とと姉ちゃん (第74回・6/28) 感想
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NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第13週『常子、防空演習にいそしむ』『第74回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
滝子(大地真央)からもらった玩具と食料を物々交換した美子(杉咲花)。戦争は思い出までも奪うのかと、常子(高畑充希)と鞠子(相楽樹)の胸で泣く。数か月後、常子と五反田(及川光博)が編集作業をしていると、突然防空警報が鳴り響く。急いで避難するも、君子(木村多江)たちのことが心配でならない。常子は、これ以上戦争をたたえる雑誌は作れないと五反田に訴えると、「もう雑誌は作らなくていい」と突然告げられ困惑する
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
常子が “みんなの笑顔のために” 行動すべきだった
うーん。今日もため息しかでないアバンタイトルで始まった本作。今さらこんなことを言ってもしょうがないのだが、この滝子(大地真央)からもらったおままごと道具と食料を物々交換した美子(杉咲花)のエピソードで、脚本家は脚本家は戦争を悪者に描いて、それが何だと言うのだ。戦争が悪いことを描くのは必要だと思うが…
私は思う。この戦中で描くべきは、常子(高畑充希)が「とと姉ちゃん」として家族を守る、家族が笑顔で生きていけるようにあれこれ工夫することだ。そして、その日常生活の創意工夫が「暮しの手帖」創刊に繋がっていくべき。そう言う人物にどんどん常子を描いて、視聴者を洗脳すべきなのだ。
だから、今回のエピソードでは例えば、今回のアバンで美子の大事な玩具の価値を知った常子が、「やっぱりやめよう」と言って一度家に帰り、「子どもたちの笑顔が見たい」から作った隈井(片岡鶴太郎)の木製玩具のエピソードを活かし、歯槽膿漏に悩む人たちのために歯磨き粉を作った常子のエピソードを活かし、常子が行動を起こすべきだった。
高畑充希さんの演技も、演技指導にも違和感だらけ
美子を中心に裁縫で日常便利グッズやおもちゃを作っても良かったし、何か常子が「笑顔を作る」エピソードを入れるべきだった。しかし、現実は戦争への不満を言うだけで、知恵も生活への工夫もなく、健気でもひた向きでもないヒロインが描かれただけ。
こんな杉咲花さんが、美子の健気な悲しみを見事に演じているのに、彼女を慰める常子が美子の髪を触る芝居があるが、よくわからぬ妙な指先の演技が映る。焦点の合わない常子の目線。もうこうなると、高畑充希さんの演技も演技指導もすべてダメに見えてしまう
終盤4分の「常子アゲ」エピソードにがっかり
そもそも小橋家と甲東出版の位置関係って描かれたのか記憶は定かでないが、語りが「列車を使わず走った」と常子アゲを始めたのもホント脚本に工夫が無い。たかが常子が不在で鞠子が常子の代わりに防空壕に逃げ込むのを上手く出来たなったくらいで落ち込む理由がわからない。命が助かっただけでも儲けものの時代では?
小橋家専用防空壕があり、家も家族も無事なのに、「とと姉」がいないとダメと言う鞠子。こんなエピソードで不用意に常子アゲをするから、ますます常子の人気が下がるのだ。常子の言葉で「ずっと悩んでいたんですが」が吹っ切れたように描かれたが、何をどう悩んでいたのか教えて欲しい。
結局、戦争が描かれ始めてからの編集者としての常子なんて、嫌々校正作業をしていただけでは?それをここへきて強引に「暮しの手帖」へ舵を切る脚本。隈井の「笑顔を見たい」も、美子の悲しさも活かさず、ただ鞠子に頼られたからと言う感じで物語が違う方向に動き出すのは、また連続性の無さを露呈しただけだ。
あとがき
本音を言えば、美子の健気な悲しみも私の好意的脳内補完によるものなのです。美子と玩具の思い出なんて大して描かれてはいないのですから。でも、杉咲花さんの名演技でそう見えちゃった。これも朝ドラだと思うんです。しかし残念ながら、高畑充希さんにはそれもない。本当にこのまま進んで行くんでしょうか。
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68 69 70 71 72
第13週『常子、防空演習にいそしむ』
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