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とと姉ちゃん (第151回・9/26) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』公式
第26週『花山、常子に礼を言う』『第151回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
 本作は 8/25 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


主婦のあり方も多様化している今、『あなたの暮し』では誌面においても、職場の環境も含めて、女性が働きやすい場所に変えていく。常子(高畑充希)は、社員の前で宣言する。今でも十分と答える社員たちだが、必要であれば自宅での作業を認めるとし、皆は驚きを隠せない。しかし、花山(唐沢寿明)は常子の真意を理解し、満足気な様子。花山もまた、これからの『あなたの暮し』に必要なものを見つけるため、一人、広島へ向かう…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

またいつもの「エピソードの順番が逆による混乱」か…

前回の感想では簡単感想ではありながら、私のドラマ愛を振り絞って本作を称賛したつもり(多くの読者の皆さんの共感は得られなかったが、わかってくれた人、ありがとうございます)。さて、最終週はどうなるか。

で、いよいよ主題歌明けから本作の最終週が始まった。そこでまず驚いたのが、先週末に「あなたの暮し出版」の勤務体制の改善について声を挙げた寿美子(趣里)が会議の席にしらーっと着いていたこと。

これ、またいつもの「エピソードの順番が逆による混乱」のパターン。なぜ、この脚本家は “常子(高畑充希)の演説” を強調したいがために、エピソードの順番を間違える?いや、意図的に逆にするんだろう。確かに、演説のインパクトはあるのだが、物語に破たんを来たすことをまだ理解しないのか。

だって、素人でも時間軸通りに素直に考えるとこうならないか。

 1. 寿美子が、常子社長に「勤務体制の改善」を要求する。
 2. 常子が、(花山に相談しつつ)悩み苦悩する。
 3. 常子が、寿美子に自分の考えを伝え、相談する。
 4. 常子が、寿美子の快諾を得る。
 5. 常子社長が、社員たちに自身の考えを伝えて共感を得る。

構成が逆だから、常子が「ただ偉そう」に見えちゃう…

更に今回の「常子の演説」で痛いのは、冒頭が社員たちへの質問形式になっていたこと。そもそも今回の演説に至る根拠は、寿美子からの申し出であり、花山(唐沢寿明)の助言による常子の発案だ。決して、常子自身が問題を見出して解決しようとした話ではない。

しかし、この質問形式によって、常子が一人で気付いて手柄を独り占めしているように見えてしまった。更に、事前に寿美子に相談もせずいきなり会議の場で発言してしまったから、唐突感が半端無い。それにすぐ横に花山が座っているために、花山から助言を受けての演説に見えてしまった。

結局、上に挙げた「1~5 の順番」で編集するだけで、自然に常子が社員たちのために社長の存在感を見せつけたとなって、初めて「常子の演説」が意味を持ち、価値が生まれ、見せ場になるのに、それをしないから、「手柄の横取り」「ただ偉そう」に見えてしまった。まあ、本作はこんなことの連続なのだが。

「常子に礼を言う花山」と「勤務体制の改善」のどっち?

さて、劇中の常子は、この度の「勤務体制の改善」に10月までの半年の期限を設けた。ここでふと頭をよぎるのは、今の花山の体調と、終盤で広島に行ったこととの、どっちを描くのかってこと。

いつもの週なら、サブタイトルの部分は水曜日までに片づけるか、一週間通して無関係かのいずれかだ。しかし、今週は半年間の最終週。もう来週はない。そこで興味深いのは、今回の演説の案件にどう始末をつけるか。

サブタイトルにない「常子の演説」の結末はどうなるか?

もう、多くの方がお気づき(予想済み)だと思うが、今週は花山の戦争体験の話を今一度持ちだして(強引に蒸し返して)、花山自身が戦争への決着をつける話になる。「戦争を知らない人たち」へ戦争を伝える記事を書き終えて、死する花山だ。三姉妹宛に手紙も書くし、土曜日にはとと・竹蔵(西島秀俊)も登場するに違いない。

そうなると、「勤務体制の改善」なんて描いてる尺がない。まあ、常子の演説が実現するかどうか、花山の進退がどうなろうが、最終週の月曜日だが殆ど興味関心のないレベルだから、どうでも良いと言う視聴者も多いはずだが。

しかし、「働く女性のための」と言う部分は、本作に登場する多くの女性の登場人物にとっても、会社にとっても会社の方向性を決定付けるような重要な話。だが生憎、上記のことからも、いつも通りに大した盛り上がりもなく、何となく表面を浚ってあっさりと終わるのが見えちゃってる。

「描写不足」「騒動ありき」「変な構成」が、致命傷か?

やはり、今週もこれまで積み重ねてきた、

 「登場人物の描写不足」
 「騒動至上主義」
 「エピソードの順番が逆による混乱」

によって、すべてが唐突で連続性のない物語になり、登場人物たちにも共感するまで至らないと言う残念な仕上がりで終わりそう。何とか、有終の美を飾って欲しいものなのだが。

あとがき

花山の広島からの電話で、最終週もヒロインは脇役に回るのが決まったようなものですね。それならもっと前から、花山自身を “都合の良い時だけ常子の良きアドバイザー” としてだけでなく、しっかりと人物像を描くべきでした。

とは言っても、その花山の戦争体験そのものが『朝ドラ「とと姉ちゃん」 やはり「暮しの手帖」関係者も怒り心頭だった』に書いたように中途半端な史実の改悪によるエピソードなので、もうどうしようもないかなと。とにかくフィクションと言い切ったのなら、創作物として最後まで魅せて欲しいです。

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【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
しずこさん 「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 (暮しの手帖 別冊)
大橋鎭子と花森安治 美しき日本人 (PHP文庫)
大橋鎭子と花森安治 戦後日本の「くらし」を創ったふたり (中経の文庫)
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103 104 105 106 107 108
第19週『鞠子、平塚らいてうに会う』
109 110 111 112 113 114
第20週『常子、商品試験を始める』
115 116 117 118 119 120
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』
121 122
朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える
123 124 125 126
第22週『常子、星野に夢を語る』
127 128 129 130 131 132
第23週『常子、仕事と家庭の両立に悩む』
133 134 135 136 137 138 138(その2)
第24週『常子、小さな幸せを大事にする』
139 140 141 142 143
朝ドラ「とと姉ちゃん」 やはり「暮しの手帖」関係者も怒り心頭だった
144
第25週『常子、大きな家を建てる』
145 146 147 148 149 150
第26週『花山、常子に礼を言う』

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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