映画「セルフレス/覚醒した記憶(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
「ニューヨークを創った男」と呼ばれる超セレブの建築家ダミアン(ベン・キングズレー)は、長年一人娘との関係もぎくしゃくしたまま、ある日余命半年と宣言される。
天才科学者オルブライト(マシュー・グード)から最新科学で培養した「新車」の肉体に、68歳のダミアンの頭脳を転送しかいか?と持ちかけられ、別の肉体で新たな人生を歩き始める。しかし、彼の肉体は「新車」でなく、妻子のいる特殊部隊の兵士マーク(ライアン・レイノルズ)の「中古車」の肉体だった。
真実を知ったダミアンはオルブライト率いる秘密組織に命を狙われるが、ニューヨークを創った頭脳と特殊な戦闘能力の肉体が合体した彼のたった一人の闘いが始まる…
「不老不死」の部分は、超が付くほどのB級SF映画仕立て
ガンで余命半年と宣言された大金持ちで頭脳明晰な68歳のカリスマ建築家が、秘密の組織で、遺伝子を培養して作り出された肉体に電気信号化した脳の情報を送りこむ近未来システムで「不老不死」を手に入れる。ここまでは、実にオーソドックスなSF映画。
また、秘密の組織の施設や転送装置など近未来システムとは書いたものの、正直超が付くほどのB級SF映画風。冒頭から大丈夫か?と心配になるほどだ。
「臓器移植」のくだりは、世にも奇妙な物語仕立て
その後、物語はこれまた「世にも奇妙な物語」のように、臓器移植をテーマにした不思議エピソードにありがちな、レシピエント(臓器の受容者)にドナー(臓器の提供者)の記憶や体質までもが移植されてしまう…と言うのに似た感じで進んでいく。
こうしてみると、ありがちな2つの設定はエピソードを組み合わせただけに思えるが、本作の面白さは、「中古車」の肉体が持つ記憶や身体能力が次第に「宿主」の記憶や身体能力を侵食していくことで、その侵食する速度を、とある飲み薬の副作用で調節出来てしまうところ、
ヒューマン映画としても、十分に楽しめる
これによって、ニューヨークを創った明晰な頭脳と特殊な戦闘能力を持った肉体、自分の知る記憶と知らない記憶のダミアンの孤独な闘いが最大の見所になる。ただ、紳士のダミアンが心の迷いもなく敵を殺していくのは少々雑。もっと「孤独な闘い=葛藤」を寝転んで苦しむ以外の描写でじっくり観たかった。
しかし、カーアクション、肉弾戦、銃撃戦も見応え十分。また、中盤以降はSFアクション映画の皮を被った「親子愛」「夫婦愛」「友情」「アイデンティティー」を真正面に捉えたヒューマン映画になっていく。エンディングも好みが分かれるところだろう。
しかし、1つで3つを楽しめる欲張り映画として観れば、期待とは違ったが面白かった。
あとがき
「不老不死」を扱ったB級SFアクション映画。「世にも奇妙な物語」風の臓器移植の話。親子愛や夫婦愛や人間の尊厳を描いたヒューマン映画。この3つが本作1本で楽しめます。その分全体的にはやや薄味ですが、3つのいいとこどりがギリギリ成功しているので面白いし、いろいろ考えさせれる作品に仕上がっています。
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