とと姉ちゃん (第123回・8/24) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』『第123回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
トースターの商品試験が終わる。どの製品も自分たちの定めた基準に到達せず、酷評を免れない結果となるのは明白。花山(唐沢寿明)は覚悟を決め、執筆にかかる。一方、常子(高畑充希)は、週に一度だけ、星野(坂口健太郎)の子どもたちと過ごすようになっていた。子どもたちと笑顔で食卓を囲む幸せな時間が、かつて星野と過ごした頃を思い出させる。そんな幸せな日々が続いたある日、美子(杉咲花)から驚きの事実が告げられる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「批判」でなく、「批評」「評価」で無いのか?
前回の感想では一々拾うのが面倒だったから止めたが、今回のアバンタイトルでも使ってきたから一応書いておく。この「私、分かり切ってます」みたいな美子(杉咲花)も鼻につくのだが、問題は台詞の文言。美子は「批判」と言っているが、これは明らかに脚本家のミスか言葉知らずが原因の間違い。
前回の感想でも書いたが、まず「相当な覚悟」も間違い。「商品試験」を目玉企画にする際に散々会議を開いて(と言うことになってる)、覚悟は全社一致してるはず。そして「批判」でなく「批評」「評価」「見解」では?これ、当blogにも度々「批判ばかりで」なんてコメントが届くから、この言葉には非常に敏感。
私の理解では、「批判」の辞書的な意味は「批評し判定すること」で「批評」とあまり変わりはないが、「否定的内容を言う場合が多い」と記述がある。つまり、一般的な用法通りにその対象物に対しての “不満や不快感を述べたこと” になる。
それに対して「批評」は「物事の善悪・美醜・是非などについて評価し論ずる事」で、良い所を褒め悪い所を指摘し、且つ “良い理由と悪い理由を述べること” とある。どう考えても、今回の花山(唐沢寿明)は苦悩の原因は、正しい「批評」をしなければいけないことの重圧感や責任感のはず。
落合Pから「本編は5分未満にせよ」のお達しがあるか?
そして「批評」だから検査機関を使わず自社検査したり、広告掲載をしないとか、商品提供を受けないとかの設定が活きるのでは?実際、この部分の感想を書くだけでも辞書サイトと録画の見直しで20分以上も掛かる。そう言う苦労を花山がしていると言う解釈が間違っているのか?
尚且つ、頭が痛くなるのは、主題歌明けの雑誌の見開きのカットに乗っかる語りで「厳しい批評」と言ってること。一体何人のゴーストライターがいるんだよ、と疑いたくもなる。そして、肝心の編集や商品試験などの中心部分は、お約束通りに5分前に終了。落合制作統括から「本編は5分未満にせよ」とのお達しでもあるかのよう。
総集編で9割カット確実な常子の女子力アゲアゲエピ
あとは、前回でも書いたように、絶対に総集編では9割方カットが確実な常子(高畑充希)と星野(坂口健太郎)の恋バナ風仕立ての常子の女子力アゲアゲエピソード。本当にどうでも良いようなニンジン嫌いの子供に食べさせる話。時間繋ぎにも程がある。
演出家の「高畑充希さんへの演技指導」の放棄にムカッ
この星野家のシーンで最も気になったのが、明らかな高畑充希さんへの演出家の演技指導の放棄。きっと「子役との絡みは高畑さんにお任せします。自然に楽しくやって下さい」って丸投げしているようにしか見えなかった。だって、それまでの常子と完全に違うし。
特に、星野が帰宅する辺りの高畑さんと子役2人の芝居は見ているのが恥ずかしくなるレベル。(多分)脚本にはない小さな声でのやり取りとか本当に邪魔。まあ、何度も子役に同じ演技をさせるのは難しいから、NGが出るまで撮りっ放しと言うのは良くある手だが、常子に無駄な動作が多過ぎる。
もちろん、常子がハイテンションになっていると言う解釈も成り立つが、それなら社内で美子に対して帰りが遅くなることを伝えた時に、美子にでなくカメラにだけは少し微笑んでも良かった。如何にも「私にもオトコはいるからね」みたいな威張った表情はおかしい。そして、星野家も5分で終了。
「登場する団体や商品は実在のものではありません」
もう、残りの5分はどうでも良いやって感じ。それにしても、美子の婚約にどれだけの視聴者が興味を持ってるのか?常子の恋バナだって見たくないのに。
みんなが観たいのは最後の「昭和 あたなの家族写真」に老眼では読めないような小さな文字で重ねて書かれている「登場する団体や商品は実在のものではありません」のその団体や商品、そしてそれらをつくった人々の話。そこに背を向けている限り、本作が面白くなることは無い。
あとがき
昨日は居ても立っても居られずに、『朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える』の記事を書きました。そしてその翌朝がほぼ15分間観なくても良いような内容って。この感想を書くのにどれだけ時間と神経を使うのか。おっと、それを言うなら書かなければ良いですね。
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
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第5週『常子、新種を発見する』
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第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
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第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103 104 105 106 107 108
第19週『鞠子、平塚らいてうに会う』
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第20週『常子、商品試験を始める』
115 116 117 118 119 120
第21週『常子、子供たちの面倒をみる』
121 122
朝ドラ「とと姉ちゃん」の高い視聴率と増える厳しい意見の“ねじれ”を考える