とと姉ちゃん (第125回・8/26) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』『第125回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
※ 本作は 8/25 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
商品試験の影響を受けて、試験の対象となった小さな電機メーカーを苦境に追い込んでしまった常子(高畑充希)。責任を感じ、商品試験の企画をこのまま継続して良いのか悩む常子だが、社長として弱音を吐くわけにもいかず、誰にも打ち明けずに仕事を続ける。星野(坂口健太郎)の前でも気丈に振る舞う常子だが、その様子を見た星野は自分でよければ事情を話してほしいと伝える。悩みを打ち明ける常子に、星野は息子の秘密を明かす。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
あさイチの「朝ドラ子役特集」の3人の子役に癒される
クランクアップしちゃったし、本編放送後のあさイチ『プレミアムトーク “朝ドラ子役特集”』の可愛い子役を見たら、感想を書く気が失せてしまったから、3人の子役に癒されながらのーんびりと書いてみる。
脚本の構成と言うよりも、プロット段階で失敗してる
今回も本作ならではの手抜き編集の定番「5分刻みの構成」で、肝心な商品試験のくだりは終盤の5分間だけ。まあ、もうそんなことは許容範囲。前半?の10分間を観れば、描いただけマシってものだ。
それにしても、星野(坂口健太郎)の息子のケガのエピソードと、常子(高畑充希)の商品試験の苦悩のエピソードを重ねて、常子が「覚悟」を新たにし且つ強くすると言う流れにしたいのはわかる。しかし、完全に失敗している。きっと脚本の構成と言うよりも、プロット段階で失敗している。
最初の台所取材で、常子が息子の傷に気付けば良かった
失敗してるのは、息子のケガのエピソードを常子と星野の恋バナの中に組み込んだこと、それも恋バナがだいぶ進んでから。そして、失敗の理由は、視聴者が対して興味のない「恋バナの中の1エピソード」に過ぎない軽い扱いになったことで、後付け(取って付けた)感が半端無く漂ったこと。
こんなの、常子らが最初の台所の取材に来た時でも、2回目に来た時でも息子に水遊びでもさせて常子が傷に気付けば良いだけの話。むしろ、その傷の話から、水野の妻が亡くなったことや仕事が忙しくて子供の世話が出来ない悩み相談へ進んで、恋バナに流れるのが自然ってもの。何やってんだか、センスないなあ。
なぜ一度花山と離別してまでした「覚悟」を繰り返す?
そして、「商品試験」の話が始まってから繰り返される常子の「覚悟」「決心」もおかしい。だって、「商品試験」をするに当たって(一応映像的に好意的に脳内補完して)あれだけの社内会議を得て、常子と花山で広告掲載の是非で散々揉めた結果、常子のあの大演説で「覚悟」と「決心」を描いたはず。
なのに、この2週間、何度も常子の「覚悟」のし直しが描かれる。作り手は「それだけ常子の中では大きな問題」と処理しているのだろうが、こう繰り返させるとむしろ「常子のあの覚悟は何だったんだ?」と常子の社長としての威厳や立場まで疑いたくなる。
全く悩んでいるようには見えない常子
その上、映像的には全く悩んでいるようには見えない常子がテレビの中でふんぞり返ってるから、常子がその時々の感情だけで “でたらめ” を言っているようにすら見えている。結局、「商品試験」が始まってから話が進んでないのと同じこと。残り5週間、絶望的以外の言葉が今は見つからない。
あとがき
あさイチに出演している内田未来さん、鈴木梨央さん、松本来夢さんのお陰で、ここ最近の朝ドラへの不快感、NHKへの不信感がほんの少しですが和らいだので、感想を書くことができました。
俳優さんはもちろん大事ですが、やはり制作と脚本がまともでしっかししていないとドラマは駄目だと言うことを本作が証明中ですが、残念ですが 8/25 にクランクアップしてしまったので、編集と語りの処理に期待するしかなくなりました。撮影スタジオに視聴者の気持ちが、反映されなくなった絶望感は半端ありません。
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
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第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103 104 105 106 107 108
第19週『鞠子、平塚らいてうに会う』
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第20週『常子、商品試験を始める』
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第21週『常子、子供たちの面倒をみる』
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朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える
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