時をかける少女 (第1話/初回20分拡大・2016/7/9) 感想

日本テレビ系・土曜ドラマ『時をかける少女』 [5話完結](公式)
第1話/初回20分拡大『この夏最高に切ない禁断の恋!』の感想。
なお、原作:筒井康隆による小説『時をかける少女』は既読。劇場映画『時をかける少女(1983)』など既存映像作品はほぼ全作鑑賞済み。
7月7日。高校3年生の未羽(黒島結菜)は、前日カットした髪形を後悔しながら学校へ。放課後、物音がした理科準備室をのぞいた未羽は、割れた試験管から立ち上るどこか懐かしいような甘い香りを嗅いで意識を失う。そして、幼なじみの吾朗(竹内涼真)と翔平(菊池風磨)に保健室へと運ばれる。その日の帰途、横断歩道を渡った未羽が、落下してくる植木鉢に気付いて死を覚悟した瞬間、時間は横断歩道を渡る前に戻っていた。驚く未羽は近くにいた翔平に「タイムリープした」と話すが、相手にされない。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作小説、劇場版、アニメ版とも違う作品を期待…
脚本は、ドラマ『東京センチメンタル(2016年)』の脚本・演出担当の渡部亮平氏。演出はドラマ『マジすか学園4(2015年)』の岩本仁志氏。まっ、そんなことはどうでも良い。
私にとっては少年期に読んだ筒井康隆氏の昭和の名作のSF小説、それを見事に実写化した大林宣彦監督と原田知世さんの1983年の劇場版、新解釈で細田守監督が仲里依紗さんと創った2006年のアニメ版を超えるかどうか、いやそこまでなくても過去の作品とは違った味わいを魅せてくれるか、本作に求めるのはその1点のみ。
出演者紹介に終わった、残念な25分間の"ツカミ"
その意味で、第1話のメインタイトルを挟んだ最初のCMまでの約25分間の所謂「ツカミ」は大いなる期待ハズレと失敗で始まったと言わざるを得ない。なぜか?それは、ただの出演者紹介に終わってしまったから。
本作の魅惑的な世界観への期待感など、微塵も感じさせないロケ地を含めて、中途半端な真似事レベルのイントロだった。期待が大きかっただけに残念な「ツカミ」となった。言い換えれば、拡大分の20分間を無駄に使ったってこと。この調子で5話も持つのか心配だ。
人気俳優総動員で家族で楽しめる今風リメイク路線に
さて、「ツカミ」については、かなり厳しい評価となったが、全体を通して見ると、原作のストーリー(世界観でない)を活かしつつ、日テレ『土曜ドラマ』らしい “人気俳優総動員で家族で楽しめる今風リメイク路線” に仕上がってる、とは思う。ただ、ずっと気にはなったタイムパラドックスについては…今回は無視しておく…
青春時代の輝ける日々の幻影への胸キュンがない
それ以上に気になったのが、「過去の作品とは違った味わいを期待したい」と書いておいて矛盾することなのだが、原作や過去の映像作品を読んだり観たりした時に、必ず感じていた誰の心の中にも必ずあるであろう青春時代の輝ける日々の幻影を思い出させてくれたキュンとした感覚がなかった。
原作が持つ「女子高生のヒロインの時間旅行の冒険と淡い恋物語」と言うシンプルで強い物語とラベンダーの香りに包まれた世界観も、大林監督が劇場版で描いた時が静かに流れる尾道の長閑で美しい日本の原風景で「丁寧に紡がれるプラトニックな恋愛と青春ファンタジー」も。
そして、細田守監督が平成風な味付けで、原作の20年後の世界を生き生きとした作画で描いた「切なくも愛おしいひと夏の淡い青春の恋の物語」も感じなかった。
もっと登場人物たちに視聴者を惹き付ける強力な演出を
その理由は、本作が青春物語とSFの部分の描き分け、特に映像処理と音楽が不明瞭なため、どっちつかずの印象が強くなったのと、メリハリが乏しくなったこと。
決して全面的に否定するつもりはないし、想像よりは良かったが、やはり脚本でな必死に描こうとしている登場人物たちの心の動きに、もっと視聴者を惹き付ける強力な演出手腕が必要だと思う。逆に、演出次第ではまだまだ化ける可能性はあると思う。
あとがき
もう一人の演出家・茂山佳則さんは『ゆとりですがなにか』『デスノート(2015年)』のプロデューサーで、『掟上今日子の備忘録』の演出をした人。こちらもちょっと違うような。
主人公が安易にタイム・リープ(時間跳躍)の能力を使い過ぎてませんかね。それよって、主人公中心のストーリー展開になって男性たちが見えづらくなっています。もう少し演出でタイム・リープの演出効果を試行錯誤して、メリハリを付けつつ物語に馴染ませてはどうでしょうか。次回に期待します。
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