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とと姉ちゃん (第90回・7/16) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』公式
第15週『常子、花山の過去を知る』『第90回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。


花山(唐沢寿明)から助言をもらい、常子(高畑充希)たちは本格的に雑誌作りに取りかかる。完成した新しい雑誌は大好評で、飛ぶように売れていく。一度きりの約束は果たしたという花山。引き続き編集長にと常子たちが懇願するも、花山の決意は固い。しかし、常子は花山の中に新しい雑誌の構想があることに気づく。バラックで苦しい生活を続ける人々の姿を見つめる花山。常子は声をかける。花山が描く理想の雑誌をともに作りたいと
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

これ、「起承転結」の「転」で本当に良いのか?

今回の15分間は、間違いなく全156話の「起承転結」の「転」だ。それも、これまでの「起承」を無かったことにした、完全な再出発と言って良い。これ、もう連ドラはとは言えない。ただの4コマ漫画が90回目でしかない。このまま、だらだらと描くよりはマシと言えるが、これで良いのか?と言う思いの方が強いのは間違いない。

これまでの小橋常子は死んだ。そして生まれ変わった

とにかく、アバンタイトルでの花山(唐沢寿明)と常子(高畑充希)らの 上でこれまでのことを無かったことにしてると書いたが、脚本家の勝手なやり方をそのまま鵜呑みする訳にはいかない。

例えば、「編集長を続けて頂けませんか?」と言う理由は「もっと売れる本を作りたい」からであり、「一から雑誌づくりを教えて頂きたいんです」の理由は「(良い意味で)ノウハウを盗みたい」と言うことだ。ここまでは、これまでの常子たちの他力本願で拝金主義が統一されている。

おかしいのは美子(杉咲花)の「花山さんが本気で関わりたいと思う本づくりを私たちにも携わらせて下さい」と言う台詞だ。これ、巧みに論理がすり替わってる。だって、常子は自分がつくりたい本を作って利益を独占したいがために、甲東出版を退職しKT出版をつくり、それに賛同した1人が美子のはず。

その美子が、花山と一緒に雑誌づくりをやりたいから、花山さんのやりたいようにやって下さいと言っているのと同じ。これでは、常子の、ヒロインの存在粋がない。

しかし、主題歌明けの常子も、KT出版が花山自身がつくりたい雑誌をつくるのなら編集長になってくれるのか?と花山に質問した。この時点で、残念ながら、これまでの89回で描かれた小橋常子は死んだ。論理のすり替えで別人に仕立てられた。なぜなら、自分がつくりたい雑誌を捨てたのだから。

常子らの好感度を上げるなんて簡単なのに

これ、そもそも花山が筆を休めていると言う、どうでも良い設定が足かせになっている。そんなことさえなけえば、雑誌づくりで困っている常子に、小橋家の応援団である五反田(及川光博)が花山を紹介。花山自身が戦後の今必要なのはこんな雑誌だと熱弁を奮って、常子たちが共感するだけで良かったのだ。

そして、常子が「その雑誌、私の出版社で作らせて下さい。もちろん、編集長は花山さんで。そこで私たちも雑誌づくりを学ばせて下さい」と言えば済んだだけ。実に常子が謙虚に見えないだろうか。社長として堂々と映らないだろうか。そして、花山と小橋家を応援したくならないだろうか。

常子と花山が意気投合するまで、たったの数分か

しかし、残念ながら実際の物語はそうは進まない。常子はいつものように試行錯誤した場面はあれかな?程度にしか描かれず、突然に花山の前に現れて「答え」が何となく分かったことになってしまう。そしてここで脚本家は論理のすり替えに感じさせない妙な策をとる。

それが、ずっと花山がつくりたかった雑誌と、常子が一夜漬けでパッと閃いた真似されない雑誌が奇遇にも同じだったと言う設定だ。そして、これだけでもおかしいのに、「根拠はありません」と言って、一緒に仕事をしようと言う方向に強引に持ち込んだ。その上、花山がいつのまにか常子に説得され共感しちゃってる。

その根拠が中盤と終盤で描かれた戦後で困窮、困惑している人々シーンのつもりなのだろうが、果たしてそうなっていただろうか。かなり好意的に脳内補完しないと厳しいのでは。そして、ラストで「孝行娘のために」と力技で、『とと姉ちゃん』に結び付けて終了。本当に三か月半は何だったんだ?

あとがき

今朝も、似たような場面に似たような音楽乗り換えしでしたね。まっ、これまでことはキッパリ忘れて、次週から新たな『とと姉ちゃん』が始まると思って観た方が良いかもしれませんね。とは言っても、これまでの青柳商店や森田屋も関係のない話になりました。これで良いのかなって思います。

今日は、昨日までのような勢いと元気が出ません。だって、論理のすり替えをして、半年の内の6割り近く進んだ時点で、強引に再出発をやるなんてひどいと思います。視聴者をバカにしてます。NHKさん、視聴者、受信料を支払っている人たちをちゃんと見て下さい。

このやるせない気持ちを引きずって、これから仕事に行きたくないなあ。気分転換しよ。

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【ポケット版】「暮しの手帖」とわたし (NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ 大橋鎭子の本)
花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
しずこさん 「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 (暮しの手帖 別冊)
大橋鎭子と花森安治 美しき日本人 (PHP文庫)
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
73 74 75 76 77 78
第14週『常子、出版社を起こす』
79 80 81 82 83 84
とと姉ちゃん あの第82話で「連続20%超え」が途切れたそうだ
第15週『常子、花山の過去を知る』 85 86 87 88 89

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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