映画「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅(2D・字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
アリス(ミア・ワシコウスカ)は父親の形見であるワンダー号での3年間の航海を終えてロンドンに帰郷するが、雇い主からその船を奪われそうになり困惑していた。そんなアリスは、青い蝶アブソレムから、帰らぬ家族を待ち続けているマッドハッター(ジョニー・デップ)の危機を聞く。
そこで、アリスは再びワンダーランドを訪れ、白の女王(アン・ハサウェイ)ら懐かしい仲間たちと再会し、マッドハッターを救って欲しいと頼まれる。アリスは時間の番人タイム(サシャ・バロン・コーエン)から時間をコントロールできる “クロノスフィア” を盗み、タイムスリップものとして禁断の過去を変える旅に出る…
これと言った “モノ” がない
6年前に、ジョニー・デップ×ティム・バートンで大ヒットした『アリス・イン・ワンダーランド』の続編だが、ティム・バートンは製作になり、監督は『ザ・マペッツ』等のジェームズ・ボビンが担当。
前作が、バートン監督としては久し振りにアクの強い癖を良い方に向けた作風で、誰でも楽しめる個性的ないい感じの仕上がりだっただけに、その延長線上を期待して行くと大ハズレを引くことになる。“没個性” は言い過ぎかもしれないが、タイムスリップ作品の禁断の矛盾を抜きしても、これと言った “モノ” がない。
続編ならではの “お楽しみ” が乏しい
もちろん、映像は前作同様に凝りに凝りまくった色彩とVFXで、本作ならではの世界観を堪能できるが、正直言うとそれもラストの30分くらい。前半の1時間が長いのなんのって、スクリーンの中が『時間の旅』なら私は『睡魔との闘い』だった。とにかく、辻褄が合っていないような物語をだらだらと…
その上、ジョニー・デップ演じるマッド・ハンターが終始地味なのでちっとも楽しくない。サシャ・バロン・コーエン演じる “タイム” が本作で一番見せ所なのに、キャラが不明瞭で迫力に欠ける。そして何より、常連の面白キャラたちが殆ど脇役ゲスト扱いで見せ場なしなのは残念過ぎる。
ディズニーらしいメッセージと、主演女優の成長が見所
「今」を変えるために「時間」を敵にして、「過去」をコントロールしようとしたが、結果的に「時間」は敵でないことに気づき、「過去」は変えられなくても「未来」を変えようと生きていくことが大切だと言う、ディズニーらしいメッセージは伝わってくる。
そして、ミア・ワシコウスカが劇中のアリスと同じように成長した女優としてスクリーンに立つ姿は、続編としてはかなり残念な仕上がりながらも、アリスの成長物語としてはまあまあの出来と言えると思う。
あとがき
続編としての物語の魅力は乏しいです。映像は、監督が誰でもVFX職人さんたちが頑張れば、この位の “続編らしさ” は描けるんだなと勉強になります。あとは、冒頭のアリスの船と海賊船とのスリリングなバトルを過ぎてからの約90分間の睡魔との激闘を乗り越えて、ラスト30分のグッとくるCG映像まで我慢できるか。
観て損はありませんが、上映前はうるさい程に喋っていたオバサマたちが、上映後は無言で劇場を後にしたことが一番印象的でした。
前作の感想の記事、あります。
映画「アリス・イン・ワンダーランド 3D(日本語吹替版)」感想と採点 ※ネタバレあります
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