べっぴんさん (第8回・10/11) 感想

連続テレビ小説「べっぴんさん」

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』公式
第2週『しあわせの形』『第8回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。


すみれ(芳根京子)の父・五十八(生瀬勝久)は、ゆり(蓮佛美沙子)の告白に大激怒。ゆりは外出禁止となり、すみれが代わりに告白の相手・潔(高良健吾)の気持ちを確認することに。潔はゆりに気持ちがあるものの、養子の立場上、婿になって坂東家に入ることはできないということを知る。しかし、潔の父・野上正蔵(名倉潤)は潔の気持ちをくみ、婿に出すことを五十八に伝える。正蔵の思いを知った五十八は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

たった"5つ"の台詞で、前半の"8分間"に描いたこと…

ホント、凄いの一言。

  茂男「潔くん、養子やからな…」
  正蔵「だからこそ、見えることもあるんやないか」
  五十八「ゆり、お前が嫁に行け」
  五十八「生きて、ゆりのもとへ帰って来い」
  はな(語り)「こうして、すみれの初恋は終わりました」

靴職人・茂男(市村正親)のすみれ(芳根京子)へのさり気ない一言。息子・潔(高良健吾)のことを大切に思う父・正蔵(名倉潤)の一言。婿取りでない決断をする五十八(生瀬勝久)のゆり(蓮佛美沙子)と潔への深い愛のこもった言葉、ゆりとすみれの亡き母が娘を静かに想い見守る言葉。

前半8分間の僅か3人の大人の男たちと1人の女の5つの台詞で、坂東家と野上家を慕う正蔵のやるせない気持ち、潔の両親のかけがえのない愛情、もちろん五十八の決意も表現した。その上で、出征の厳しく過酷な現実、ゆりの父への信頼、すみれの初恋、そして亡き母の気持ちまで盛り込んできた。

密度の濃さ,内容の的確さ,美しい映像の、秀逸な8分間

本作は始まってまだ8回。子役パートから「大人編」になったのも金曜日。普通に考えれば、流石に盛り込み過ぎと言いたいところだが、全くそんな感じはしない。むしろ、ヒロイン以外を描きながら、実はしっかりとヒロインの環境を描くことで、間接的にヒロイン自身を描いているから、満足度が高い。

今回のアバンタイトル、主題歌を含めた前半の8分間は、ここ数年の朝ドラでも密度の濃さと内容の的確さと美しい映像は観たことがない。うーん、やはり今日は平日としては週の始まり。やはり、きちんと計算してこのくだりを用意していたのだ。『べっぴんさん』恐るべしだ。

"一枚の写真の持つ力" を知っている演出家こその編集

そして、先の五十八の決意のシーンの次は、ゆりが嫁ぐ前夜。一緒の布団に入るゆりとすみれが亡き母はなを語るシーンは、これから出勤する女性(最近は男性も?)にはメイクのやり直しを余儀なくされるような、ジーンとさせる印象的な情景。

姉妹の会話もさることながら、絶妙だったのが子どもの頃の家族の記念写真の放送尺。ここは敢えて何度か使っている幼少期の楽しい映像や最後の別れのシーンや(放送はされれていないが)葬儀の映像は止めて、記念写真のアップを少し長過ぎるくらいにインサート。

「悲しかったなあ」と話し出すゆりと、それに頷くだけのすみれの気持ちを、長めの尺の笑顔の家族写真で魅せた。劇中ではあるが、“一枚の写真の持つ力” を知っている演出家だから、そこに潔く賭けた編集。そして刺繍のハンカチに語りを乗せてやんわりとフェードアウト。何度も恐縮だが、ホント良く出来てる。

顔のアップの無駄遣いをしない作品は、名作の予感…

しんみりした後は、清々しい朝の情景カットに五十八の母・トク子(中村玉緒)のここぞとばかりの笑顔。中村珠緒さんの登場で一気に画面が華やかになり、婚礼祝賀ムードが高まる。本田博太郎さん含めて、親戚役の俳優の人選も手抜かり無し。

そして、新たな登場人物の紹介が続く中に上手に取り込んだ、大人になった田中紀夫(永山絢斗)の登場。幼少期のすみれ(渡邉このみ)と紀夫(玉山詩)の回想シーンも長めに入れたあとに今のすみれの印象的なアップ。更にうれし涙の菫のアップ。顔のアップの無駄遣いをしない作品には好感が持てる。

更に、物語は紀夫の一言で、ゆりからすみれに移っていく。構成、俳優、編集、そして前回の感想で大きく取り上げた美しい映像、これらすべてが秀逸な15分間だった。

あとがき

それにしても、どこまでこのテンポで描くんでしょう?描くべきもののために、このテンポで無駄を省いて時間を作っているのはわかるんですが。

実は、前作で暗雲が立ち込め始めたのが第2週目の火曜日「第8回(感想)」。どんどん「子役パート=幼少期」の意味(特に “とと” の存在意義)が薄れ始め、ヒロインだけが前に出る「大人編」が独自に始まったのです。そして、その週の土曜日「第12回(感想)」の雰囲気を最終回まで引き摺ったのです。

と言うことは、前作を例にすれば、次回から今週末までの4回が明暗を分けそう。ただ、本作の「幼少期→大人編」への現時点での仕上がりは大成功と言って良いので、個人的にはどうかこのまま土曜日で終戦まで一気に進んで、第3週から戦後の生活くらいが丁度良いかなと。とにかく明日も楽しみです。

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【これまでの感想】
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
1 2 3 4 5 6
第2週『しあわせの形』
7

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