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とと姉ちゃん (第152回・9/27) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』公式
第26週『花山、常子に礼を言う』『第152回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
 本作は 8/25 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


花山(唐沢寿明)が広島にでかけてから数日後、突然倒れたという連絡が来る。慌てて病院に向かう常子(高畑充希)たち。聞くと、人々に戦争中の暮らしの様子を取材していたのだという。花山は、戦争に関わってしまった人間として、戦争を知らない世代に当時の記録を残したいと訴える。退院したらすぐに取材を再開するという花山だが、妻・三枝子(奥貫薫)たちはやめるよう必死に説得。そんな家族の姿を見て、常子は何も言えず…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

どうして、最終週になっても姑息なことを?

アバンタイトルで、さらりと何気に水田(伊藤淳史)の台詞で、4日の時間経過。別にその4日間に興味関心もないのだが、ここはテロップ処理して欲しかった。だって、主題歌明けに期待を持たせようと言うあざとさだけが強調されただけ。どうして、最終週になっても姑息なことをやるんだろう?

本作を見るまでは高畑充希さんは魅力的だったのに…

それにしても、今回は「それが戦時中の暮しの記録ですか?」の常子(高畑充希)の台詞以降、話をしている花山(唐沢寿明)よりも、無言の同じ顔の常子のアップの多いのが印象的。本作を見るまでは高畑充希さんのちょっと作り込んだ演技が魅力的だったが、今はいつも強張った表情にしか見えなくなったのが悔しい。

今更戦争の話を蒸し返して、今度は花山を蛇の生殺しか?

一方の唐沢寿明さんは、病床で座ったままの姿勢でよくもあんなに声を張って、年老いた花山の編集者としての心情を見事に演じた。しかし、本来はここで数分かけて台詞で言わずに、これまでの花山の言動で、映像で描くべきこと。それをしないから、この度の花山も唐突に見えてしまう。

いやいやそうではない。この描写、あの台詞は実におかしいのだ。なぜなら、花山は主人公でない一脇役だから。確かに、好意的な脳内補完によって、花山の戦争へのただならぬ思いはわかる。しかし、劇中は終戦から29年後、しかも花山の戦争体験の話は、二か月以上前の7/11からの第15週『常子、花山の過去を知る』以来。

そんな話を最終週に蒸し返すのは、先週に君子(木村多江)でやった3日間の “蛇の生殺し” 今風に言えば “死ぬ死ぬ詐欺” と同じ手口。君子の時は、“三姉妹の思い出話” に託けて散々常子アゲをやって、君子はあっさりナレ死で終わった。

無言の常子で、ついに苦悩や葛藤を表現するのを拒否か?

今回は、「私は死ぬ瞬間まで編集者でありたい」「常子さん、君ならわかるだろう」と、敢えて花山に “常子への敵意” を示させた。普通なら「さあ常子よ、この花山の決意をどう処理する?」と、常子の苦悩や葛藤を描くことになるわけだが、残念ながら放送は残り4回しかない。

その上、本作は常子を編集者として描かない方向にシフトしたきたから、花山の気持ちがわかるのは、そもそもおかしなこと。

そこで、本作はどんな手口で乗り切ったか。1分35秒間、常子が無言の家族会議と花山の回想シーンに置き換えた。いや、無言の常子で苦悩や葛藤を表現するのを拒否したと言える。

どうやら、どうしても常子の苦悩や葛藤は、“視聴者にはつまらないもの” だと決めつけて、一切書かない(先週の土曜日は珍しく描いたが)方針は、最後の最後まで貫くらしい。これがテレビドラマかと言いたくなる。

あとがき

いくらテレビドラマの中の登場人物だからとは言え、こんな言い方はしたくないのですが、君子の時と同様に花山の “死ぬ死ぬ詐欺” は今回の病床のシーンから3日間はやるでしょうね。ってことは、金曜日までサブタイトルの『花山、常子に礼を言う』はお預けと言うか、引き延ばしですね。

それにしても、本作って制作統括の落合将氏が「花森さんと大橋さんは、2016年の今こそ知らしめないといけない人だったという気がします」と言いつつ、「モデル」ではなくて「モチーフ」のフィクションとして始まったんですよね。本当に、そう言うドラマになってますか?
「とと姉ちゃん」Pに聞いた、なぜ「暮しの手帖」や大橋鎭子や花森安治はモデルでなくモチーフなのか(木俣冬) - 個人 - Yahoo!ニュース

私には、ただただ史実の美味しいところだけを中途半端につまみ食いして、肝心のヒロインの苦悩や葛藤も描かず、周囲の人の協力だけで社長として踏ん反り返ってるヒロインに仕立てたドラマにしか見えません。そして、ここまで実在の人物に最低限の礼を尽くさない制作者には怒りを超えて…さもしい気持ちになるのでやめておきます。

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【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
しずこさん 「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 (暮しの手帖 別冊)
大橋鎭子と花森安治 美しき日本人 (PHP文庫)
大橋鎭子と花森安治 戦後日本の「くらし」を創ったふたり (中経の文庫)
花森安治のデザイン
花森安治伝: 日本の暮しをかえた男 (新潮文庫)
花森安治 増補新版: 美しい「暮し」の創始者 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)


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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103 104 105 106 107 108
第19週『鞠子、平塚らいてうに会う』
109 110 111 112 113 114
第20週『常子、商品試験を始める』
115 116 117 118 119 120
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』
121 122
朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える
123 124 125 126
第22週『常子、星野に夢を語る』
127 128 129 130 131 132
第23週『常子、仕事と家庭の両立に悩む』
133 134 135 136 137 138 138(その2)
第24週『常子、小さな幸せを大事にする』
139 140 141 142 143
朝ドラ「とと姉ちゃん」 やはり「暮しの手帖」関係者も怒り心頭だった
144
第25週『常子、大きな家を建てる』
145 146 147 148 149 150
第26週『花山、常子に礼を言う』
151

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内容編集部に花山(唐沢寿明)が駅で倒れたという連絡が入る。慌てて病院へと向かう常子(高畑充希)たち。。。。 敬称略 ほんと、なんていうか。。。なんだよ、これ。。。。 言葉は悪いけど。  “死ぬ、死ぬ”詐欺だね。 で、いまさら。。。。戦争が。。。とか。。。 まあ、分かるんだけど。 いまさらですか!?
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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