とと姉ちゃん (第103回・8/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第18週『常子、ホットケーキをつくる』『第103回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
広告の可否を巡って衝突した花山(唐沢寿明)と常子(高畑充希)。もう君と一緒に雑誌は作らないと花山は会社を去る。花山抜きで開かれた次号の特集会議で、美子(杉咲花)は誰でもできる小麦粉料理を紹介する企画を提案する。しかし、それは花山が発見したネタだった。専門家に助言を求めて、常子たちは宗吉(ピエール瀧)の元を訪れる。宗吉たちも、仕出し屋を復活して伝統を守るか、もうけの見込める洋食屋にするかで悩んでいた
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今週は、"他力本願" と "丸投げ" でスタート
先週末、常子(高畑充希)たちの “自業自得” で花山(唐沢寿明)が会社を去った。そして、週明けの月曜日は冒頭の「凄いじゃない、よっちゃん」の “他力本願” で始まった。そして、物語は宗吉(ピエール瀧)への “丸投げ” に続いた。ホント、月曜から暗雲しか見えてこない。
なぜ、常子たちに宗吉夫婦を手伝わせさせなかった?
なぜ脚本家は、常子たちに宗吉の小麦粉料理づくりの手伝いをさせないのだろう?最近、どんどんブラック化してる鞠子(相楽樹)の「雑誌づくりに協力して頂けませんか?」にも腹が立つ。ここは散々世話になった恩人に対してだから、「私たちも協力しますから、お知恵を拝借できませんか?」でしょ?
宗吉たちに丸投げした後の小橋三姉妹の態度は、既に次号の大問題は解決済みのような安堵の表情。美子(杉咲花)も早々に退社。常子は美子のご機嫌取りの算段(それも社員を個人的な用事に利用して)。鞠子は水田(伊藤淳史)と恋バナ。「まあ、いいご身分だこと」としか受け取れないのだが。
洋食屋のくだりは、残念過ぎる
どうやら、照代(平岩紙)の悩みと常子の心情を強引に重ねて、常子を目覚めさせようと言う脚本の仕掛けのようだ。しかし、特に終盤の洋食屋でのくだりは、本当に残念と言うか無念と言うか。
照代の「亡き母の森田屋の再建をするべきでないか?」って言い分と、宗吉の「これからは洋食の時代だから儲かる洋食屋をやるべき」って言い分の対立。ここまではわかる。しかし、照代の「儲かることだけが大切じゃないでしょ?」にギョロ目で常子が反応したのは、流石に安直。まっ、これ以上は明日以降にしよう。
なぜ、常子と綾たちとの交流を描かなかったのか?
そして、後半の綾(阿部純子)たちの登場も安直。宗吉と照代では以前の森田屋の賑やかさが出ないからと言う理由での登場だろう。でも、普通はこう考えないか?
「直線断ちの企画のあとも、常子と綾たちは交流があったんだ」って。
今回だって、最初から宗吉たちを手伝えば良いし、せめて取材当日はエプロンだけでも着せておけば良かった。綾たちとの交流だってこれまでいくらでも盛り込めたはずだ。
社長業より、常子も積極的に内容に関わる映像が欲しい
以前にも書いたが、常子は儲けのためには動くが、雑誌の内容については殆ど他力本願の丸投げ状態。それが社長と言えばそれまでだが、「庶民の暮らしを良くしたい」と言う思いで始めた出版事業なら、もっと積極的に雑誌づくりに加わる映像を入れた方がいいに決まってる。
結局、常子さん含めた小橋家の好感度アップになるような描写は意図的か?と思う程に避けて来た本作。そして、無駄話で時間稼ぎをして、あっと言う間に結論だけ見せたら、また次の話への繰り返し。これ、全156話の構成の完全な失敗。
脚本や演出で描くことも、視聴者が観たいことも最初から決まっているのに、始めってみたらまるで違う印象のドラマになってる。従って、回を重ねれば重ねるだけ、常子たちの好感度は下がり、物語も崩壊していくばかり。流石にもう巻き返しは難しいだろう。
あとがき
既に、予告編でおおよその流れは見えてるので、今週は淡々と崩壊していく様を見ることになるのでしょうか。思えば、4か月まえの4月4日(月)の第1回放送の時は、あんなに大きな期待を膨らませていたのに…と思うと残念で仕方ありません。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
しずこさん 「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 (暮しの手帖 別冊)
大橋鎭子と花森安治 美しき日本人 (PHP文庫)
大橋鎭子と花森安治 戦後日本の「くらし」を創ったふたり (中経の文庫)
花森安治のデザイン
花森安治伝: 日本の暮しをかえた男 (新潮文庫)
花森安治 増補新版: 美しい「暮し」の創始者 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)
★本家の記事のURL →
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/8733/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/440625177.html でも受付けております。
【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99 100 101 102
第18週『常子、ホットケーキをつくる』