はじめまして、愛しています。 (第5話・2016/8/11) 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『はじめまして、愛しています。』(公式)
第5話『生まれて初めて書いた手紙』の感想。
美奈(尾野真千子)はハジメ(横山歩)のことを思うあまり、ああしろこうしろと口うるさく、逆に信次(江口洋介)は甘やかし気味だ。ある日、ピアノのレッスンに乱入したハジメが、生徒を椅子から突き飛ばし、自分のノートや筆箱を庭に放り投げる騒ぎを起こす。美奈はハジメをたたこうとして寸前で思いとどまるが、どう接するのが正しいのか分からない。真知(余貴美子)はそんな2人に、親からどのような愛情を受けて育ったのかと尋ねる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
美奈の「夢破れたピアノ教師」の設定が花開いた
美奈(尾野真千子)の「自宅で子ども向けのピアノ教室を開きながら国際コンクール入賞を目指すために結婚しても出産をせず、現在49連敗中の理想とかけ離れた現実に思い悩む日々を送る女性」と言う設定が、第5話の序盤で美奈の父・真美(藤竜也)との電話のやり取りだけで見事に花を開いた。
こう言う主人公の人物設定が、第1話からでなく折り返しとも言える第5話で、グィっと「親子」「子育て」「教育」と言う部分にきちんとフィードバックさせてくるあたりが、遊川和彦氏らしい脚本の巧みな仕掛け。その意味では、真知(余貴美子)からのハジメ(横山歩)への助言もさりげないが強力に物語を後押しする。
心地良く作品世界に、どんどん惹き込まれる
本作にこう言う考え方で向き合うのはどうかと思うが、飽くまでもプロがつくる連ドラとして考えると、一見何でもないように見える設定や台詞が、後々になって「なるほど」「そうくるか」と思わせてくれると、ドラマ全体に説得力が生まれて、心地良く作品世界にどんどん惹き込まれていくのだ。
作り手側になれば「シメシメ罠に嵌ったな」と言わんばかりだが、実は気分良く罠に嵌る作品は意外と少ない。その意味では、相変わらずクセの強い作品ではあるが、一度嵌れば抜け出せない魅力がある。
手紙のエピに、台詞で「アイシテイマス」が秀逸
中盤までに本作の魅力、いや魔力に魅せられたらラストのハジメから手書きの手紙のくだりは号泣必至のはず。序盤から仕掛けておいた「愛って何? しあわせって何?」と言う本作のど真ん中のテーマを、文字で無くハジメの「アイシテイマス」と言う台詞に託した潔さはお見事。
「愛」と言う意味はまだよくわからなくても、「アイシテイマス」とハジメが自分なりに「すてないでください」の答えとして信次(江口洋介)と美奈に言葉で伝えた意味は大きい。
手紙と言う視覚と台詞と言う聴覚で視聴者の五感の内の2つに強烈に訴える、ハジメの「今度こそ」と言う気持ちと、それに「絶対に応えよう」とする新人パパとママが、コツコツと創り上げていく新たな家族を見守りたい。
あとがき
普通のドラマなら、この位に計算されたファンタジーだと少々鼻につくものですが、テーマがシビアながら抜群のバランスでコミカルさとシリアスさが混在しているために、むしろフィクションとして安心して観ていられる気がします。超リアルよりこの位が丁度良いですね。次回にも大いに期待します。
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テレビ朝日系木曜ドラマ『はじめまして、愛しています。』主題歌:理由/槇原敬之
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