ラヴソング (第10話/最終回・2016/6/13) 感想

フジテレビ系・月9『ラヴソング』(公式)
第10話/最終回『希望という名の最後の歌』の感想。
屋外で行われた真美(夏帆)の結婚披露宴で、さくら(藤原さくら)はたどたどしくも思いを込めたスピーチをし、神代(福山雅治)のギター演奏で自作の楽曲を歌いだす。そして手術を翌日に控え、入院したさくらだが、手術承諾書にサインをしようとしない。心の準備ができていないのだ。空一(菅田将暉)は神代に手術延期を訴えるが、先延ばしにすると声を失う危険性が高まる。神代はさくらに、歌うために手術を受けるよう語り掛ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
最後の最後の “あがき” は見て取れたが…
最終回の脚本は倉光泰子氏と演出は西谷弘氏で、第1~3話のコンビ。従って、全体の雰囲気は、第1話のまだ神代(福山雅治)とさくら(藤原さくら)の心が通い合う前のギスギスしたりした頃を思い出させた。
私は、本作は全3章からなっていると考えている。神代とさくらが医師と患者の立場での第1章、さくらの神代への恋とラヴソングが生まれた第2章、神代そっちのけでさくらの咽頭がんの闘病記が第3章と。
そう解釈する私には、闘病記の第3章をかなり強引な手口で、第1章のような雰囲気に変えて、最終回を描こうとしたスタッフの最後の最後の “あがき” を感じ、それが成功したかどうかは後述するが、その意気込みだけは評価したい。
腑に落ちない脚本や違和感を覚える演出の連続…
もちろん、私が観て感動するような最終回以外は認めないなんて姿勢はない。むしろ、素人の私なんぞが思い付かないような現役のプロのクリエーターたちに、見事に裏切って欲しいとさえ思っている。しかし、この最終回、残念ながら私には腑に落ちない脚本や違和感を覚える演出の連続だった。
簡単に言っちゃうと、低視聴率を自覚して自分たちがどうこうは一先ず置いておいて、多くの視聴者の満足するような最終回にすべきだったと思う。なのに…
●さくらのために日程変更した “結婚披露宴” は雨で尻切れ
●お蔭で、“感動のスピーチも歌も不完全燃焼” のまま終了
●第3章であれだけ引っ張った “命を懸けた大手術” もあっさり終了
●退院してめでたしめでたしと括らずに、さくらの謎の失踪
●“さくらの退場” で、突然且つ強引に神代の恋バナ再スタート
●「さくらは現役だから」と、勝手にカヴァー発売を断る意味不明な采配
● “年の差恋愛は無理”、“40男の恋は痛い” みたいな後味の悪さ
当然、ハッピーエンドを望んでいた訳でもないが、このエンディングでは流石に「さくらの成長&成功物語」も「神代の再生物語」も「さくらと神代の恋愛物語」の何れもが中途半端なまま終わっただけ。低視聴率&低評価の中、「ファンだから」「月9だから」「さくらの歌が聴きたいから」と最終回を期待した視聴者を見事に裏切ったと思う。
敗因は、“大人の事情” の自縛を解けなかった大人たち
敗因は、偏に “大人の事情” の自縛から解くことを選択しなかったフジテレビやタレント所蔵事務所にあると思う。放送前から新人歌手・藤原さくらさんを福山雅治さんのバーター(抱き合わせ)出演は噂になっていた。しかし、蓋を開けてみると、藤原さくらさんが思ったより単純に良い。特に歌声が。ネットや世間の評判もそうだったと思う。
この早期の段階で、福山さんを藤原さんのバーターにするくらいの切り替えが必要だった。そして、物語をさくらと空一(菅田将暉)と真美(夏帆)の上京してきた3人がそれぞれ悩みを抱えながら夢を追いかけて都会で生きていく青春胸キュンストーリーにして、悩みの相談役に神代を置けば良かったと思う。
そして、音楽が、ラヴソングが、人生を明るくし切り開いていく原動力になるんだってことを、神代が3人と視聴者に訴えるドラマに仕上げたら良かった。悩みの相談役や水先案内人の存在で、視聴率で苦戦した前作『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』とも明確な差別化も出来るし。そう、大人が悪いの一言だ。
あとがき
結局、物語に一本の図太い背骨が通っていないのですよ。小骨ばかりで食べにくい焼き魚みたいなもの。所々の身は美味しいのだけれど、食べにくい。だから、食べやすい魚の方へ行っちゃうみたいな。
マグロみたいに一本の図太い背骨が通って全身を支えていて、部位ごとに旨味が違う楽しさ、そんなドラマにさせなかったのが “大人の事情” です。もうそう言うドラマづくりは止めにして欲しいです。
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