お彼岸に菩提寺で頂いた「仏教の生活」に掲載の『希望(きぼう)の証(あかし)』が、心にジーンと来た
心にジーンと来た仏教冊子の法話『希望の証』
年に5度は菩提寺の墓参りに行く私。東京は明日(9/22)の天気が雨予報のためか、明日が秋のお彼岸のお中日だが、一日早めにお墓参りに来ていた人が多かった。その菩提寺で頂くのが『仏教の生活(中山書房仏書林)』(公式サイトから購入できます)と言う小冊子。お寺では無料で頂けるのだが、実際は1部77円の有料だ。
毎回、感動する「仏教ばなし」が掲載されており、いつも楽しみいしているのだが、今回の『平成28年秋・彼岸号/256』の冒頭に載っている『希望(きぼう)の証(あかし)』が、心にジーンと来たので、ざっくりと紹介してみる。
「産んでも三日と生きられない」孫を思いやる婦人…
著者は、浄土宗寺院の林宗院の住職・稲岡春瑛師(公式サイト)。文章は女手一つで娘を育て上げた老齢のご婦人が住職に相談するところから始まる。話によると、娘さんは今二人目の子供を妊娠中だが、妊娠初期から心臓疾患が見つかっており、医師から「産んでも三日と生きられない」と暗に中絶を勧められたと言う。
しかし、娘さんは「私のお腹の中で生きている命を奪うことはできない。最先端医療にだって間違いだってあるはず。だから、三日の命と宣言されても産みたい」と言ったそう。婦人は、「娘の身体も心配ですが、生まれたばかりの我が子を亡くした時の娘の気持ちを思うと、居ても立っても居られなくて」相談に来たと言う。
「生まれたばかりの子供でもお葬式をして頂けますか」
婦人の相談とは、「生まれたばかりの子供でもお葬式をして頂けるか。無事に育つのが望みですが、もしもの時は一人前の人として生きた証を残してやりたい」と。住職は答えに詰まり、「もしものことがあったら、すぐにお知らせ下さい」と伝えるのが精いっぱいだったと言う。
出産予定日から二週間が過ぎたある日…
出産予定日から二週間が過ぎたある日、ついに訃報が届いてしまった。僧侶が檀家の家に向かうと、赤ちゃん用の小さな布団にその子は寝かされていた。名前は「希望」と書いて「のぞみ」と名付けた女の子。僧侶は、「産まれてきて良かったね。皆がのぞみちゃんを待っていたのよ。頑張ったね。偉かったね」と声をかけた。
お通夜の後、僧侶はこんな説話をしたと言う。
「姿は見えなくても、この子はみんなの傍にいる。死が、この子の生きた証を消し去るわけじゃない。この世からは旅立つけれど、いつかあちらの世界でこの子に必ず会える。それが、人として生きた証なのです。だからしばらくの間、お別れを我慢しましょう」
のぞみちゃんのたった二週間の命をどう捉える…
ママのおっぱいをいっぱい飲むことも、声をあげて笑うこともなかった、そんな短い命に価値はないのか。産んだのは親のエゴだと言う人もいるに違いない。でも、「命を生き抜く」ことは寿命の長短では測れない。どう命を燃やしたのか、どう生きたかが重要だと思いたいと、僧侶は綴る。
懸命に病と闘ったのぞみちゃんの二週間の一生は、命の重さ、命の大切さ、そして命に往き先のあることを教えてくれた。本文章はこの言葉で括られる。
「この世(此岸・しがん)での別れは誰をも悲しみの底に突き落すが、それを超えた世界(彼岸・ひがん)でいつかまた会えるという希望があれば、それを心の支えに生きてくことができる。
秋の彼岸、澄みきった空を夕日が茜色に染めていく。見送った人、もう一度会いたい人、夕日の輝きの中で、その人を想う」
あとがき
「お彼岸」と言う言葉の意味がよくわかると思います。そして、お彼岸にお墓参りをすることの大切さも。この話に登場するのぞみちゃんの僅か二週間の一生ですが、こうして私や、きっと当blogの読者の皆さんにも何かを残してくれたのではないでしょうか。それがのぞみちゃんの “生きた証” だと思います。合掌…
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