだから。今日の15分間は、子供服メーカー「キアリス」創業に無関係のエピソードばかり。いや、前回で描いた新店舗移転に向けて動き出した4人は不在のまま終了。これで子供服のドラマと言えるだろうか。
あとがき
ヒロインの夫が帰還していないのだから、そこにチラリと恋バナを入れるなとは思いません。夫の戦死に不安で怯えるヒロインのお涙頂戴も入れたって良いと思います。そう言うのが朝ドラだかし、そう言うのを挿入したいから、史実と変えてヒロインの夫を帰還させていないのでしょうから。でも、そう言うのはやることやってからやるべき。
もちろん、やるべきことは、今なら新店舗の準備であり、長い目で見れば子供服メーカー「キアリス」創業のためのエピソードでしょ。最後の最後の17秒間で準備やらをしているような映像がありましたが、正直大変さは伝わってきませんでした。片付けるべきものを片付けてから次へ。脚本家さんはそう言う躾をされなかったのかなあ?
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」オリジナル・サウンドトラック
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
9
「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
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第7週『未来』
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