とと姉ちゃん (第146回・9/20) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第25週『常子、大きな家を建てる』『第146回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
※ 本作は 8/25 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
常子(高畑充希)たちは、君子(木村多江)の病状が思わしくないと医者から告げられる。気丈に振る舞う常子たちを見て君子は自宅療養したいと漏らす。にぎやかしい孫たちに囲まれていつもと変わらない毎日を過ごす君子。そんなある日、中学生になったたまき(蒔田亜珠)が熱を出す。手が回らない鞠子(相楽樹)に代わり君子がたまきの看病をすることに。頬に手を当て母・滝子の思い出を語る君子。そのまなざしは幸せに満ちていた…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
アバンタイトルだけでも、木村多江さんがお気の毒…
いやあ、あっと言う間に自宅療養。そして、朝ドラお約束の安っぽい老けメイクで登場の君子(木村多江)。アバンタイトルだけで木村多江さんがお気の毒…。それにしても、一度観ただけでは、この15分間で何を言いたいのか全く分からぬ本作。もう巻き返しは無いのだろうか…
ガンで自宅療養中の君子まで、とことん利用する
それにしても、「常子は自分の味方をとことん利用する」の法則が、末期のガンで自宅療養状態の常子の最大の理解者である君子にも、残酷に適応する脚本家は悪魔か鬼かって感じ。その上、お得意の「騒動」に更に「騒動」を重ねて、まるで君子の病状を悪化させようとでもしているとしか思えぬ展開。
なぜ、ここで水田(伊藤淳史)と鞠子(相楽樹)の長女、たまき(蒔田亜珠)が熱を出す必要があるのか。それに、このたまきと言う中学生。美子(杉咲花)の娘、真由美(上杉美風)の背後でいくら避けたと言っても幼女の近くで咳をすると言うマナー知らず。画に映っていない咳が3回あったが、そっちが気になる。
まあ、気になり出すとしょうがない。たまきが自分の風邪の症状を「大したこと無さそうです」と言うが、普通はおばあ様を心配させたくなくて「大したことはありません」だろうし、「おばあ様に風邪がうつるといけませんから」と言うところ。まあ、母の病状より娘の風邪を気遣う鞠子。たまき、似たもの親子か。
無いものは流せない…
そして、祖母の君子が孫の真由美の髪を梳かすシーン。美子の昔話を話しながら、本来なら一応は良い感じのシーンに簡単になるはず。しかし、ここで半年分のエピローグなら絶対に必要なあのシーンが無いから、単なる時間つなぎで終了。それが、小さい頃の美子の髪を梳かすシーン。そりゃあ、無いものは流せない…か。
そして直後の、今度は君子がたまきに鞠子との思い出を語るシーン。ここでも、あるべきものがない。そう、戦時中の鞠子の映像。そして、良く分からない鞠子とたまきが似てるって話。だって、鞠子って頑固は当たってるにしても、その他の条件は殆ど映ってないから。そりゃあ、こっちも無いものは流せない…か。
そして、超久し振りに君子の母・青柳滝子(大地真央)の話題が登場。そう言えば滝子も利用されるだけされて、台詞で殺されたかわいそうな登場人物。それにしても、こうして母子三代の話を描くなら、それ用の回想シーンを撮っておけば良かったし、映像が無いなら説得力も無いから止めりゃ良いのに…
もっと「君子と三姉妹」の映像を確保しておくべきだった
そして夜の帰宅後。真っ先に君子の容態は気にしない、悪魔のような三姉妹として本日初登場。ニンジンの飾り切りをする君子を “憐れむ” 目つき(目線とは言い難い)で見る三姉妹が怖かった。で、病院での回想シーン中の常子の「君子亡きあとのことを既に考えてる」鬼の形相も怖いだけ。
こんなシーンに続いて、母子三代のほのぼの風映像を繋げても、そもそもこれまでに君子と三姉妹のほのぼの映像すら殆どなかったのが事実だから、何のためにこんなほのぼの映像を今更挿入しているのか全くわからない。君子は悲しい時に鼻歌を???もう、いいや。
あとがき
うーん、今回も無駄話っぷりが半端無い15分間でした。ちょっと視点を変えてみましょう。この度の君子が亡くなるまでのくだり、「総集編」に残ると思います?普通に考えれば「全削除」ですよね。こんな半年の締め括りのくだりで、君子の死だけクローズアップするのは違和感しかありませんから。
では、「総集編」に違和感が生まれるのでしょうか?それは明らかな脚本の全話の構成ミス。最終的に「おーきな家」に住んで君子を看取るのを、エピローグの大きな見せ場にするなら、とと・竹蔵(西島秀俊)が存命の頃から、しっかりと「家族」を描いておく必要がありました。
個人的に思うのですが、公開試験で大手電化製品メーカー「アカバネ電器製造」をやっつけたところで、「その後も常子と花山の雑誌づくりの情熱は醒めることはありませんでした」と結んだ方が、後味が良かったような。もう本編は期待できそうにないので、「総集編の後編」の編集に期待しましょう。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
しずこさん 「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 (暮しの手帖 別冊)
大橋鎭子と花森安治 美しき日本人 (PHP文庫)
大橋鎭子と花森安治 戦後日本の「くらし」を創ったふたり (中経の文庫)
花森安治のデザイン
花森安治伝: 日本の暮しをかえた男 (新潮文庫)
花森安治 増補新版: 美しい「暮し」の創始者 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)
★本家の記事のURL →
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/8914/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/442085819.html でも受付けております。
【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103 104 105 106 107 108
第19週『鞠子、平塚らいてうに会う』
109 110 111 112 113 114
第20週『常子、商品試験を始める』
115 116 117 118 119 120
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』
121 122
朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える
123 124 125 126
第22週『常子、星野に夢を語る』
127 128 129 130 131 132
第23週『常子、仕事と家庭の両立に悩む』
133 134 135 136 137 138 138(その2)
第24週『常子、小さな幸せを大事にする』
139 140 141 142 143
朝ドラ「とと姉ちゃん」 やはり「暮しの手帖」関係者も怒り心頭だった
144
第25週『常子、大きな家を建てる』
145