重版出来! (第10話/最終回・2016/6/14) 感想

ダメな私に恋してください

TBS系・火曜ドラマ『重版出来!』公式
第10話/最終回『私は忘れない!心が震える瞬間を…』の感想。
なお、原作:松田奈緒子「重版出来!」は未読。


中田(永山絢斗)の初連載が始まる。だが、アシスタントは彼を恐れて皆すぐに辞めてしまい、中田自身も寝食を忘れて作品にのめり込み精神のバランスを崩しかけていた。心(黒木華)はそんな中田を心配するが、その一方で、恐怖と支配を描く彼の作品「ピーヴ遷移」はじわじわと支持を広げ始める。売れるチャンスを嗅ぎ取った和田(松重豊)は、心に第1巻の告知を早めに出すよう指示。そんな中、心は中田と口論をしてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

本当に、良く出来た連ドラだ

感想の冒頭に書くべきことかと思うが、まあ良く出来た連ドラだ。今回は特に「近代芸術文化賞」からの電話が和田(松重豊)に掛かってくるまでの前半30分のが見事だった。特に、本作らしいセンスを感じたのが、「数字」を活用して「作家魂」と「編集者魂」をさらりと表現したところ。

例えば、三蔵山(小日向文世)が言った「276リットルの水」で漫画家の果てしない想像力を表し、安井(安田顕)のさりげない「10,000,000ビュー達成」と和田の「初版50,000部ってよぉ」の絶叫で、ベテラン編集者の技と歓喜を表した。

情に熱い面々たちが、数字で一喜一憂する出版業界を、最終回できちんと「数字が全てでない」と言うことを表現するために、敢えて数字を活用して描く。こう言う逆説的に物事を捉える脚本こそ、三蔵山の思考回路と共鳴し合ってる。そう、脚本家・野木亜紀子氏と三蔵山先生がリンクして本作が出来上がっているのだ。

1時間枠の構成がお見事

1本の電話までは、“中田ど下手画伯” から “中田天才画伯” となり、プロの漫画家としての生みの苦しみからもがき出ようと悪戦苦闘する中田(永山絢斗)と、担当編集者となった心(黒木華)らしい愛ある駆け足なフォロー、そして大先輩漫画家としての三蔵山の優しいアドバイスの物語だった。

しかし、受賞報告の電話1本で、三蔵山のバイブスの看板漫画家、そして1人の漫画家としての再生物語も始まった。そして、第1巻発売記念サイン会で、色紙に絵を描く決心をした新生・中田の出発の物語も。

その上、受賞記念パーティーの準備中に沼田(ムロツヨシ)が酒を持ってき近況報告したり、東江(高月彩良)とかつての天敵・安井と再会したり。サイン会には、漫画家’牛露田(康すおん)の娘・アユ(蒔田彩珠)が姿を見せたり、連ドラらしい視聴者プレゼントも悪くない。

三蔵山の受賞スピーチに感動

そして、受賞記念パーティーのシーンでの三蔵山のスピーチも実に緻密に計算された素晴らしい台詞だ。前半は当たり障りのない内容で、中盤で会場全体をどん底に落とすような『ドラゴン急流』の終結と自身の引退宣言を挟んで、後半は三蔵山まで「新生」を宣言するエネルギッシュなクリエーターの姿を描いた。こう言うメリハリが堪らないのだ。

観た人の心に必ずずっと残っていくと思う

そしてそして、終盤の小料理屋「重版」に、中田の『ピーヴ遷移』の重版出来の一方が届き、心人生初の「重版出来」を手に入れると言う大団円のハッピーエンド。ラストでの、心がコンビニで漫画雑誌の匂いを嗅ぐシーンと、中盤で中田が表紙の校正刷りの匂いを嗅ぐシーンと重なる、上手い仕掛け。

漫画雑誌も製作過程もデジタル化さえていくことが描かれてきた本作で、敢えて最後の最後は印刷のインクと紙の匂いに拘ったアナログチックなところも、本作のヒロイン・黒沢心に合っていたと思う。視聴率は今一つ振るわなかったが、観た人の心に必ずずっと残っていくであろう作品に仕上がったのは間違いない。

あとがき

クリエーターの生みの苦しみ、出版に携わる人たちの苦労、そして、目標を達成した時の最高の喜びを、毎週届けてくれた本作。毎日生きていくのはたいへんだけど、物事の捉えようや人間関係によって、いくらでも楽しくて充実した人生が送れるんだ、と言うことを全10話を通して教えてくれました。是非『続編出来!』でお願いします。

最後に、『重版出来!』の感想記事に、たくさんのコメントやWeb拍手を頂き、ありがとうございました。

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