とと姉ちゃん (第93回・7/20) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第16週『“あなたの暮し”誕生す』『第93回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
カフェで働く梢(佐藤仁美)たちから、常子(高畑充希)は思いがけないヒントをもらう。布がないのはもちろんだが、洋裁学校で特別な技術を学ばなければ作ることもできないというのだ。一方、洋裁学校を取材していた花山(唐沢寿明)も高価なミシンや布地でしか教えていない現状を知る。特別な技術や知識が無くても洋服が作れればと試行錯誤する常子たち。そんな折、花山が娘の散髪で使っていた新聞紙から洋服作りの発想を得る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
毎朝、虚しくなるようなアバンタイトルを見せないで
なんか、毎朝虚しくなる。特番以外はニュースと朝ドラしかほぼNHKを観ない私としては、受信料分の価値を見出そうと毎朝必死にいいとこ探しをしているつもり。しかし、今回もアバンタイトルから、明らかにいつもの “通りすがりキャラ” “使い捨てキャラ” のような梢(佐藤仁美)をフィーチャーしてのコント大会。
佐藤仁美さんの明るい存在感と演技で、本作に光が差し込んだのは良かったが、良かったのはそれだけ。どうして、アバンでグィっと視聴者の心を掴もうとしないんだ。
取材なのに、「でも」で口答えしただけの三姉妹
そして始まった、花山(唐沢寿明)に試される三姉妹のジャーナリズム精神。まっ、簡単に言えば三姉妹の編集者としての取材能力。深く捉えれば三姉妹が様々な相手とどう向き合うのか。
要は三姉妹の人間性が描かれちゃうのが取材のシーンってこと。なぜって、取材する時は、まず聞き手が自分をさらけ出さないと、相手の本音なんて聞き出せないからだ。
で、実際に描かれたのは、カフェで働く女性たちの生の声に、いちいち「でも…」と言って分け入り、ほぼ口答え状態。まだ、質問や聞き直しに見えれば良いのだが、完全に自分たちの主義主張の押しつけ。それも、やや感情的に。
何を描いても、三姉妹の裕福さが目立つだけ
結局、金にものを言わせて取材しているようにしか映らない。がんばって取材している三姉妹になんて全く見えない。そのようにずっと描いてきたのが本作。そして三か月半も毎朝刷り込まれてきた朝ドラだからこそ、益々常子たちの裕福さが目立っちゃう。この軌道修正はもう無理かも?
三姉妹が雑誌作りに奮闘しているように描くべき
久しぶりに登場した常子の「どうしたもんじゃろの~」で、三姉妹の葛藤、苦労、苦悩、悪戦苦闘を描きたいのだろう。だが、残念ながら雑誌のネタ探しに本気で葛藤し苦労し苦悩し悪戦苦闘しているのは、花山(唐沢寿明)しか見えない。
いや、実際の映像も、花山家での妻と娘とのやり取りが効果的に使われているし、何より常子たちより花山のアップが多い。作業しているカットも多い。そして、思いつくのも結局は花山って流れ。もう、脚本も演出(編集)も三姉妹の奮闘より、花山の才能を描く方に傾いてる。これではダメだ。
とにかく、三姉妹が雑誌作りに奮闘しているように見える映像にするべき。このままでは、花山を上手く焚き付けて簡単に金儲けしようとしている安易な小橋一族にしか見えなくなる。何度も書くが、どうして常子の、ヒロインの好感度を上げようとしないんだ。
あとがき
銀座にあんなだだっ広い事務所を構えるのも、鼻につきますね。カフェの女性たちへの取材も尻切れ。手柄はぜーんぶ花山先生。ここへ来てどうしようもないから唐沢寿明さんにおんぶに抱っこになってるようにしか見えません。とにかく、三姉妹の頑張りを描いて好感度アップ、それしかないです。
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
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第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』
85 86 87 88 89 90
第16週『“あなたの暮し”誕生す』
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