とと姉ちゃん (第100回・7/28) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第17週『常子、花山と断絶する』『第00回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
昭和23年。以前、常子(高畑充希)が勤めていた甲東出版が倒産する。出版社が乱立する中で、時代の波に乗り切れなかったのだ。一方、常子たちの雑誌「あなたの暮し」は徐々に売上を落とし、次号の出版が危うい事態となっていた。鞠子(相楽樹)から広告を取る案が出るが、花山(唐沢寿明)は頑として受け付けない。悩む常子たちに、懐かしい客が訪れる。それは、かつて世話になった宗吉(ピエール瀧)と照代(平岩紙)だった…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
記念すべき第100回のアバンタイトルが史上最悪…
しっかし、雑だ。脚本が雑過ぎる。今回のアバンタイトルなんて、まさにその代表格。
あれだけ(と言っても相当な私の脳内補完が入っている)の才能を持っている花山(唐沢寿明)が、リンゴ箱に化粧を施すくらいのことを気付いてもおかしくないし、安くて簡単で効率性を第一にするなら飾りなんて無駄と言うのもおかしくない。なのに、花山が常子(高畑充希)に「流石、女性目線」って感じで完結。
その上、また時間経過(1年半後)。そもそも創刊号と第2号の内容だって、映像的には「直線断ち」と「リンゴ箱」と数ページの雑誌の中身しか見せていない。あとは闇市での飛ぶように売れるカットと、注文の葉書の山だけ。あとは、ぜ~んぶ語り。「売れました」「大評判」の連呼の語りだけ。
なのに、今回のアバンは、第3号と第4号の中身の紹介すら映像はもとより語りでもスルーして、「販路を広げられない」を理由に1年半を時間経過させた。これ最悪。第3,4号をスルーするなら、第1,2号をもっとしっかり描くべきだった。だって、内容のわからない本の行く末になんて、興味が沸くはず有り得ないから。
内容のわからない本の行く末に、誰も興味は持たない
とにかく、今回はこれまでの雑誌「あなたの暮し」創刊からのおかしなことの集大成と言える。
私の記憶が正しければ、この雑誌の目的は(常子の金儲けは置いておいて)、最初は「庶民」の暮らしを良くするだった。次に「女性」を応援するになった。そして少し前から「庶民と女性」になり、チヨ(片桐はいり)が再登場してからは「婦人雑誌」ってことになってる。
そして、宗吉(ピエール瀧)が我がことのように自慢した「立派な雑誌」が販売不振の現実。私には、創刊号と第2号は目新しさと「直線断ち」と「三十七個の果物箱」に共感したものの、売り上げに味をしめた常子ら著者たちの視点が “立派” 過ぎて “庶民” から見放されてきただけに見えてしまう。
どうして、雑誌づくりを描くドラマなのに、その雑誌がどんなものかが話が進む度にブレまくるのだろう。そこが落ち着かない限り、内容のわからない本の行く末になんて、誰も興味は持たないのに…
あとがき
結局、滝子(大地真央)もまつ(秋野暢子)も殺しちゃいましたね。もう雑誌編になってるんだから、触れずに突っ走れば良いのに、今日も懐かしのシーン観たいのを入れて茶を濁す。肝心なことは描かず、無駄ばかり描く。これが本作。これが西田征史脚本。そしてこれを牛耳るのがNHK。スポンサーである視聴者をバカにし過ぎです。
これで来週の騒動まで読めましたね。金曜日に常子が花山に無断で広告を掲載して第5号を創刊。土曜日に『常子、花山と断絶する』。月曜日からは予定通りに「衣食住」の「食」をテーマに話が進む。
その伏線が今回登場した森田屋の面々。作るのは、戦前が和菓子だったから戦後は間違いなく洋菓子。デコレーションケーキはお金がかかるからパンケーキかな? そして、「直線断ち」の洋裁学校パターンの変形で、広告主の料理学校が嫌がらせ。こんなとこでしょ?西田脚本は。似たようなエピソードばっかり…
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
91 92 93 94
「とと姉ちゃん」自己最高25.3%。これでテコ入れも期待薄か?
95 96
第17週『常子、花山と断絶する』
97 98 99