とと姉ちゃん (第70回・6/23) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』『第70回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
常子(高畑充希)が提案した新しい企画が検閲にかかり、谷(山口智充)が警察に捕まってしまう。五反田(及川光博)は、会社を守るため発売直前の雑誌を回収しようと動き出す。一方、常子たちが暮らす青柳では、清(大野拓朗)が受けた仕事をめぐり滝子(大地真央)と対立していた。普段通りの暮らしを守れない作りは青柳の名に恥じると反対する滝子に対し、今の時世どんな仕事を受けてでも店を守るのが大切なのだと清も譲らない。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「ユーモア」と「笑えるもの」は全く違うのでは?
相変わらず、「ユーモア特集」と「笑える読み物」と言う、私にはどう考えても別物にしか思えない単語を平気で同意語として使う本作。そんな中で常子(高畑充希)も「笑えるもの」なんて単語を使うから未だにこの雑誌がどう言う雑誌なのかちっとも見えてこない。
とにかく、第68回の感想でも書いた「笑顔=笑い」の乱用を含めて、ちゃんと区別して統一して欲しい。特に、「ユーモア」には風刺やウィットが含まれるが「笑える」にはそれがない。これだけでも雑誌の方向性は全く違うのだから。編集者を描くドラマで言葉の定義が不明瞭なのはホント辛い。
口先だけで「戦争の被害者」を描こうとしても…
さて、物語は本作お約束の「騒動至上主義」に則り、しばらくは常子の職場と実家の “騒動” を同時に描き、それらの元凶は「戦争」だと繋げていくつもりらしい。なぜ、木曜日になって15分間も使って、広い意味での「戦争の被害者」のエピソードを描くのかが理解できない。
まあ、毎週のことではあるが、なぜサブタイトルの『常子、花山伊佐次と出会う』で登場した本作最後かもしれない起爆剤である花山伊佐次(唐沢寿明)で面白おかしく物語を進めないのだろう。
終盤で警察から釈放された谷誠治(山口智充)が「ユーモア企画」のページを1枚1枚破いていくシーンがあったが、その内容が提示されていないから、折角の谷編集長の安っぽい傷メイクも合わせて、ちっとも「戦争の被害者」と言う部分が伝わってこない。
そして、このまま完全にヒロイン埋没の15分間と思いきや、ラストの10秒ほどで、強引に語りで「戦争の被害者」を強調。こう言うせこいやり方で、エピソードだけを並べても、時代も登場人物も見えてこないのだが…
あとがき
愚痴ついでに書きます。以前の鳥巣商事は男尊女卑で今度の甲東出版は男女平等のはず。なのに常子が本を回収に行くシーンは無い。社長の傷を労わる言葉や自分も責任の一端があるような台詞もありますが、全体的には、「戦争」や「警察」が悪者って感じに描かれています。
確かに、好意的に解釈すれば「戦争」や「警察」のせいなのですが、そこへ物語が集約してしまうと、常子の存在理由がありません。だって、すべての日本人がそうなのですから。もっと常子らしい発想でこのご時世を変えていく物語を見たいのですが、既に「常子らしい」が何であるかわかりませんので、どうしようもありませんね。
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
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第11週『常子、失業する』
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第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
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