仰げば尊し (第1話/初回25分拡大・2016/7/17) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『仰げば尊し』(公式)
第1話/初回25分拡大『ジジイって呼ぶな!不良VS60歳の新人教師実在した奇跡の物語』の感想。
なお、原案:石川高子による小説『ブラバンキッズ・オデッセイ 野庭高校吹奏楽部と中澤忠雄の仕事』は未読。
樋熊(寺尾聰)はサックス奏者としてオーケストラで活躍していたが、訳あって一線を退き、現在は音楽教室で子どもを指導している。ある日、樋熊と子どもたちの練習風景を目にした美崎高校の校長・小田桐(石坂浩二)は、その丁寧かつ情熱的な指導に感銘を受け、樋熊に学校へ来てほしいと頼み込む。美崎高校を見学することになった樋熊だが、そこは娘の奈津紀(多部未華子)が「あの高校は甘くない」と忠告するほど荒れていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
この類のドラマの感想って、書くのが怖い…
世間一般の話として、小動物や赤ちゃんを見たら「可愛い」と言うのが人間として当たり前みたいな空気ってのがあって、それが私は苦手なのだ。そして、本作のような学園を舞台にした感動のヒューマンドラマには「苦言」「酷評」はご法度みたいな傾向がある。
小動物も赤ちゃんも学園ドラマも好きなのに、この世間体の枠に嵌らないと、前者では「変人」「冷たい人」と見られ、後者の場合はブログへの誹謗中傷コメントで、また嫌な思いをするのではないかと消極的になってしまう。と言うわけで、一応いろんな覚悟をしつつ率直な感想を書いてみる。
なぜ、わざわざ「2015年」と記したのか?
不良生徒たちを先生が…なんてドラマに、既視感がとかベタだとか王道たまとかなんて言うつもりはない。ただ、折角つくるのなら、リメイクとか焼き直しなんて思われないような工夫は出来なかったのかと思う。
例えば、わざわざ「2015年」と記したのだろう?私にはもし「2015年」が無かったら、「2010年」でも20年位前の設定でも成立したような物語と映像に見えた。でも、なぜあんなに “2015年らしさ” を排除した、ある意味、時代を感じさせない映像に仕上げたのだろう。
もっと “2015年らしさ” を表現すべき
実話の時代(1980年代)とは違う雰囲気を出したいから?
過去の類似作品と差別化したいから?
それは、わからないでもない。だって、あの昭和の頃から脈々と続いている “ドラマの中の不良生徒たち” を意図的に表現したのは「普遍的な」ものを表現したかったからに違いないから。
私にはその製作意図が、映像と意図に明らかなチグハグに見えてしまった。。悪く言えばどっち付かず、良く言えばいいとこ取り。やはり、折角「2015年」と入れたのなら、もっと “2015年らしさ” を表現すべきだし、そうした方が間違いなく“今どき”の若手俳優を揃えた意味があるはずだ。
冒頭で “未来” を見せ過ぎ
もう1つ気になったのは、冒頭で見せ過ぎたこた。それも「2015年」の “未来” を。あんなに見せなくても良かった。まぁ、視聴者に物語の先をある程度見せておくことで、最終回までの流れを視聴者に想像させ、第2話からの “裏切られた感” を阻止して継続視聴させるって役目は果たすと思うが。
個人的な好みは、“先”を見せずに、ドラマ、物語、俳優の演技の魅力で視聴者をグイグイと最終回まで牽引していくような力強い連ドラ。特に、学園ドラマはそうあって欲しい。但し、本作は公式サイトにもあるように、「世代を超えて届けたい、心に響くヒューマンドラマ」だから、命を描いてこそと言う思いがあるのかもしれないが…
いくらベタで王道でも…
あと、終盤1一人の意見でバーっと皆が靡(なび)いてしまったのも、もう少しドラマチック描けなかったのだろうか。いくらベタで王道は承知していても、流石に予定調和過ぎて少々拍子抜けしてしまった。もちろん、これも私の好みの問題だが。
あとがき
同じTBS製作のドラマ『表参道合唱部!(2015年)』の視聴率が思ったように振るわなかったのを思い出しました。『表参道~』は主人公の家族問題を無理のおり込んだために、ベタな感動ストーリーに茶々を入れたのが失敗でした。
そして、本作。奇を衒わずに、原作にあまり捉われずに、無名の高校の吹奏楽部が日本一になるサクセスストーリーを描くだけで感動作になるものを、(想像ですが)人気イケメン俳優を起用するためにここ数年では見かけることの無くなったヤンキー学生のくだりを加えたことで、過去にも散々あり、今となっては(残念ながら)時代遅れとなった、青春群像劇に成り下がってしまったような気がします。
『ROOKIES』の大成功を今再びとの熱い思いで作っているのだと思います。しかし、生徒役の俳優さんたちの存在感が違い過ぎ…やめときます。寺尾聰さんと多部未華子さんの名演技に期待します。でも、来週も15分拡大ですか。だらだら感が強調されないことを期待します。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
ブラバンキッズ・オデッセイ 野庭高校吹奏楽部と中澤忠雄の仕事
★本家の記事のURL →
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/8668/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方は、
http://dmesen.seesaa.net/article/440151347.html でも受付けております。
- 関連記事
-
- そして、誰もいなくなった (第1話/初回30分拡大・2016/7/17) 感想 (2016/07/18)
- HOPE~期待ゼロの新入社員~ (第1話/初回30分拡大・2016/7/17) 感想 (2016/07/18)
- 仰げば尊し (第1話/初回25分拡大・2016/7/17) 感想 (2016/07/18)
- 時をかける少女 (第2話・2016/7/16) 感想 (2016/07/17)
- こえ恋 (第2話・2016/7/15) 感想 (2016/07/16)