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ドラマスペシャル「瀬戸内少年野球団」 (2016/9/17) 感想

ドラマスペシャル 瀬戸内少年野球団

テレビ朝日系・ドラマスペシャル『瀬戸内少年野球団』公式
『阿久悠の自伝的小説が待望のスペシャルドラマ化!敗戦の喪失感から、白球に夢を託し立ち上がろうとする子供たちと、それを笑顔で支える女性教師の姿を、鮮やかに描きます。』の感想。
なお、原作小説である阿久悠氏の『瀬戸内少年野球団』は既読。篠田正浩監督・夏目雅子主演映画『瀬戸内少年野球団(1984)』も鑑賞済み。


昭和19年春。駒子(武井咲)は、数日後に出征を控えた網元の長男・正夫(三浦貴大)と、ささやかな結婚式を挙げる。正夫は駒子から、生きて帰るためのお守りにするようにと言われた“野球のボール"を手に、戦地へと旅立っていく。しかし、時をおかず、駒子には紙切れ一枚で正夫の戦死が伝えられる。そして、戦争が終わった…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

1984年の篠田監督&夏目雅子主演の映画の印象が強烈

脚本は、『交渉人シリーズ』『必殺仕事人シリーズ』等の寺田敏雄氏。演出は『アルジャーノンに花束を』『家族ノカタチ』等の松田礼人氏。

本作の感想ブログを探し歩いている方には、またかと思われるかもしれないが、とにかく1984年に劇場公開された篠田正浩監督・夏目雅子主演の映画の印象が強すぎて、なかなかそれを払拭して、本作を観ることは出来なかった。

肝心なエッセンスが、すべて抜け落ちた脱け殻?

だだ、それでも冷静に考えると、2016年に現在のデジタル技術で撮影と鑑賞する本作は、今から30年以上前の80年代のアナログ的な手法で制作された作品では、表面的な綺麗さでは勝っているが、あのフィルムで撮る奥行き感やスクリーンの迫力の違いで、残念ながら観客への訴求力が違うのだ。

しかし、本作で一番残念なのは、本作には「生」と「性」、「戦争」と「死」と言う本作のテーマに切り込むべき描写がほぼ削除されていること。逆にメインで描かれたのは、若くて美人な小学校教師と貧しい島での小学生たちの野球を通しての交流だけ。

もはや、劇場版のダイジェスト版にもなっていない。と言うより、肝心なエッセンスがすべて抜け落ちた脱け殻みたい。もちろん、過去の劇場版と比較する意味があるかと思うが、原作と比較しない立場である上に、あの強烈な作品を無いものとして考えるのは、私のおバカな頭では本作を切り離すのは無理だった。

初見なら、先生と生徒の野球を通しての交流秘話に!?

しかし、本作が初見だったら私の目にどう映ったろう。敗戦の惨めさと貧しさの中で、マドンナ的な存在の小学校教師が戦地で足を失った夫の代わりに、教え子たちに野球を通して「生きる」ことを教えた話に見えただろうか。むしろ、可愛い女の子に翻弄された少年のひと夏の淡い恋物語で終わったのでは?

脚本、演出、俳優すべてが現代的感覚なのが残念

個人的にはイマイチ「戦争」が背景に見えてこないこと、目に入るものすべてがきれいでピカピカなこと、折角の素晴らしいロケーションより出演者ばかりが目立つ映像、特に大切なエピローグの部分なんかは、『現代版ROOKIES』に見えてしまった。

いくら表面的に「瀬戸内少年野球団」を描いても、伝わるメッセージは原作小説や過去の名作の足元にも及ばない。しかし、その難しいことに果敢にチャレンジしたことは評価に値する。流石、押しの強いオスカープロモーションが関わっているだけのことはある、良くも悪くも。

あとがき

脚本や演出次第で、劇中挿入歌の「IN THE MOOD」がこんなに何の意味を持たず、ただのBGMになっちゃうんですね。野球の試合が始まると、「戦争」の文字が消えて現代風になったのは、脚本と演出の故意による意図なんでしょうか。やはり、この “あっさり風味” がイマドキなんですかね。私には少々物足りませんでした。

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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