とと姉ちゃん (第104回・8/2) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』公式
第18週『常子、ホットケーキをつくる』『第104回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。


宗吉(ピエール瀧)が作った小麦粉料理は、入手困難な材料と複雑な課程で出来上ったものだった。もっと簡単に、混ぜて焼くだけで作れる料理が知りたいと、味見した梢(佐藤仁美)たちが言う。その言葉を受けて常子(高畑充希)が思いついたのが、ホットケーキ。妙案とばかりに原稿作成に取りかかるが、花山が抜けた穴は大きくうまくいかない。そんな時、広告を出した料理学校の副校長が現れ、常子たちに無理難題を押しつけてくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

ここまでやっても、「花山の大きさ」が見えてこない

それでなくても好感度の低い常子(高畑充希)を “自業自得” にまで描いて、花山(唐沢寿明)を出版社から一度退場させることで、雑誌づくりや会社にとっての花山の存在感の大きさを描きつつ、大量の回想シーンの投入で常子の雑誌創刊時の気持ちを描こうとしているのはわかる。

主人公や特徴的な登場人物を一時的に退場させることで、そのキャラクターの大きさがわかると言うのは、実は脚本を書く上でもとても重要なことだ。

先日紹介した本『人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方- (小池 一夫/著・講談社)』にもこう書いてある。

キャラの大きさは消せばわかる。フィクションでなく、歴史上の人物や有名著名人で考えればわかり易い。もしも織田信長や徳川家康が存在しなかったら?黒澤明や長嶋茂雄をいなかったら?そんな世界は考えられない。そんな存在の大きさや輝くオーラのようなものを背負っているのが、主人公なのだ。

「起承転結」の「起と結」だけ並べてもダメ

ただ、今回も脚本が失敗している。花山が退社して苦悩していないといけないはず常子が、花山のアイデアをパクった?美子(杉咲花)の小麦粉料理ネタで、どんどん話を進めてしまい、困っているようには見えにくいから、肝心の花山のキャラの大きさが全く伝わってこないのだ。

花山の大きさが伝わらない理由はもう1つある。それは先週末から「花山の退社」「広告掲載」「小麦粉料理」の3つを同時に並行させて描いているから、物語が散漫になってるため。でも、描いていること自体は間違っていると言うわけではない。

ただ、「花山の退社」は回想で、「広告掲載」では広告主からの圧力を、「小麦粉料理」で森田屋の夫婦と綾(阿部純子)たちが登場して、表面的な出来事しか描いていないのが問題なのだ。要は、以前にも書いた「騒動至上主義」によって、「起承転結」の「起と結」だけが並んでいるから面白味がないのだ。

史実にフィクションを加えるなら、面白くしてほしい

どうやら、私の感想まで散漫になって来たから、この辺でまとめよう。そもそもこの小麦粉料理特集のネタ元は、「暮しの手帖」の第7号(昭和25年)に掲載された「誰にでも必ず出来るホットケーキ」の実話だ。

ざっと史実を追うとこうなる。この企画を発案したのは大橋鎭子さん本人で、女学校を卒業し日本興業銀行に入社した(昭和12年)際に、新人歓迎会で出たのを思い出す。因みにその時のホットケーキは現在も有名な洋菓子メーカー「コロンバン」のもの。記事に掲載したレシピは同社のオーナーシェフのご子息のものだった。

そして、この特集で重要なのは、現在では当たり前となった調理工程を詳細な写真で解説していくと言う編集長の花森安治さんのアイデア。そのお陰で『暮らし手帖』の大きなウリにもなり、販売部数が増えたと言う。これが史実。

なのに、本作ではそこへ強引に花山の退社や森田屋のくだりを詰め込むから、話がややこしくなる。史実通りに描けとは言わないが、史実にフィクションを加えるなら、面白くしてほしい。だって、モデルになってる実在の人に失礼ではないか。

あとがき

今日は結局、何の話だったのでしょうか。さっさと花山がブーメランのように編集長に返り咲いて、水田にもホットケーキを作らせて誰でもできるレシピである確証を得て、写真撮影すれば良いのに。おっと、これは私の勝手な妄想あらすじです。

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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』
103

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