べっぴんさん (第35回・11/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』(公式)
第6週『笑顔をもう一度』『第35回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
すみれ(芳根京子)は、良子(百田夏菜子)の様子を見に会いにいくが、夫の勝二(田中要次)との関係が上手くいっていないことを知る。心配したすみれは勝二に質に入ったままの良子の時計を買い戻すよう提案。その時計は結婚の際に、勝二が良子に贈ったものだったが、生活のためにお金に換えてしまったものだった。時計を買い戻し、再び良子に贈る勝二。夫婦の信頼を取り戻した良子はすみれたちの店を訪れ…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
良子に「本望よ」と言わせない方が良かった
やはり、どうしても4人をまとめて描きたいようだ。そう思わせたのが、アバンタイトルでの良子(百田夏菜子)がワンピースの仕立て直しのことを「本望よ」と言ったこと。確かに良子がワンピース製作に関わったのは事実、ただ、実際は型紙を作っただけ。
デザインやコンセプトは君枝(土村芳)とすみれ(芳根京子)だし、肝心の仕立て直しには良子は関わっていない。それをさも自分の作品のように「本望よ」と言って、すみれも共感しちゃう。そりゃ、好意的に解釈すれば、良子がそんな気持ちで言ったのではないと思うことも出来るが、言わない方が良かったに決まってるのでは?
明美が「あげちゃう」ことに"同調"しちゃダメでは?
どうしても4人をまとめて描きたいのは、他の部分でも見受けられた。例えば、例のワンピースを美幸(松田苺)に無料であげちゃうくだり。なんでもかんでも施せば良いと言うものではないとは思うが…
すみれと明美は根っからの “お嬢様気質” だから、相手の立場など考えずに可哀想な子供にポイとあげちゃうのはアリとしても、明美(谷村美月)がそれに同調しちゃうのはやり過ぎと言うか、明美の設定からしておかしな話。
ここは、明美が入学式が終わったらクリーニング代だけ負担して貰おうと提案した方が良かった。そして、返却時に写真館のカメラマンを読んで、店内で美幸のワンピース姿の写真を撮って、ショーケースに一緒に飾って宣伝にするとか、明美しか出来ないような提案をすべきだったのでは?
勝二に、腕時計の買い戻しまでさせるのは"酷"過ぎる
で、2週間も使って描いてきた四葉のクローバーが、再結集する話の部分。まあ、うがった見方をすれば、失業中の大の男が、15歳も年下の妻の親友のお嬢様に屋台のオヤジが聞こえるだろうに、「お金に困ってるんでしょ?」と言わんばかりに、現金を渡しちゃうのは、流石に勝二(田中要次)にとっては相当な屈辱では?
田中要次さんで魅せたいってのもわからなくもないが、勝二に腕時計の買い戻しをさせるのは酷過ぎやしないか。良子も自分の稼ぎ分で夫が買い戻した腕時計をうれしそうに腕に嵌めるも、なんかすごく短絡的と言うか…
何が何でもすみれが良子にお金を渡したい、良子に自分の気持ちを伝えたい、良子の気持ちを勝二に教えたいのは、この際すみれらしいとしても、やはりここは欲張らずに、すみれは勝二に話すだけにして、あとで勝二自身が働いて買い戻す流れの方が良かった。
君枝が戻ってくるエピソードと"差"があり過ぎる
結局、良子は、この一連の時計の買い戻しに関するすみれの行動に感謝をして、再結集に至って終了。これ、明らかに君枝が戻ってくるエピソードと差があり過ぎる。夫や妻の気持ちの描写もストーリー自体も稀薄だし雑。無理に腕時計を絡めずに、「夫や家族のために働きたい」で良かったのでは?
あとがき
ワンピースをあげてしまうエピソードも、勝二に腕時計を買い戻させるエピソードも、すみれが「やさしさ」を履き違えているように見えてしまう表現になってしまったように感じました。確かに “お嬢様気質” を描きたいのでしょうが、今回のエピソードは、すみれを偽善者的に見せてしまったように思います。
もっと “お嬢様気質” を上手に描く脚本と演出にしないと、どうしてもヒロインに共感しにくい。まあ、4人が揃ったのですから、明日から気持ちの良い再出発を描いて欲しいです。
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ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上
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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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第2週『しあわせの形』
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“視聴率=作品の質”か? 「べっぴんさん」視聴率18%台と7日から大台割れ
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「べっぴんさん」初回“総合視聴率”は27% 新視聴率調査でテレビのおばさん化に影響を与えるか?
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第3週『とにかく前に』
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第4週『四つ葉のクローバー』
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第5週『お父さまの背中』
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第6週『笑顔をもう一度』
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べっぴんさん "お嬢様"を言い訳にし過ぎたり、各エピソードの"配分"の悪さが、ドラマに今一つのめり込めない原因か?
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