とと姉ちゃん (第147回・9/21) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』公式
第25週『常子、大きな家を建てる』『第147回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
 本作は 8/25 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


「あと何回、皆でご飯が食べられるのだろう」。君子(木村多江)は常子(高畑充希)にふと漏らす。自宅療養を始めて半年、君子は床に伏せることが多くなっていた。そんな折、花山(唐沢寿明)が見舞いに訪れる。お礼を言いたかったという君子に、花山は言葉を詰まらせる。常子のことで話したいことがあるという花山。全てを投げ打ち雑誌作りに懸けてくれた常子に申し訳ない気持ちがあると告げると、君子は常子は幸せだと答えて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

こんないい加減な「人の命」「人の死」の扱い方って…

テレビドラマ大好きな私は、これまでもたくさんの愛すべき登場人物の様々な「死に向かう姿」や「死」を見て来た。しかし、こう言う書き方をすると語弊があると承知で書くが、本作ほどに主人公を持ち上げるためのだけに、まるで “蛇の生殺し” のように毎朝3日間も「生きる姿」をさらした作品は初めてだ。

視聴者に病名は「ガン」と知らせ、その病床の君子(木村多江)には「あと何回、皆でご飯が食べられるのだろう」と言わせ、あれこれ “騒動” をつくってゆっくりと休むことも出来ない君子。こうしてこの脚本家は、ヒロインの母と言う大切な登場人物の首をじわじわと絞めていく。

そして、挙句の果てに「最期の看取り」のシーンは無いまま、君子昇天。こんないい加減な「人の命」「人の死」の扱い方は見たことがない。

いつも誰かに寄り掛かり、寄生し、頼り切った人生

さて、その君子の生涯を振り返ってみると、決して朝ドラのヒロインの母親として応援したくなるような人生ではなかった。確かにここ数日の姿だけを見れば、質素で慈悲深く優しい母親だ。

しかし、夫を亡くしてからの人生は、ずっと誰かの援助を受け続けそれが途切れそうになると、幼き頃に絶縁していた母親に頼り、自分の勝手な怒りによって母親の家を飛び出し、近所の仕出し屋に住み込むが、結局母親たちの援助は受ける。綻びを修復した病身の母親の面倒も見ずにそのまま疎遠に。

そして、君子ら小橋家は母親の用意してくれた「大きな家」に住み替え、それをきっかけに運の良さとヒロイン特権でどんどんあぶく銭が湧いてきて、やがては日本中に知られる出版社の社長の母親となり、もっと「おーきな家」に住むこともでき、不自由のない余生を送ることが出来た、世渡り上手の幸せ人生。これが、君子の一生。

君子「花山さんに出会って、叱られて、
   漸く常子は心から誰かに頼って
   生きることが出来たんだと思います」

この、君子が花山(唐沢寿明)に言うお礼こそ、いつも誰かに寄り掛かり、寄生をし、頼り切って生きた自分自身の生き様を君子に投影させて語った、如何にも君子らしい台詞と言える。これを脚本家の腕の見せ所と捉えるべきか悩むところだが、間違いないのは私が観たかったヒロインの母では無いことだ。

こんな脚本と演出に付き合わされる俳優もお気の毒

さて、見舞いを終えて帰路に向かう花山を見送る三姉妹の表情も、とても気になった。私には既に今週は「悪魔の三姉妹」の先入観があるから、そう見えるに違いないが、花山へのお礼の態度が「これで一面クリア。あとコンプリートまで少しだから頑張ろう」と見えてしまった。

花山の妙に “泳ぐ視線” も気になった。結局、脚本家も演出家も単なる時間つなぎと常子アゲのためのシーンで何の思い入れもなく撮影・編集しているから、俳優が演技のしようがないのでは?とととの遺影にゆっくりと向き合う時間も与えられない忙しい臨終の母なんて、容易に演じられるものではないはずだから。

いっそ2秒で「ナレ死」した方が良かったかも

定番やお約束な脚本や演出に頼らず、個性的で斬新で新鮮なことをするのは、クリエーターとして当然だ。ヒロインの母の最期だからと、いつものように登場人物たちの君子との走馬灯風の回想シーンと思い出話でじっくりじんわりと綴るなんてことはしない。かと言って毎度のように「ナレ死」で秒殺もしない。

そんな脚本家が選んだのは、君子の宝箱からの「結核のととを外に連れ出した悪魔の家族の象徴である偽物の桜の花びら」と「常子の起業魂の火付け役にはなったが失敗作のチューブ歯磨き」の2つ。この2つで「自慢の娘」に帰着するのは明らかに強引だが、他にエピソードが無いのも事実。

結局、「親子丼」で君子の最期を締め括った。つくづく脚本家がエピソードの積み重ねを怠ってきたことが残念。こんな常子アゲをするだけなら、いっそ2秒で「ナレ死」した方が、演者の木村多江には苦労がなかったかもしれない。

あとがき

君子が「あの子は人に頼るのが下手で…」と言っていましたが、本作で一番問題なのは、ヒロインの常子が頑張る姿を十分に描いてこなかったことです。まだ、君子は寄生する姿を見せました。しかし、常子はまるで運と他人任せで、何となく人生の成功者になっているから、今回の君子の言葉もまるで心に響かないのです。

でも、今回の15分を見て明らかになったのは、脚本家も演出家もエピローグづくりに苦労、苦戦をしていると言うこと。きっと、君子以外にももっとたくさんのエピソードがあれば、アバンタイトルで君子の病気が発覚して主題歌明けに君子が遺影になる程度で済ませたかったのでは?あくまで想像の粋ですが…

今週は祝日と土日が仕事なので、これから先祖のお墓参りに行って来ます…。個人的な理由ですが、そんな日に、この内容は観たくなかった…です。

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【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
しずこさん 「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 (暮しの手帖 別冊)
大橋鎭子と花森安治 美しき日本人 (PHP文庫)
大橋鎭子と花森安治 戦後日本の「くらし」を創ったふたり (中経の文庫)
花森安治のデザイン
花森安治伝: 日本の暮しをかえた男 (新潮文庫)
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103 104 105 106 107 108
第19週『鞠子、平塚らいてうに会う』
109 110 111 112 113 114
第20週『常子、商品試験を始める』
115 116 117 118 119 120
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』
121 122
朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える
123 124 125 126
第22週『常子、星野に夢を語る』
127 128 129 130 131 132
第23週『常子、仕事と家庭の両立に悩む』
133 134 135 136 137 138 138(その2)
第24週『常子、小さな幸せを大事にする』
139 140 141 142 143
朝ドラ「とと姉ちゃん」 やはり「暮しの手帖」関係者も怒り心頭だった
144
第25週『常子、大きな家を建てる』
145 146

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