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べっぴんさん (第6回・10/8) 感想

連続テレビ小説「べっぴんさん」

NHK総合・連続テレビ小説『べっぴんさん』公式
第1週『想(おも)いをこめた特別な品』『第6回』の感想。
なお、ヒロイン・坂東すみれのモデルは、アパレルメーカー「ファミリア」創業者の1人である坂野惇子(ばんの あつこ)さんで、関連書籍は未読。


昭和17年。女学校に通うすみれ(芳根京子)は、女学校仲間の多田良子(百田夏菜子)、田坂君枝(土村芳)と3人で手芸倶楽部を結成していたが、太平洋戦争の影響で生活の変化を余儀なくされていた。そんなある日、すみれは幼なじみの潔(高良健吾)に召集令状が届いたことを知り、自分の恋心に気がつくのだった。しかし、姉のゆり(蓮佛美沙子)も潔に好意を寄せていて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

投稿が遅くなりました。その分?今回の感想の記事は長いです(謝)

驚きと遊び心のあったアバンタイトル

前回のステキな余韻を残したヒロインと母の別離から、どうやって今回に繋げてくるのか、とても興味があった。幼少時代の母との別れを再び回想で入れるのか?夢オチからやり直すのか?そんなことを考えていたのだか、蓋を開けたらそれらすべてをすっ飛ばして、女学生になったすみれ(芳根京子)の日常の朝から始まった。

これは、良い。

だって、本作は朝ドラなのだら、視聴者たちがヒロインたちと「朝」を共有するのはとても良い。特に個人的に面白かったのが、すまれに母の遺影に手を合わせて「お母様」とだけ言わせたところ。

その直後に、はな(菅野美穂)の「私の自慢の娘です」を繋げてあったから、まるですみれがディレクターになって「語り」の菅野さんにキュー(合図)を出して他己紹介をさせたようなユニークなツカミに見えたから。

これ、きっと意図的。だって台詞と語りが繋がってないもん(苦笑)。でも私はもうこんな遊び心も入れてくるんだって、良いほうに感じた。

この素早い時間経過を成功させたのは "あの1カット"

ツカミが済んだら普通なら入れるであろう登校シーンは無くて、自宅の部屋から学校内の廊下へオーバーラップ。なんてスピーディーな展開なんだ。更にすみれの友だちの紹介もサクッと入れて、何と番組開始から40秒で戦中まで進んで、お決まりの戦中風景を見せて、1分25秒で主題歌。

この間僅か90秒足らずで一気に劇中の時計が進んだことになる。なのに、ちっとも雑でないし世話しなくもない。その理由は、間違いなく前回でのタペストリーの内部からの母はなの視点カメラのくだりのお陰だ。あの1カットが「語り=天国から見守る母の声」を確実に視聴者に植え付けたから。

前作のように、やたらと出来事や騒動を繋げて強引に時計を進めても、視聴者自身が納得出来なければ「時間経過」は成立しないのだ。

男らしさや頼もしさを魅せた 25歳の潔の登場シーン

25歳の野上潔(高良健吾)の登場シーンは、姿よりもバイクの音を先行させてから、まずすみれのアップ。こう言う大事な登場人物だからこその特徴を持たせた脚本と演出は実に映像的。「潔=バイク」で男らしさや頼もしさを一度で表現出来たし印象付けにも成功した。

五十八の事業のくだりの"タイミング"が絶妙過ぎる

場面変わって、戦争で事業を縮小しなければならない五十八(生瀬勝久)のくだり。これもアバンタイトルで既に戦中を詠ってあるから、むしろ視聴者は「五十八の仕事はどうなったの?」と気になっていた頃。そこへタイミング良く割り込ませた感じだろう。妙な焦らしをしないのも好感が持てる。

とにかくここは「語り」を巧みに使って、状況説明と人物紹介をどんどん進めてく。その中にさりげなく成長したゆりとすみれの姉妹の違いを描き込んだのもいい感じ。特に、前回で母と姉妹の最後の会話の中にあった「したいこと=夢」を改めてここで語らせて…

第1週目だから出来る編集 回想が新鮮で生々しく映る

そして、再び潔とすみれのシーン。そこで印象的だった編集がこれ。劇中では10年近くの時間経過をしているが、放送回としてはほんの数日前のお話。それを回想として挿入したことで、昔のことなのに新鮮でそれが生々しさにもなって…、

召集令状の重みや怖さ、そして誰にも平等に突然に「夢」を奪う魔物がやってくることがあると。だからこそ、「夢」を叶えるのは簡単なことではないと言う部分まで、一気に描いてしまった。この2分30秒、お見事と言うしかない。

娘と母の絆を台詞を使わず、映像だけで魅せる

ラストでは、潔へのすみれの淡い恋心を敢えて控えめに描写してきた。すみれの刺繍をする手と母の “形見” であるタペストリーを登場させて、第1週目の土曜日の最後の時間で、本作のヒロインがすみれであり、ヒロインの夢をきちんと見せた。本当によーく計算されている脚本と演出だ。

特に、刺繍をするすみれのカットは印象派の絵画を思わせる美しいカットも良かったが、ここで注目したいのが、すみれを手前に配置してぼやかせて、奥のタペストリーにピントを合わせたカット。これ、前回(前述)の「タペストリーの内部からの母はなの視点カメラ」と一対になってやしないだろうか。

娘と母の絆を台詞を使わず映像だけで魅せる本作。そう、画で魅せなきゃドラマじゃないのだ。

作家が"ヒロインを通して伝えたいこと"が見えた予告編

最後の最後に驚かしてくれたのが「予告編」。第1回の放送で既に明らかになっているのは、ヒロインが結婚、出産、終戦などを経由して、子供服の会社を設立し20周年を迎えることまで。

だとすると、第2週から重要なのは、何を描き何を外すか、そう、エピソードの取捨選択、いや思い切った断捨離をしないと、すべてを盛り込むなんて誰が考えても無理な話。かと言って、重要不可欠な事柄だけを並べたのではつまらない。

楽しさや明るさはもちろん、“朝ドラらしさ” も条件に入れて、物語を紡いでいくのが何より大事。その意味で、第2週の予告編は、「本作が何を描こうとしているのか?が十分に感じ取れる内容だった。きっと、作家が “ヒロインを通して伝えたいこと” は私以外にも伝わったに違いない…

あとがき

第1週の僅か5回の放送で、326回の拍手とたくさんの共感や応援コメントを頂戴しました。本当にありがとうございます。共感して下さった皆さんの中には、これで前作に思い残すことなく、今作にのめりこめるって感じなんでしょうね、きっと。

さて、本作は第1、2回の感想では正直予想通りの期待外れの印象でした。しかし、1週間を通して見たら見事な “半年分のツカミ” になっていました。やはり、朝ドラの感想は天気といっしょ。その日その日で、見た時間や書く時間でも変わります。

今回は朝から仕事で、休憩時間に携帯で録画を見て、感想を書きたくてうずうずしていたので、こんな長文になりました、とにかく、第1週を観終えた感触では、どうやらまた皆さんと半年間のお付き合いになりそうってこと。今後もよろしくお願いします。

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坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」 (中経の文庫)
ファミリア創業者 坂野惇子 - 皇室御用達をつくった主婦のソーレツ人生
坂野惇子の人生 (MSムック)
上品な上質---ファミリアの考えるものづくり
時空旅人別冊 “べっぴんさん"坂野惇子の生涯: サンエイムック
連続テレビ小説 べっぴんさん Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 べっぴんさん 上


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第1週『想(おも)いをこめた特別な品』
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