とと姉ちゃん (第61回・6/13) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第11週『常子、失業する』『第61回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
昭和15年10月。戦争が長期化する中で、常子(高畑充希)たちの会社は次第に閑散としていく。青柳商店も森田屋も例外ではなく、宗吉(ピエール瀧)は給金をしばらく待って欲しいと、君子(木村多江)たちに頭を下げる。仕入れがままならず、注文も売上も減少の一途だという。そんな折、常子は多田(我妻三輪子)に相談にのってほしいと言われ、ビアホールに行く。そこで突然、時世を憂う男たちに不謹慎だと絡まれてしまい…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ、小橋一家を “無神経家族” に描くのか?
もうさあ、この脚本家は何を書きたいのさ?それもこんなに物事を雑に書いて 。先日までお汁粉で乳繰り合ってた話が、唐突に戦争で物資が無いって話になった。まあ、話が停滞するよりはマシってことにしよう。ただ、今回描かれた森田屋の経済事情のエピソードはおかしすぎる。
そりゃあ、住み込み家族の立場で森田屋の本当の経済事情はわからないとは思う。ただ、一応君子(木村多江)は森田屋で働いている立場、常子(高畑充希)と鞠子(相楽樹)は手伝ってる立場で、その上頭が良くて察しが良いと言う設定があるのに、宗吉(ピエール瀧)が話を切り出して、初めて気づいた様子なのが解せない。
普通は「もう察してるとは思うんだが、うちの資金繰りが大変で…」と切り出すべきで、こんな短い台詞も雑に省略するから、君子たちが “無料奉仕” していたように映ってしまう。その上で鞠子の台詞で “ただ働き” と言わせるから無神経家族にしか見えないのだ。
だって、この状態では、(特に)君子は給料のために働いている意識は非常に希薄で、手伝いの駄賃程度にしか弁当屋の仕事を考えていないことになるし、常子も妹たちも「一家の大黒柱」と奉るってことは、母の弁当屋の手伝いはその程度と認識していたことになっちゃう。私が、好意的脳内補完をし過ぎたのだろうか?
なぜ、ビヤホールで赤の他人とケンカをさせたのか?
それに、あの例の常子のマフラー。ビヤホールでもこれ見よがしに椅子に掛けてあったが、店内の様子を見てもマフラーをするような陽気に全く見えない。そもそも常子も多田(我妻三輪子)もブラウスしか着ていないし。
そんな違和感だらけの状態で、本作お約束の “騒動” が始まった。これまでのパターンだと、単純に暴力事件を起こした常子が会社から突然解雇を宣告されてしまうと言う『常子、失業する』のためだけのエピソード。
西田征史氏は、こう言う雑な脚本を書くから益々おかしくなるのだ。だって、喧嘩を最初に売ってきた男たちの理由は、戦争による経済事情や男尊女卑なのだが、その話は常子の会社の中での話でやらないと意味が無い。結局、通りすがりのケンカで失職するなら、最初から「暮しの手帖」に進めば良かっただけの話。ホント、どうしてここまで雑なんだろう?
あとがき
今日の終盤のコネ入社をさせるために1人を解雇するくだりとビヤホールでの騒動を、脚本家は戦争や男尊女卑問題に絡めているつもりなんでしょうが、全くそうは映ってません。相変わらずのブラック企業とのん兵衛のケンカってだけ。月曜から週末が思いやられます…
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【これまでの感想】
[読書] 「暮しの手帖」とわたし (大橋 鎭子/著・花森 安治/イラスト・暮しの手帖社) 感想 ※平成28年度前期 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』モチーフ,大橋鎭子の自伝
第1週『常子、父と約束する』
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第2週『常子、妹のために走る』
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第3週『常子、はじめて祖母と対面す』
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第4週『常子、編入試験に挑む』
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第5週『常子、新種を発見する』
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第6週『常子、竹蔵の思いを知る』
31 32 33 34 35 36
第7週『常子、ビジネスに挑戦する』
37 38 39 40 41 42
第8週『常子、職業婦人になる』
43 44 45 46 47 48
第9週『常子、初任給をもらう』
49 50 51 52 53 54
第10週『常子、プロポーズされる』
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第11週『常子、失業する』