重版出来! (第7話・2016/5/24) 感想 ※追記あり

ダメな私に恋してください

TBS系・火曜ドラマ『重版出来!』公式
第7話『天才VS凡人…マンガの神様に愛されたい!』の感想。
なお、原作:松田奈緒子「重版出来!」は未読。


沼田(ムロツヨシ)は20年前に新人賞を受賞するも、その後は鳴かず飛ばず。現在は三蔵山(小日向文世)のアシスタントをしながら持ち込みを続けている。沼田は後輩・中田(永山絢斗)の才能に脅威を感じていた。一方、心(黒木華)は絶版漫画を電子書籍化する企画の担当に指名される。第1弾は‘消えた漫画家’牛露田(康すおん)の往年のヒット作。心は和田(松重豊)と共に牛露田の自宅を訪ね、娘のアユ(蒔田彩珠)に出会う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

“作家が乗り越えなきゃいけない壁” を見事に描いた

今回のプロの漫画家を目指す2人の男の違う末路と、昔売れっ子漫画家だった男の末路を描いた物語、「ものづくりの苦労」「作品を見る力」「才能とは何か」など、クリエイターの端くれの私の心にグサリグサリと刺さるシーンが多かった。

とにかく、クリエイターの仕事が、漠然としたイマジネーションを多くの人が認識できる水準の媒体に反映させる作業がどれだけ魂を削って行われるのかを、見事に描いたと思う。

「厳しい才能の世界」を2冊のネームノートで魅せた

三蔵山「嘘をつく程、君は 孤独 子供だったか」

中田(永山絢斗)のネームノートの行方を知るのは沼田(ムロツヨシ)だと見抜いていた三蔵山(小日向文世)が、沼田に言うこの台詞。これまで何度も作品づくりの中で自分の心と真剣に向き合ってきた三蔵山先生だからこそ、沼田の心の中を察し、沼田に漫画家を諦めるきっかけの引導を優しく渡した今回の名シーン。

三蔵山が自分のアシスタントに言うのも辛かったろうが、そのきっかけもまた才能あるアシスタントのネームノートを見たことと言う、正に「厳しい才能の世界」を中田と沼田のネームノートで魅せた。ラストで、沼田が実家の酒屋のPOPに書いたイラストがジーンと来た。

漫画の中だけで生きていたかった男の物語

沼田「精米具合30%。原料のお米を削って削って
   30%まで削って、いいところだけでつくるんです」

「広島銘酒 酔心」を囲んで三蔵山と沼田が酒を酌み交わすシーンも実に印象的。沼田が書いたアンドロイドの漫画のテーマが多くの人に届かなかったのは、沼田がその作品のテーマを徹底的に研ぎ澄ませなかったから。この「テーマを研ぎ澄ます」ことと、大吟醸酒の精米率の話を重ねて描いたのはお見事。

何がお見事かって、そのことを一切台詞では言っていないこと。師匠と弟子の最後の酒盛りって感じで、じわっと描くだけに留めたこと。そして、インクをぶちまけたのは自分だと名乗り出た沼田の心の中を、まだ見抜くことができない未熟な天才・中田のバックで流れる主題歌も印象的だった。

あとがき

今回も面白かった。特にものづくりをする人間の端くれとして考えさせられるシーンや元気を貰えたシーンが多かったです。そして、面白おかしい場面ばかりでなく、人生の厳しさも描いたのは秀逸でした。更に、私自身やりたいことを仕事にできる幸せも再確認しました。

ただ、2つだけ気になったのは、心(黒木華)の成長物語の部分が薄かったこと。そして、心が関わった “消えた漫画家” 牛露田(康すおん)のくだりが2週跨ぎで、今回に入れる必要性が乏しかったこと。別にフリーキャスターの赤江珠緒さんが出演するからと言う理由でもないだろうが、ここだけちょっと気になりました。でも、次回にも大いに期待します。


【追記:2016/05/25 12:48】
リウさんから「ちなみにウチのテレビには三蔵山の言葉は孤独ではなく子供と表示されました どちらなんでしょうね」とのコメントを頂きました。録画を何度か観直して聞き取り難いですが、「子供」が正解のようです。私としては「孤独」の方が、そのあとのムロさんの演技に合っていたような。漫画だから「子供」でいいのかな?

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コメント

初めてコメントさせていただきます
今期のベストだと思います 心が絡むハッピーなエピソードを見たいと思いますが こういう話を上手く見せてくれると嬉しくなります
ちなみにウチのテレビには三蔵山の言葉は孤独ではなく子供と表示されました どちらなんでしょうね
  • 2016-05-25│12:31 |
  • リウ URL│
  • [edit]
Re: タイトルなし
☆リウさん
初めまして。そして、コメントありがとうございます。
今回は良かったですね。
若干漫画家寄りのストーリーではありましたが、
作家あっての編集者ですから、たまにはこう言う変化球も良かったと思います。

> ちなみにウチのテレビには三蔵山の言葉は孤独ではなく子供と表示されました どちらなんでしょうね

ご指摘ありがとうございます。
早速修正させて頂きました。

私の脳内脚本家が「孤独」と書いたようです。
漫画家とアシスタントだから、親子的関係よりも、
1人のクリエイター同士って方がしっくりするようにも思います。
  • 2016-05-25│12:56 |
  • みっきー(管理人) URL│
  • [edit]

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