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とと姉ちゃん (第69回・6/22) 感想

連続テレビ小説「あさが来た」

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』公式
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』『第69回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。


帰れと常子(高畑充希)を一喝する花山(唐沢寿明)。その態度に憤慨し、常子が立ち去ろうとすると、今度はどんな手を使っても原稿や挿絵をもらうのが有能な編集者だと説教される。戸惑う常子だが、賭けをしませんかと持ちかける。一時間で花山が挿絵を描くか、常子は描かない方に賭けるという。まんまと一本取られた花山は、赤い屋根の家を描く。喜び勇んで会社に戻ると、編集長の谷(山口智充)が警察に捕まったと知らされ…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

どうしても常子が聡明より、ずる賢く見えてしまう…

これまでの “騒動ありき” と常子(高畑充希)の描き方をずっと見てきてしまっているから、今回のアバンタイトルもただ怒鳴ってるだけの新キャラと、相変わらず自分の立場を理解していない自己チューのヒロインが映ってるだけにしか見えない。

主題歌明けも脚本家お得意の “肝心な設定はすべて後出し” の通りに、常子ンが編集者としてどれだけの資質や経験があるのか、視聴者に提示のないまま話が進むから、ただのネタ、騒動にしか見えない。どうせ常子のお手柄を描いて、常子が機転が利く、臨機応変の対応力があると言うのを描きたいのだろうが。

で、予定通りに花山(唐沢寿明)の台詞で編集者の仕事の後出し説明。そして、花山が相当の気分屋であることもご自身でちゃちゃっと澄ましちゃった。そんな状況で、常子のあの終始薄ら笑いで「賭け」を持ち出しても、聡明と言うよりずる賢く見えてしまうのが、本作のこれまでしたことの大弊害。

せめて「とんち問答」にでも見えれば良いのだが、とんちを利かせるようなキャラでもなかったはずだから、常子と花山の初めての出会いを面白おかしく印象付けるための突発的な創作。こう言う一貫性の無さが朝ドラをつまらなくするのに。

そして、折角描いて頂いたのだから絵の感想の前に、編集者としてはまず「ありがとうございます」ではないのだろうか。そして、描かれたばかりの乾いたようには見えなかった水彩画を封筒に入れて、尚且つ抱えて持って帰ろうとして、更に靴の踵が壊れるって、何の意味があるのだろうか。

どうしても常子が気さくより、高飛車に見えてしまう…

そんな、編集者として働き始めた常子へのマイナスイメージを引きずったまま、今度は出版社のシーン。ここでも、先輩の同僚たちに上から目線で作り笑いしながら話しだす。

確かに同僚の編集者たちとの「親睦」「親しさ」を描くのは悪いことで無い。鳥巣商事に入社した時もずけずけと先輩たちに話しかけていたから、この点では珍しく脚本の設定に一貫性はある。

ただ、気になるのは今回のエピソードが入社してどの位の期間が経っての話なのかってこと。少なくとも放送上は3回目。良く見積もっても入社一週間くらいではないだろうか。そんな入社したての常子が先輩たちにタメ口以上の上から目線で話させたら、ただのタカビーに映ってしまうに決まってる。

「入社一ケ月で編集の仕事にも慣れてきた常子が、ついに甲東出版の取引先で一番の難関、花山伊佐次に原稿を貰いに行くことになりました」の語りを前回で入れておくだけで多くの課題が解決したのに、それをしないから、単純に常子の言動すべてが鼻につくのだ。

今週から突然、全員善人ばかりになった違和感…

前回の感想へのゴンゾウさんのコメントの返信に書いたのだが、ここで少し詳しく書いてみる。本作は常子を始め小橋一家を「善人」に描くために、それら以外を「悪者」に描く傾向がある。例えば、君子(木村多江)を善人にするために、最初は滝子(大地真央)を悪人にした。

「鳥巣商事」は良い例。必要以上にブラック企業に描いたり、早乙女(真野恵里菜)も悪人だったが、済んでみれば何の意味も無かった。大きく括れば「戦争」「不景気」もみーんな「悪者」扱い。「戦争」「不景気」のお陰で、小橋一家が酷い目に合ってるって構図。

でも、本当はそうではない。「戦争」も「不景気」もただの時代、時代背景なのだ。当時の日本人全員に降りかかった「不幸」なのだ。しかし、脚本家は「不幸=悪者」の公式で話をすり替えて、強引にヒロインと小橋一家アゲをする。これがこれまでのやり方。

しかし、「出版社編」になって、突然に悪人不在のオール善人仕様に変わってきた。確かに、今週の月曜日から脚本も演出も、一気に「暮しの手帖」ベースの話の方向に路線変更しているのは明らかだし、常子ら小橋一家だけでなく君子も殆ど別人のように描かれている。

こうなると、これまでの11週間、数か月は何だったんだってことだし、むしろ過去のことは忘れないと今後の展開に違和感さえ生じる事態になってる。これって、流石に酷いと思う。

あとがき

違う番組が始まったと解釈すれば良いんですかね。もう「とと姉ちゃん」なんかどこかへ行っちゃいました。経済的に苦労している小橋一家もいなくなりました。元気はつらつの祖母の下で楽しく暮らす小橋一家と編集者の素質を光らせる常子の物語になりました。これで良いのかなあ。

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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
1 2 3 4 5 6
第2週『常子、妹のために走る』
7 8 9 10 11 12
第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
13 14 15 16 17 18
第4週『常子、編入試験に挑む』
19 20 21 22 23 24
第5週『常子、新種を発見する』
25 26 27 28 29 30
第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
55 56 57 58 59 60
第11週『常子、失業する』
61 62 63 64 65 66
第12週『常子、花山伊佐次と出会う』
67 68

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銭形平次>『とと姉ちゃん』第69話

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★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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