HOPE~期待ゼロの新入社員~ (第3話・2016/7/31) 感想

HOPE~期待ゼロの新入社員~

フジテレビ系・『HOPE~期待ゼロの新入社員~』公式
第3話『事件勃発上司の危機を救え!!』の感想。
なお、原作:制作CJE&M、脚本チョン・ユンジョン、演出キム・ウォンソク『ミセン-未生-』(ドラマ) 及びユン・テホによる小説「ミセン-未生-」(webtoon)は未見で未読。


契約社員として営業3課に配属され、喜ぶ一ノ瀬(中島裕翔)。一方、正式採用された桐明(瀬戸康史)、あかね(山本美月)らは新部署で苦闘することに。そんな中、営業3課から資源2課が引き継いだ案件の契約書が紛失。営業3課のミスだと怒った資源2課長・寺崎(矢柴俊博)は織田(遠藤憲一)を責め、かつて彼と契約社員との間にあった出来事について持ち出してくる。安芸(山内圭哉)はそれに憤慨し、寺崎を突き飛ばして問題になる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

各話で、2人の演出家の "個性" を活かしてる

演出の話が続くので、物語の話に進みたい人は4つ目の章の「あかねの勇気と一之瀬の健気さが、僅かだが美しく輝いた」へどうぞ。

第3話の演出担当は、第1話の河野圭太氏。第2話担当の城宝秀則氏とは『フリーター、家を買う。』『マルモのおきて』でコンビを組んでいた2人が本作を再び演出しているってわけだ。感想の冒頭から細かいことを書くが、第2話で演出に触れなかったから少しだけ。実に本作は、2人の演出家を上手く使い分けてる。

今回の河野氏は、80年代から活躍するフジテレビのベテラン演出家。1人の主人公が活躍する作品でも群像劇でもそつなくこなし、且つベテランながら意外と挑戦的な仕掛けをしてくるタイプ。一方の城宝氏は、気を衒わわず映像の基本に忠実に、でもありきたりなことはしない職人気質。

第1話は、全体の状況説明と主人公の紹介をメインに、視聴者へ物語に興味を惹かせるいろんな技を使って、前期の失敗を跳ね除けた。そして、第2話は主人公のキャラクターを深く掘り下げて魅力を際立たせるために、気を衒わずに中島裕翔さんの演技を中心に一ノ瀬を描いた。

織田と安芸が飲みに行く約束のシーンの "BGM" に注目

そして第3話。まあ、ここでもう1話、一之瀬メインの回を挟んでも良いところを、敢えて「営業3課」と「同期入社の4人」にフォーカスさせた。普通なら群像劇になって主人公埋没で終わるところだったが、細かいテクニックで、ギリギリ一之瀬を主人公に留めたって感じ。

例えば、終盤で織田(遠藤憲一)が鷹野専務(風間杜夫)に頭を下げ、それを見ていた安芸(山内圭哉)と飲みに行く約束をしたシーンのBGMに注目。

安芸が「俺、良い手本にします」で一度BGMが止まる。その後少し無音になるって、安芸が織田への気持ちを告げるカットが生きてくる。そして、織田の「大袈裟なんだよ」から同じBGMが再スタート。そして、この曲の最後の部分で一之瀬が登場する。そう、この1曲が営業3課の3人に跨っているのだ。

"BGM" が、第3話を群像劇で終わらせなかった功労者

映像的にも物語的にも、この時の一之瀬は織田と安芸とは別行動をとっている。視聴者も一之瀬の単独行動にハラハラドキドキだ。しかし、この1曲の絶妙な使い方で、実は織田が助け舟になることを暗示させてくれるのだ。でも、映像も音楽も刻一刻と一之瀬がピンチになる様子を映す。

そして、織田の登場となる。さっきの1曲に3人が跨っていたからこそ、一之瀬の単独行動が営業3課のためと言うように、より見えるのだ。と言うのは、あくまでも私の思い込みかもしれないが、あの無音の効果と1曲跨ぎは、第3話を群像劇で終わらせなかった功労者なのだ。

あかねの勇気と一之瀬の健気さが、僅かだが美しく輝いた

さて、演出の話から物語の話へ移ろう。正直、第1話、2話と続いてきた一之瀬を中心に描く構成を変え、ギリギリ群像劇にはならなかったことが、第3話の脚本の一番良かったことなのだが…。

その理由はこうだ。現場に配属された「同期入社の4人」を満遍なく描くのを止め、配属先で存在感をアピールできずに、そして真実を知ってしまい悩んでいたあかね(山本美月)が何とか絞り出した勇気と、まだまだ社会人意識の低い一ノ瀬らしい軽はずみな言動を組み合わせたのは上手かった。

本年唯一の新人女性社員としてのプライドと、懸命に「営業3課」の一員になろうとする契約社員の男の忠誠心とか健気さみたいなものが、巨大な組織の中で何とか埋もれずにほんのりとだが美しく輝いた。

まあ、暗唱暗号とか夜に侵入とかドラマだからと目をつぶらないといけない部分はあるが、それを許せるだけの見応えはあった。

俳優陣が素晴らしい

もう、遠藤憲一さんと山内圭哉さんの存在感や演技力、そして演じているキャラクターの魅力は語る必要はないだろう。そこで注目はやはり「同期入社の4人」だ。一之瀬以外は若さゆえのプライドの高さや今時の若者らしい強かさや正社員としての余裕みたいなものを持っている。

そして、山本美月さんは危なっかしいあかねを、瀬戸康史さんは最近の軽めなキャラとは違う成績優秀で冷静さと思いやりを兼ね備える複雑な真司を、桐山照史さんは『あさが来た』で培ったムードメーカーの演技を将吾に吹き込んでる。

で、中島裕翔さん。いいね、単純に。中島さんのファンには叱られてしまうかもしれないが、あくまでも例えとして、周囲からの期待度0%の「一之瀬歩」をちゃんと “みにくいアヒルの子” に見せてる。水面下で足ヒレをバタバタさせてる感じとか、でもいつかは大物になる予感をさせるとか。

次回は、再び囲碁で鍛えた記憶力と洞察力、ひたむきな努力を武器に、一之瀬が暴れてくれるようだから、そちらに期待しよう。

あとがき

まずは、第2話の感想にたくさんの「Web拍手」を頂きありがとうございます。
さて今回は正直、中盤まで群像劇になってしまわないか心配でした。でもギリギリ合格です。脚本はもっともっと創意工夫をして欲しいですが、やはり登場人物たちが実に魅力的です。

主人公には、高卒で期待値ゼロと言う「弱点」がありますが、とにかく応援したくなる「オーラ」があります。ライバル(であり同志でもありますが)の3人には、うぬぼれやすい、自信家、疑心暗鬼と言う「欠点」があり、でもムードメーカー、頭脳明晰、思慮深く公平と言う「武器」を持ってます。

これ、人を惹きつけるキャラクターの条件を結構満たしてるんです(完全じゃないけど)。何言ってるの?と思った方は、下記の記事を読んでみて下さい。理由がわかります。
『[読書] 人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方- (小池 一夫/著・講談社) 感想』
http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-7447.html

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【これまでの感想】
第1話 第2話

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