とと姉ちゃん (第76回・6/30) 感想
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NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第13週『常子、防空演習にいそしむ』『第76回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
組合長の三宅(有薗芳記)に目をつけられた常子(高畑充希)は金属供出を理由に、家の中を物色される。壁に掛けられた家訓を見つけ、不謹慎だと畳に投げる。怒りを隠せない常子の言葉を遮り、鞠子(相楽樹)が理路整然と反論する。君子(木村多江)の提案で、誕生日のお祝いに夜通しで小豆を煮込み、おはぎを作り始める。しかし、深夜突然の空襲警報が鳴る。慌てて避難する常子たちはしちりんに僅かな火を残したままにしてしまい…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
また「短時間の騒動」で「使い捨てキャラ」か?
もう隠すことなく脚本家の「騒動至上主義」を前面に押し出した、戦争中なのに信じられないようなほんわかムードの世界へ、突然の「とと姉ちゃん、大変なの!」と言う美子(杉咲花)の台詞で始まったアバンタイトル。あーあ、また連続性のない「短時間の騒動」で「使い捨てキャラ」が描かれるのか。
“戦争” の緊張感や苦労を、組合長に押し付けるな
本作の脚本家と演出家は大したものだ。“戦争” の緊張感や苦労や惨めさを組合長の三宅(有薗芳記)一人に押し付けて描くのだから。
だって、普通の戦争ドラマなら三宅の言い分は常套句のようなものなのに、これまで小橋家アゲをするがために周囲の人たちを悪く描くことばかりやってるから、今回の三宅もただの口うるさいオヤジにしか見えないのが本作の辛いところ。
そして、相も変わらず小橋家は能天気で戦争風味を一切感じさせない設定のままだから、自分たちなりの暮らし方を主張しているはずのシーンも、単に不平不満の口答えをしているだけにしか見えないのも本作のダメなところ。
そして予定通りに、美子の「大変なの!」も僅か5分で終了。それも使い回し過ぎで違和感ありありのカメラの手前ががっつり開いた茶の間のシーンで。ホント、創意工夫が無いよなあ。
電球1つの演出にまで、気を配って欲しい
で、今度は『常子、かかのおはぎを食べる』へ移行。前述の通りで、小橋家の苦難が一切描かれていない状態での「おはぎづくり」なんて、お花畑も甚だしい感じ。脚本家の意図は「細やかな心掛けが小さな幸せを生む」の映像化なのだろうが、何人の視聴者がそう思うのだろうか。
空襲警報が鳴って、常子(高畑充希)と君子(木村多江)が逃げ出すシーンでの意味不明且つ中途半端なフェード・アウトは何なんだ?電球を消す位の演技を入れれば良いのに、こう言うのが雑な演出の例。逃げ出す時に消灯しないから、“小橋家特製プライベートシェルター” の電球の灯りの有り難さがちっとも伝わらない。
常子、今後はスイーツづくりの火加減に気をつける
そして、『常子、かかのおはぎを食べる』の結末は、ナント「小豆が焦げちゃった」だと。これ、普通の戦争ドラマならヒロインの家は火事で焼失、一家で途方に暮れながらも家族で力を合わせてこの苦境を乗り越えるんでないの。
特に本作の場合は、小橋家の苦労が描かれていないから、ここは空襲の直接の被害は逃れたのに “常子の小豆料理の不始末” でご近所が延焼したくらいの負荷を与えないと成長できないと思うが。
結局、君子が「生きてるだけで」みたいに締め括っていたが、今回の「騒動」で常子たちがどんな教訓を得たと言いたいのだろう。まさか「お菓子づくりは火加減が大切よ」ではないと思いたいが、とっくにご近所さんは知ってる空襲の影響も呑気にあとで聞く始末だから、『常子、今後はスイーツづくりの火加減に気をつける』ってことなんだろうな。
あとがき
そして、話は深川の空襲被害へ移っちゃいました。本来は、「小豆が焦げた位で良かったね」だし、君子は「もしこれが大火事になってご近所に迷惑をかけたらどうするの!」ですよね。そして、小橋家全員がおはぎに浮かれたこと、火の始末をしなかったことを心底反省して成長していく。なぜ、こんな簡単なことが出来ない?
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
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第5週『常子、新種を発見する』
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第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
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第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
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第9週『常子、初任給をもらう』
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第10週『常子、プロポーズされる』
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第11週『常子、失業する』
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第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
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第13週『常子、防空演習にいそしむ』
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