べっぴんさん (第38回・11/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第7週『未来』『第38回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
麻田(市村正親)は、商店街の空き店舗にベビーショップを移転したらどうかとすみれ(芳根京子)たちに話を持ちかける。不安に思う一同だが、いざ店を見るとイメージが膨らみ、ぜひ挑戦してみたいと思う。空き店舗に見学にやってきた良子(百田夏菜子)や君枝(土村芳)の夫たちと子どもたちの仲むつまじい姿を見て、寂しげなすみれとさくら。そのさくらを父親のように抱き上げたのは栄輔(松下優也)だった。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
明美は、「家賃を払おう」って言ってなかったんだ!?
「淡々と、淡々と…」
「淡々と淡々」とと言うより未だ低空飛行状態。いつかは盛り上がってくるに違いないと、自分に言い聞かせて待っている私です…
そんな気持ちにさせたアバンタイトルが終わっての本編。個人的には靴店「あさや」の本業の経営がとても心配だったから、麻田(市村正親)がすみれ(芳根京子)たちに、商店街の空き店舗にベビーショップを移転したらどうかと話を持ちかけるシーンの麻田が、淡々と喋っていたがどこか必死に見えたのは私だけ?
それよりも驚いたのは、家賃を麻田に払っていなかったこと。まあ、麻田の行為に甘えていたと言うのもお嬢様気質なら納得できるが、明美(谷村美月)の口から「家賃掛かるやろ」と言わせたのは意外。まあこれを言えるのは明美しかいないのだが、その前に「家賃を払おう」と言うのが以前の明美だったような…
何とか、良子と君枝がすみれを応援する"台詞"は入った
さて、物語はやっとベビー服から子供服へシフト。そして、前回ですみれの前で「子供が夫になつかない」話をする酷な親友となった良子(百田夏菜子)と君枝(土村芳)だったが、今回は良子からこんな台詞が飛び出した。
良子「すみれちゃんのためにも、出来ることはやらなね」
やはり、前回で入れるべき “良子と君枝がすみれを応援するシーン” はカットされたようだ。そうでないと話が繋がらない。と言うことで、いつもの好意的な脳内補完で対応する。こう言うのを少しでも無くしてくれると、低空飛行から浮上しやすくなるのに…
映像は巧みなピント調節で魅せるが、脚本の焦点は微妙…
相変わらずに映像は美しい。今回なら夕刻に空き家の店にみんなが集まるシーンでの夕日の照明のハレーションの使い方や、ピントが合ってる良子と手前の勝二(田中要次)と奥の麻田のピントのぼかし方も実に絵画的な作風だし色合いもいい。
映像は、まともなところにフォーカスされているのに、脚本が強引にすみれの苦労や悲しみや疎外感にフォーカスし過ぎに見えてしまう。確かに、今のすみれは復員していない夫を待つ妻として、父親のいない娘の母としての、葛藤や孤独感があるのは当然だ。
しかし、すみれには、父の五十八、執事の忠一郎、姉夫婦、女中の喜代、靴屋の麻田、娘のさくら、親友たち、その子供たち、商店街の人たち、近所の奥さんたち、更にすみれに思いを寄せる栄輔までいて、かなり恵まれているではないか。
冬の朝ドラだから、心が温まるような作品を期待したい…
朝ドラなのだから、苦しい状況でも美しいベビー服や子供服に囲まれている幸福感や、周囲の人々に恵まれていることへの感謝をし、凛として清く正しく美しく前向きに生きて行こうと言うヒロインで良いのではないだろうか。
少なくとも、いくらヒロインが自己表現が苦手で感情を表に出さない設定だとしても、幸せな気持ちや感謝の意はもう少し映像表現したら、心がホッとするような気持ちになれるのでは?秋から冬に放送する朝ドラだからこそ、心が温まるような作品に仕上げてもらいたい。
脚本と演出上での"子供たちの扱い方"が気になる…
さて、本日最大の違和感は、脚本と演出上での子供たちの扱い方。流石に今回はあちらこちらに戦後の子どもが居過ぎ。流石に、あざとく見えてしまった。
ただ、一番の違和感は、すみれたちの娘や息子たちが一気に大きくなったこと。まあ、いつまでも赤ちゃん役で寝てるか泣くか状態でも困るから、それなりの子役を使うのは間違っていない。ただ、大人の事情もあるだろうが、もう少し子役が母親役になついていても良いような…
また、これだけメインの登場人物3人の “夫が復員してこないこと” と “子どもが父親になつかないこと” がクローズアップされるのなら、もっと前からすみれたちの子どものことを、3人の育児のことを描いておくべきだった。だって、子どもは夫との絆の象徴なのだから、せめて台詞だけでも我が子のことを描けば良かったのに…
あとがき
「隣が店じまい」の偶然はあったものの、前回前回に比べれば、1か所を除いて普通に楽しめました。それは、さくらを父親のように抱き上げたのは栄輔(松下優也)。
もう、4人で新店舗で子供服店を新装開店する話になっているし、妻として夫と子どもと共に「夢」を語る感動ストーリーに一歩も二歩も入っているのですから、「夢」「ものづくり」の話と、栄輔の話は切り離して、せめて前者のシークエンスには挿入しない方が良いと思います。
それをやるだけで、グッとドラマが引き締まるはずなんです…
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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
9
「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
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第7週『未来』
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